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リアクション
欧州魔法連合――通称、EMU。
それまで幾度と無く財政危機を迎えていた欧州連合に代わる、魔法を政策の柱とし、魔法の復権と欧州の地位向上を目論んだ地域統合体は、混乱に塗れていた。
設立以来、影響力を大にしてきたミスティルテイン騎士団だったが、イルミンスール魔法学校を軸に進めてきたパラミタ開拓が、シャンバラ王国の不完全な成立で失敗とみなされ、また、シャンバラ王国自体への風当たりの強さから、徐々に影響力を発揮出来なくなっていた。
それに代わるようにして、反シャンバラ、反ミスティルテイン派を取り込み、勢力を拡大してきたのが、ホーリーアスティン騎士団である。EMUの政策決定機関、欧州魔法議会議長を二期に渡って務めてきたミスティルテイン騎士団当主、ノルベルト・ワルプルギスに代わり議長に就任したホーリーアスティン騎士団代表、エーアステライトは、議会の勢力を塗り替える機会を窺っていた。
そこに、シャンバラとエリュシオンの戦争の最中、ミスティルテイン騎士団の祖であり、イルミンスール魔法学校の意思決定に多大な影響力を及ぼして来たアーデルハイト・ワルプルギス(あーでるはいと・わるぷるぎす)がイルミンスールを去ったとの報告がもたらされる。
イルミンスールだけでなく、EMUにとっても由々しき事態に、エーアステライトはアーデルハイトのパートナーであるエリザベート・ワルプルギス(えりざべーと・わるぷるぎす)の欧州魔法議会への召集及び、事態の説明を求める諮問会の開催を提案する。諮問会の開催は免れぬと踏んだノルベルトは、エリザベートを呼ぶ代わりに相応の人物を代理として召集する案を提案し、二人の意見を合わせた諮問会の開催が決定された。
知らせは直ぐにイルミンスールに届けられ、イルミンスールを離れるわけにはいかないエリザベートの代わりに、パラミタ六首長家の一つ、ザンスカール家の当主の座を引き継いだルーレン・カプタ改めルーレン・ザンスカール(るーれん・ざんすかーる)、彼女のパートナーであるフィリップ・ベレッタ(ふぃりっぷ・べれった)、そして多くのイルミンスール生徒、教職員、果てはイルミンスールを大切に思う契約者たちが、諮問会への参加を決める。
ミスティルテイン騎士団か、はたまたホーリーアスティン騎士団か。
イルミンスールの命運は、彼らコントラクターに委ねられた――。
『イルミンスールの命運〜欧州魔法議会諮問会〜』
1ページ:プロローグ
2ページ〜6ページ:契約者が地球に降りるまでの各地の動き
7ページ〜11ページ:フランクフルト国際空港での事件とその顛末
12ページ〜13ページ:ベルギー到着、諮問会前日の動き
14ページ〜19ページ:諮問会当日の様子
20ページ:エピローグ
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