リアクション
※ ※ ※ 雪ノ下 悪食丸(ゆきのした・あくじきまる)、ジョージ・ダークペイン(じょーじ・だーくぺいん)、犬神 悟狼(いぬがみ・ごろう)の3人も、ヒーロースーツに着替えて参戦した。 最初は悪食丸が名乗りを上げてポーズを取る。 「熱い拳で突き進む、レッドブラッド!!」 次はジョージ。 「悪を断ち切る、シルバーブラッドッ!!」 そして、悟狼。 「いつかは、テレビみたいに自動で変身できたりするようになってやる・・・・・・野生の弾丸、ブラックブラッドッ!!」 最後は、全員でチーム名を声高に唱和だっ。 「血盟戦隊ジャスティスブラッド」 ・・・・・・と、ようやく、彼らも攻撃態勢に入った。 ジョージは火術を使って、悟狼はトミーガンで、それぞれ悪食丸の援護射撃。 悪食丸は、彼らの援護を受けながら、敵に接近して爆炎波を放つ。 しかし、火に弱いはずの雪女だが、これらの攻撃を受けても平然としている。 なぜなら、雪女は愛美の身体を借りているため、熱攻撃にはそれなりに耐えられるのだ。 鬼崎 朔(きざき・さく)は「カリンを攫った雪女憎し!」とばかり、猛攻撃を加えている。 尼崎 里也(あまがさき・りや)や他の戦闘メンバーと連携しながら、トラップを仕掛け、雪女の捕獲を目論んでいるのだ。 麒麟宮 文貴(きりんぐう・あやき)も、銃撃で朔をフォロー。 さらに、鬼崎 洋兵(きざき・ようへい)、ジーク・スカイウインド(じーく・すかいういんど)、シルヴィス・アークウインド(しるう゛ぃす・あーくういんど)、レクス・アルベイル(れくす・あるべいる)も追撃に加わる。 シア・メリシャルア(しあ・めりしゃるあ)は、アジトから出てくる式神たちを殲滅。 一連の見事なコンビネーションだった。 青龍寺 葉桐(せいりゅうじ・はぎり)は、全力で守備役を担おうとするが、麒麟宮 文貴に止められる。 「青龍はまだ守備には不十分だ。今は前衛のサポートをしろ! それが最大効果に繋がるから・・・・・・わかったね、葉桐? 辛いかもしれないけど聞いてくれ」 御館様である文貴からの指示とあらば、従わざるを得ない。 持っている火術で応戦した。 乱戦の中、白虎洞 紗々(びゃっことう・さーしゃ)の姿は見えなかった。 しかし、青龍寺 葉桐が雪女に追い詰められてピンチになると、「何やっとん・・・・・・やっ!!」の掛け声とともに、敵にダガー投げつけた。 いわゆる、隠れ身を用いた不意打ち作戦である。 ※ ※ ※ 戦闘は激しさを増していた。 雪女が栂羽 りを(つがはね・りお)に氷術をかける。 と、サバト・ネビュラスタ(さばと・ねびゅらすた)が助けに入る。 「りをに手ェ出す馬鹿がいやがったら、俺がとことん暴れちぎってやるからなーー!!」 サバトの勢いに、雪女はりをから離れた。 しかし、今度はベルセリア・シェローティア(べるせりあ・しぇろーてぃあ)が雪女のターゲットになった。 すかさず、月森 刹夜(つきもり・せつや)がベルセリアのピンチを救う。 「セツヤ、無事だったのね! ベルがセツヤを助けに来たはずなのに、逆に助けてくれてありがとう。なんだかんだいっても、必ずセツヤはベルを守ってくれるね」 戦闘中にもかかわらず、ふたりは絆を確認しあったのだ。 朱宮 満夜(あけみや・まよ)は、戦闘中、決して氷術は使用せず、他の魔法で攻撃を加えていた。 「雪女に氷術は効かないわよね」 酒杜 陽一(さかもり・よういち)は、戦闘に加わったものの、とまどっていた。 もともと、囚われていた生徒たちを逃がすためだけに戦うつもりだったが、さらに、攻撃の対象が愛美の体であることに、躊躇していたのだ。 しかし、小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)のディテクトエビルでは、明らかに「悪意を持っている者」のは愛美そのものだ。 