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リアクション
再び視点はオリュンズへと戻る。
オリュンズ上空をフィーニクス・ストライカー/Fとツィルニトラが飛ぶ。
「どこなの!? マシュー中将!」
ジヴァ・アカーシ(じう゛ぁ・あかーし)が焦燥にかられながら、マシューを上空から探す。
「マシュー中将……どうかご無事で」
イーリャ・アカーシ(いーりゃ・あかーし)もそれを切に願う。マシューの自宅へと向かってフィーニクスをゆっくりと飛ばす。
街の惨状は酷いもので、至る所で倒れている人達がいる。大きな事故などは起こっていないのは幸いだと言えるが、マシューも無事とは限らない。
「――! いたわ! イーリャ、フィーニクスを下ろすわよ!」
ジヴァはアーノルド宅に近い、通りでマシューを見つけた。
先にマシューを見つけたらしいテレジア・ユスティナ・ベルクホーフェン(てれじあゆすてぃな・べるくほーふぇん)と瀬名 千鶴(せな・ちづる)がよろめき歩くマシューへと駆け寄った。
「中将! どこへ行くんですか!?」
マシューを支え、テレジアが尋ねる。
「基地にだ……! あの空を見ろ、あれだけの敵が着ているんだ。私が向かわなければ……ッ!」
マシューは膝を崩す。他の市民よりも正気を保っているとはいえ、そのカラダは先の戦闘で片足と片腕を失っている。高性能な義手義足で自立歩行出来るとはいえ、そのカラダはボロボロだった。
「その様な御体で、何が出来るというのですか?! 中将、常に冷静沈着なアナタらしくも無いです!」
テレジアが、マシューを強く押し留めようとする。しかし、マシュー再び立ち上がろうとする。
「それでも、私は行くべき場所が、守るべきものがある! 行かせてくれ!」
「中将さん! そんな身体では無茶がすぎるわ!」
千鶴がそう言うと、マシューは再び膝をついた。
「その必要はないわよ、マシュー中将!」
ジヴァが彼の目の前に立って、宣言する。
「ジヴァ……」
「あたしが守って見せるわ、あんたが守りたいものを! マシュー中将、あんたが託してくれたこのフィーニックスで!」
ジヴァの言葉にイーリャが続く。
「マシュー中将、シヴァと私たちを信じて。この街の人々は必ず守るから!」
「お前たち――」
「中将……いえ、マシューさん。貴方は未だ他にやるべき事、そしてやれることが残っているはずですよ? 家族の、父親としての役目を放棄すべきではありません」
テレジアに続き、千鶴が言う。
「戦いは私たちに任せてください。あなたの物語の終わりはここではないわ。家族と共に避難しましょう。私たちが先導します」
4人の言葉を受けて、マシューは考えを改めた。
「分かった。ジヴァ、イーリャ、テレジア、千鶴。この街と基地のみんなを頼む!」
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