リアクション
※ ※ ※ 「わあ! 可愛い女の子がいっぱい集まってる! ウハウハ〜」 アリス・レティーシア(ありす・れてぃーしあ)は、集団下校のため校庭に集まった女子生徒たちをみて、喜んでいた。 「さすが、おねーちゃんだなぁ。本当に一箇所に可愛い子を集めちゃうなんてすごい! 蒼空学園には可愛い女の子っていっぱいいるから、集めるなんてムリだろうなーって思ってたのに」 こう勘違いするパートナーのリース・アルフィン(りーす・あるふぃん)に、アリスはあえて否定しなかった。 「へへへ、すごいでしょ・・・・・・『ていうか、あたし何もしてないんだけど・・・・・・』 さあリース、可愛い女の子たちに呼びかけて、囮調査に協力してもらうわよ。マリエルさんや愛美さんにも声をかけてもらうように頼んでおいたからね」 アリスはそう言うや、片っ端から美少女に声をかけ始めた。 「あ、すみません! あたしアリス・レティーシアっていうの。あなたの三本編みおさげ、とてもステキだったので声をかけちゃいました」 声をかけられたのは、シャンバラ教導団のコーディリア・ブラウン(こーでぃりあ・ぶらうん)。 彼女はちょっと驚きながらも、ようやく声をかけてくれた人物に親近感を覚えていた。 「ありがとう、私、パートナーの剛太郎とはぐれてしまって、探しているところなんです。そうしたら、この校庭にやってきてしまって・・・・・・でも、まさか女の子にナンパされるとは思わなかったわ」 そうやって女の子たちとのやりとりをウハウハ楽しんでいるリース・アルフィンだったが、肝心の犯人は一向に現れる様子もない。 「おねーちゃん、やっぱりみんながいるところでは、犯人は出てこないんじゃない?」 「確かに、そういわれてみれば、リースの言うとおりかもね。よし、こうなったら犯人のアジトに潜入よ。そこにも可愛い女の子たちが囚われているはずだしね」 こういうと、アリスはリースの手を引いて、駆け出していった。 ※ ※ ※ 被害拡大を防止するためには、学園内外のパトロールも欠かせない。 リカイン・フェルマータ(りかいん・ふぇるまーた)は、誘拐の危険性があるところを重点的に見回っていた。 「聞いた限りだと、女の子は独りの時しか襲われないみたいだし、みんなもそれなりに警戒しているだろうから、見回るだけでも効果はあるんじゃないかと思うのよ。というわけでソル、手分けして人目のなさそうなところの見回りをお願いね」 ソルファイン・アンフィニス(そるふぁいん・あんふぃにす)が返事をしようとした矢先、噂を聞きつけたもうひとりのパートナーアストライト・グロリアフル(あすとらいと・ぐろりあふる)が大騒ぎをし始めた。 「おいおい、美少女がいなくなってるってどういうことだよ! このままじゃカワイイネーチャンとの出会いも減っちまうじゃねぇか・・・・・・いやまてよ、攫われそうになってるところに颯爽と俺が登場! 華麗に助けて、そのままいい雰囲気に・・・・・・というのも悪くないな。 よし、そうと決まればこんなところにいてもしょうがねぇ。まだ見ぬネーチャン、待っててくれよ〜」 鉄砲玉のように飛び出していったアストライトの意図を、ソルファインは理解できない。 「リカさん、今の兄弟、すごい勢いでしたけど、どうしたんでしょう? 」 「あいつのことなら気にしなくていいわよ、ソル。まともに話を聞かないで飛び出していったけど、多分やろうとしてることは私たちと同じだと思うわ」 「なるほど、そういうことなら、僕も見回りに協力いたします。早く皆さんが安心して帰れる日が来ますように。リカさんも、さらわれないように気をつけてくださいね」 「あはは、私はさすがに少女って歳じゃないから大丈夫よ」 リカインたち同様、朱宮 満夜(あけみや・まよ)とミハエル・ローゼンブルグ(みはえる・ろーぜんぶるぐ)のコンビも、箒に乗って学園をパトロールしていた。 「ミハエル、いつその白い着物の女性が現れるかわからないから、私たちも学園内を監視しないとね。街中に出現するのは不自然ですしね・・・・・・あと、考えたんだけど、やっぱり白い着物の女性って、雪女だと思うのよ? 季節柄ってのもあるでしょ」 「そうかもな。但し蒼空学園以外の女子生徒が狙われるかもしれないから、学園の外も見回ったほうがいいと思う・・・・・・『ともあれ、我輩は満夜の護衛に専念するよ』」 彼らの努力によって、被害の拡大防止に成果があったことは、言うまでもない。 |
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