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横山ミツエの演義乙(ぜっと) 第2回/全4回

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横山ミツエの演義乙(ぜっと) 第2回/全4回

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プロローグ 神との交信


 2019年6月、百合園女学院。

「金団長との縁談を破談にして、中原統一なんて……。あなたは国家主席の娘とは言え、所詮は庶子。もう少し自重なされたらいかがですの?」
「言ってくれたわね! あたしの中原統一、見せてあげるわよ!」
 ラズィーヤ・ヴァイシャリーの言葉に横山ミツエはキレて校長室を飛び出そうとしていた。
「ミ、ミツエさん……」
「あんたには関係ないでしょっ! あたしが皇帝になったら、宦官にしてあげるわよ!」
ミツエは桜井静香の制止を振りほどき、そのまま百合園を出て行ってしまったのだった。
「ラズィーヤさん、あのままじゃミツエさん」
「静香さん、放っておきなさい。遅かれ早かれこうなっていましたのよ」
「だからってあんな事を言ったら」
「……確かに。私としたことが、熱くなりすぎたかしら。若い頃の自分を思い出してしまって、つい。それに……」
「それに?」
「静香さんを宦官にするなんて、許せませんわ☆ だって私が先に……フフフ」
「ラ、ラズィーヤさん!」
 それが百合園で見たミツエの最後の姿であった。

卍卍卍


 そしてミツエは、シャンバラ大荒野最深部、『奈落魔道』にやってきてた。
 英霊たちがアトラスを上りパラミタに訪れると言われるこの一帯は、ナラカの影響を受けた凶悪なドラゴンが棲む、シャンバラ最危険地帯でもあった。
「凄い英霊出てこないわね……」
 百合園を出奔して一ヶ月。
 焦燥感を隠しきれないミツエは久しぶりに着信のあった携帯を見た。
「何よ、このメール。“地域別出会い系サイト”? フン、どうせこの辺に登録している人なんて……えっ!」
 ミツエはそのサイトで上杉達也を名乗る男と知り合い、メル友となる。