|
|
リアクション
★ ★ ★
「足許に気をつけてな、オデット嬢」
「うん」
森に入ってきたのは、柊 恭也(ひいらぎ・きょうや)くんとオデット・オディール(おでっと・おでぃーる)さんのペアです。
「道が暗いから、危な……うわっ!」
言うそばから転びました、柊恭也くんが……。
「スーミスミスミスミ……」
柊恭也くんの足を掴んだ忍者超人オクトパスマンくんが闇の中に消えていきます。
「なんだったんだ、今のは……」
「気をつけようよね、恭也くん」
「あ、ああ……」
オデット・オディールさんの言葉に、うなずくしかない柊恭也くんでした。
その先も、森に落ちていたコンニャクなどに足を取られて二人とも何度も転びそうになります。
「ふう、やっと危険地帯を抜けたな」
「そうだね」
そう言ってるそばから砂に足を取られて二人とも転んでしまいました。イナンナの加護のおかげか、二人とも大した怪我もしていませんが、どうにも転がり続けてます。
「あの、できたら、手、繋がない? その方が転びにくいと思うんだ」
「それは気がつかなかった。二本の足より四本の足だよな」
なんだか変な理論で、二人は手を繋ぐことにしました。いえ、理由なんでなんでもいいんです。だって……。
さてさて、お手々繋いで作戦が功を奏したのか、それとも、歩き方がちょっとゆっくりになって慎重になったためか、その後は転ぶことなく洞窟に辿り着けました。
「暗いね」
オデット・オディールさんが、柊恭也くんの後ろについて、背中にピトッと顔を埋めて歩きながら言いました。
「さすがに、もうじきゴールだろ。ほら、あそこに……うわっ!」
「きゃあ!」
突然柔らかい地面に足を取られて、柊恭也くんがつんのめりました。霧島春美さんの仕掛けたスポンジです。当然、連鎖的にオデット・オディールさんも転びます。
「むぎゅう」
下敷きになった柊恭也くんが潰されそうになってちょっと悲鳴をあげました。
「重い……」
オデット・オディールさんも、潰されそうになって悲鳴をあげます。ちょっと、待ってください、なんでオデット・オディールさんまで潰されそうになっているのでしょうか。
「チャックがない……」
「あははははは……」
いつの間にか、カレン・クレスティアさんと、マティエ・エニュールさんが上に乗っかっています。
「うわああああ!!」
パニックになった二人が、祠に白い巻き貝を投げ入れると、一目散に逃げて行きました。