式神たちには爆炎波と火術の連続攻撃を浴びせて倒したものの、愛美の本体に攻撃を加えることはできなかった。 「もしかしたら、愛美が身につけている雪の結晶ブローチがカギを握っているのかもね。あれを破壊すれば・・・・・・」 橘 恭司(たちばな・きょうじ)と橘 沙耶(たちばな・さや)も同じ考えだった。 彼らは、愛美の体についているブローチをめがけて、攻撃を加えた。 すると、愛美に異変が起こった。 なにかが、愛美の中でもがいている。 出て行けという力と、出て行くまいとする意志とがぶつかっているような感じだ。 この様子を見た朝野 未沙(あさの・みさ)は、すべてを理解した。 「わかったわ。雪女が愛美の身体を乗っ取っている間は、いくら攻撃をしてもダメね。愛美の身体が傷つくだけで、雪女にはダメージを与えられないわ。だから、雪女を愛美の身体から離すのよ」 未沙はそういうと、危険を顧みず愛美に近づいていって、彼女をギュッと抱きしめた! 未沙は、愛美の頭を片方の手で固定し、もう一方の手は背中に回している。 そしてなんと、おもむろに愛美と唇を重ねたのだ! 愛美は驚いて、未沙を突き飛ばす。 「ちょっと、やめてよ。私、そういうの興味ないから」 ヴァッシュ・ナイトハルト(う゛ぁっしゅ・ないとはると)が、慌てて未沙を抱き起こす。 しかし、今の反応は、明らかに本来の小谷 愛美そのものだった。 未沙の不意打ちキスに雪女も驚いて、一瞬憑依を解いてしまったのだろう。 だが、油断はできない。 まだ雪女は、完全に愛美からは離れていないのだ。 土御門 咲(みかど・さき)は、神矢の弓型光条兵器である「破魔弓・聖天浄」と、光条兵器の特質を使って、愛美の洗脳を解除しようと務めた。 また、この間にミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)は、囚われた生徒たちを脱出させるべく、血路を切り開いていた。 「まぁ、捕らえるって事は殺す気は無いだろうし、それなら何とかなるよ!」 そう考え、自ら盾になることを買って出たのである。 ただ、大洞 剛太郎(おおほら・ごうたろう)は、囚われた生徒たちの中にパートナーのコーディリア・ブラウン(こーでぃりあ・ぶらうん)がいないことに気づいた。 「ここにもコーディリアがいない。一体どこに?」 彼の不安はマックスに達していた。 ※ ※ ※ ブローチを破壊されそうになって、雪女は慌てていた。 この様子を見たウィルヘルミーナ・アイヴァンホー(うぃるへるみーな・あいばんほー)は、攻撃の手を休めて雪女に説得を試みた。 「こんな事を繰り返しても、幸せになるなんて事はできませんよ。それに、嫉妬に狂ったあなたに魅力を感じる人は誰もいません。正気に戻ってください。あなたは、こんな事をして喜ぶような人ではなかったはずです!」 さきほどまで、あれだけ頑強に意志を曲げなかった雪女が、明らかにぐらつきを見せた。 ウィング・ヴォルフリート(うぃんぐ・う゛ぉるふりーと)も、力ずくで倒すよりは、相手の心の隙を埋めたほうがよいと考え、説得にあたった。 「外見も大切だけど・・・・・・やはり一番大事なのは心ですよ」 これを聞いた雪女は、ついに「ワーッ」と号泣して、愛美の身体から完全に離れると、そのまま遠くの山に飛び去っていった。 憑依は解けたのだ。 「終わったのか?」 雪ノ下 悪食丸ら【血盟戦隊ジャスティスブラッド】のメンバーは顔を見合わせ、そして、喜び合った。 「初勝利だ、万歳っ!!」 |
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