リアクション
※ ※ ※ 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)も、自ら囮になった生徒のひとりだった。 彼女は雪女に捕まる際、ディテクトエビルを使用していたため、吹雪を浴びたものの、魔法防御力によって氷漬けを免れていたのだ。 「氷にされた女の子たちを助けるんだもんね」 そういうと、美羽は夕凪 あざみ(ゆうなぎ・あざみ)と協力して少女たちを助け出した。 解放された生徒たちの反応は、さまざまだった。 美羽に氷漬け状態を解いてもらったティファナ・シュヴァルツ(てぃふぁな・しゅう゛ぁるつ)は、淡々と周囲を観察しながらつぶやいた。 「助けてくれてありがとう・・・・・・私の他にも捕まった子がいるのね。でも、女の子ばかり集めて、どうするつもりなのかしら?」 「それは犯人に訊いてみないとわからないよね」 アリア・セレスティ(ありあ・せれすてぃ)は、雪女に捕まる際、抵抗したので、ボロボロの無惨な姿で捕われていた。 アリア・ブランシュ(ありあ・ぶらんしゅ)が、怪我をしたアリアに、ヒールをかけてあげていた。 ミルディア・ディスティン(みるでぃあ・でぃすてぃん)は、氷漬け状態から突然解放されて、混乱している。 「うのっ!? ここどこ!!?」 氷漬けにされている間は、時間が止まっているのと同じなのだ。 鳳凰院 輝夜(ほうおういん・かぐや)は、神童子 悠(しんどうじ・ゆう)と連絡を取ろうと思い、携帯に電話してみた。 が、つながらない。 「そういえば、災害時には電話よりメールのほうがつながりやすいんだっけ?」 あらためてメールを出してみると、今度は送信できた。 すぐに、悠から無事を喜ぶ返信が届いたのはいうまでもない。 後光 皐月(ごこう・さつき)は、少々取り乱していた。 「私はもう独りは嫌、暗いのも嫌、もうこんな思いはしたくない! 犯人さんを見つけたらみんなを返して! ってお願いする。 あー君やトラちゃんにも手伝ってもらうから、絶対見つけられるもん」 だが、助けに来た生徒たちから、他の友達もみんな無事であることを聞かされ、落ち着きを取り戻した。 どりーむ・ほしの(どりーむ・ほしの)の乱れ様はもっとひどい。 「あたしかわいいからさらわれちゃった〜。助けて〜というか出しなさいよ〜。 あとでひどいわよ〜。縛って動けなくして、たたいたり、あつくしたり、ののしってあげたりしちゃうんだからね〜。 あ〜、もしかしてあなたそういうのが好きなのね〜。このヘンタイ! ヘンタイ! ヘンタ〜イ! さらわれてつかまって閉じ込められて逃げられません」 「・・・・・・」 一同唖然。 逆に、マリオン・クーラーズ(まりおん・くーらーず)は、囚われたことを恥じていた。 パートナーに相談せず、独断専行したために、このような事態を招いてしまったから。 「私、市井さんに合わせる顔がありません。もうこれ以上、迷惑なんてかけていられません! 今できることは、他の女の子たちを助けること。この光条兵器で脱出を試みます」 救出された、さまざまな女子生徒の反応を見つつ、リアトリス・ウィリアムズ(りあとりす・うぃりあむず)は、敵に見つからないよう、護衛を兼ねた避難誘導を始めた。 ※ ※ ※ 氷室からの脱出を試みる生徒たちの目に、不審な人物が映った。 「カワイイネーチャンはどこだ〜」 これを聞いたカライラ・ルグリア(からいら・るぐりあ)は、カリス・アーリー(かりす・あーりー)とともに警戒を強めた。 「あれはもしや誘拐犯では? 僕らの邪魔だてすれば容赦はしない。相手が女性だったら手加減はしますけど、この声は明らかに男・・・・・・おい、そこで何をしている!」 しかし、声の正体は、アストライト・グロリアフル(あすとらいと・ぐろりあふる)だった。 彼の奔放な性格は、こういう事態でもTPOをわきまえなかった。 慌ててパートナーのソルファイン・アンフィニス(そるふぁいん・あんふぃにす)が止めに入る。 間一髪、ソルはカライラの攻撃を受け止めた。 「違うんです〜。僕らは誘拐犯じゃないんですよ!」 「え、そうだったの? 紛らわしい・・・・・・・」 「ごめんなさい」 謝るソルファインを横目に 「あれ? ソルも来てたの?」 と反省する様子も見せないアストライトだった。 一方、アリス・レティーシア(ありす・れてぃーしあ)とリース・アルフィン(りーす・あるふぃん)も、この洞穴にやってきていた。 しかし、アリスは生徒を助けるでもなく、カメラを構えている。 「なんでおねーちゃんは、女の子の写真ばっかり取ってるんだろ?」 リースが不審がっていると、写真を撮られていたどりーむ・ほしの(どりーむ・ほしの)がアリスに抗議した。 「ちょっとあんた、なにやってんのよ〜。もしかして誘拐犯の一味なの? だったら許さないからね。あたしはかわいい子を助けて、かわいい子と深い仲になるのよ〜」 これを聞いたほかの女子生徒たちも、一斉にアリスに非難の目を向けた。 「あれ? 何で皆武器構えてるの? 私が犯人だって? 違うよ。私は可愛い子を見たいだけ・・・・・・や、違うってやめて・・・・・・助けてリース!」 「あれ? おねーちゃんがみんなに襲われてるよ・・・・・・でも、痛いの嫌だし・・・・・・放っておこうかな」 ようやく事態が収まり、傷だらけのアリスだけが残った。 「・・・・・・結局みんなにボコボコにやられちゃったよ・・・・・・でも可愛い子いっぱいで幸せ!! 写真もいっぱい撮れたし、満足だよ!!」 こちらも、アストライトに負けず劣らずの無反省ぶりであった。 |
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