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リアクション
更衣室で毒島 大佐(ぶすじま・たいさ)がタンキニの水着に着替えていると、プリムローズ・アレックス(ぷりむろーず・あれっくす)がそれをじっと見つめている。
(大ちゃん……やっぱり女の子になってたんですね)
それを確認すると、プリムローズはほっとしたようだ。自分も白のビキニに着替え始めた。
着替えが終わると、必要ない荷物をロッカーに預ける。
更衣室を出てのプリムローズの第一声が――
「よーし♪ このテーマパークの飲食店すべて周りましょうね!」
だったので、大佐は少し間をおいてからため息を吐き出した。
「せっかくのプールなのに?」
「だ、だって……なんか色々おいしそうなんですよ? ほら、パンフレットにもたくさん紹介されてますし……」
「わかった、付き合う」
しゅんとしてしまったプリムローズだったが、大佐の言葉を聞くとすぐに元気になった。
こうして、最初はプールではなくテーマパークの東側の飲食店を回る事が決定したのだった。
東側グルメツアーが終わると、今度は2人で腹ごなしのために波のプールに来ていた。何やら周りで少し戦闘が繰り広げられたようだが、プリムローズはまったく気づいていない。大佐の方は気が付いてはいたが、面白くなりそうなのを見て黙っている事に決めたらしい。
足がつくぎりぎりのところまで来ると、プリムローズは水をすくって、大佐にかけた。
「えいっ」
大佐は他の事に気を取られていたのか、水を思いっ切りかぶってしまう。
「いい度胸じゃないか」
「あ、あれ……!? 避けるかと思っていたのですが……」
「……まあ、良い」
上機嫌でそう言う大佐に首をひねる。
(いつもと違いますよね……? どうし――)
「きゃぁっ」
そして大佐がカメラを構えた瞬間、タイミングよくプリムローズのトップスが外れ、胸が丸見えになってしまった。さらに腕で胸を隠すと、今度はパンツの紐も触手に引っ張られ、取れてしまった。水着は少しだけ遠くを漂っていて、プリムローズ自身が取りに行こうとしたら、泳ぐために手をどかさなくてはいけない。
「大ちゃん! 撮らないでください!」
「こんな良い光景、撮らないなんて嘘だろ?」
「うわーん!」
水の上から、水中からとしばらくカメラで撮りまくると満足した大佐は水着をとってやる。
(他の奴に見られるのは癪だからな)
そして、水着を取ってもらい、着直したプリムローズは水中に隠れている犯人クラーケン目がけて龍の波動を放ったのだった。どうやらそれが止めとなったみたいだ。ついでにハデスと顔も浮かんできたようだが、知ったこっちゃない。
2人は波のプールから出ると、西側グルメツアーへと行ってしまった。