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リアクション
★ ★ ★
「さて、では俺たちも出発しようか」
「でも、私なんかでいいんですか? 本当は寿子さんを誘おうとしていたのでしょう?」
遠藤寿子さんのパートナーであるアイリ・ファンブロウ(あいり・ふぁんぶろう)さんが、ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)くんに訊ねました。
「それが、アイリをないがしろにする理由になるとでも? 少なくとも、俺はそんな男じゃないな」
「分かりました。楽しみましょう」
そう言って、アイリ・ファンブロウさんがダリル・ガイザックくんに微笑みました。
「でも、少しぐらいは寿子さんの話題を話してもいいんですよ。そうだ、新刊は読まれましたか? 新しいカップリングがそれはそれは……」
「ええっと、そっちの話題はあまりついていけないんだ。話せると言ったら、イコンぐらいなんだが……」
BLの話題になりそうなので、ダリル・ガイザックくんがあわてて話題を変えました。
「イコンですか……」
なんだか、アイリ・ファンブロウさんが、慎重に言葉を選びます。
「現在は、メインにスフィーダか応龍を使っている。そのうち、ジェファルコンも使ってみたいものだ」
「そうですね。あれはいい機体ですものね」
ほーほーとソア・ウェンボリスさんのフクロウが鳴く中、話が弾みそうになったときでした。
「森も怖い、コンニャク怖い、火の玉怖い!」
またたび明日風(木曾義仲)くんが、こんな所にまで暴走してきました。
「危ない!」
ダリル・ガイザックくんが、あわててアイリ・ファンブロウさんを後ろ手にかばいます。
「ぎゃあ、ゆる族の死体があ!」
なんだか、またたび明日風(木曾義仲)くん、ソア・ウェンボリスさんに驚かされたみたいで、凄い勢いで戻ってきました。
「こうなったら、魔法少女アウストラリスに……」
アイリ・ファンブロウさんが変身しかけたときでした、突然、またたび明日風(木曾義仲)くんがびったーんと倒れて地面と仲良しになりました。
「むむ、これは参加者なのか?」
足を掴んだ忍者超人オクトパスマンくんが、小首をかしげます。
「同士討ちをしている間に、先に進もう」
「ええ」
巻き込まれてもめんどくさいと、ダリル・ガイザックくんがアイリ・ファンブロウさんをうながしました。
どうも、またたび明日風(木曾義仲)くんが暴れまくったようで、お化け役も混乱しているみたいです。その間にスムーズに祠に到着したダリル・ガイザックくんは、アイリ・ファンブロウさんと一緒に、ハマグリを収めました。
道すがらに交わされたイコンの話は、機密事項なので内緒です。