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水着デートは刺激的?

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 4人でやってきた柊 真司(ひいらぎ・しんじ)たちは家族用のスペースを確保すると、真司はさっそく飲み物を買いに出掛けてしまった。
 真司の姿が見えなくなると、ヴェルリア・アルカトル(う゛ぇるりあ・あるかとる)アレーティア・クレイス(あれーてぃあ・くれいす)は腰を落ち着けた。
 ヴェルリアはプールで遊ぶ人たちを眺めながら嬉しそうにしている。
「なんだか夏って感じがしますよね」
「そうじゃな。しかし……リーラのやつはどこに行ったんじゃ?」
 さっきまで一緒にいたはずのリーラ・タイルヒュン(りーら・たいるひゅん)の姿が見えず、アレーティアは怪訝そうな顔をする。
 アレーティアに言われやっと気が付いたヴェルリアは辺りを見回すが、その姿を認める事は出来なかった。
「あれ? 本当ですね。さきほどまで一緒だったのに一体どこに……」
 そうヴェルリアが言った瞬間、一陣の風とともに、両手いっぱいに飲み物を抱えたリーラが戻ってきて、素早くイスに座り、飲み物をテーブルの上に広げた。
 テーブルの上に広げられた飲み物はどれも綺麗な色をしている。ターコイズブルー、ローズレッド、ミントグリーン、スカイブルー……どれもこれも透明で鮮やかだ。
「おぬし……またか? 泳げないプールに来てまで飲むなら家で飲んでいればよかろうに……」
 それを見たアレーティアはあきれた口調でそう言った。
 リーラはその言葉を受けて、少しだけ口の端を釣り上げた。ほんの少しだから、よく目をこらしていないとわからないレベルだが。
「何ならアレーティアも飲む? まぁ貴方に味はわからないでしょうけど」
「はぁっ!? わらわだって味くらいわかるわ。馬鹿にしおってからに……その挑戦受けてやるわ!」
 何故か2人の間に火花が散るが、ヴェルリアはそれをのほほんと眺めているだけだった。というか、どうしてこんな事態になっているのかよくわかっていないようだ。
 そうして、数分後。
 見事にアレーティアは酔っぱらってしまっていた。まだグラス1杯しか飲んでいないというのに。
「弱くないんらって……。わらわが弱いなどと二度と言わせぬわー」
 呂律も回らなくなってしまっている。
「ふふ……そう」
 その様子を見ながら、リーラは楽しそうに4杯目に口をつけた。
「なんか、私ものど乾いてきちゃいました。真司はまだ戻ってきませんし……。リーラ、このジュース貰いますね」
「あ、それは……」
 リーラが止めるよりも早く、ヴェルリアはローズレッドの飲み物を飲みほしてしまった。
「……これ……ちょっと苦味がありますけど、美味しいですね」
「アレーティアよりヴェルリアの方が味がわかるみたいで嬉しいわ」
「ほえ?」
 そこへ、真司がやっと戻ってきたのだが、この異様な光景に一瞬立ち止まった。
「あ、真司です〜♪ えへへ、私の横に早く座ってください」
 ヴェルリアは無理矢理真司を隣に座らせる。
「一体どうしてこんな状況になったんだ?」
 ヴェルリアが真司の腕に自分の腕をからませながら、肩に頭を乗せてくる。真司はリーラを見つめた。
「んー……ヴェルリアはちょっと想定外だったのよ。アレーティアをちょっとからかおうと思って私が買ってきたのを飲んじゃったの」
 真司は目の前に広がる光景を見て、なんとなく想像はしていたようだが、直接聞かされ、うなだれてしまった。
 そして、ヴェルリアとは反対側の真司の横に無理矢理座ってきたアレーティア。目が座っている。
「わらわも……わらわも構うのじゃー!」
「これどうすんだ!? リーラも介抱するの手伝え――って、もういないし!」
 リーラは真司に言われるのを察し、とっとと神速で逃げていたのだった。
「せっかくのプールじゃないのかよ……」
 真司からため息が1つこぼれた。