校長室
マリエルの5000年前の友達
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封印を守る者 幾多の罠を潜り抜け、調査隊メンバーたちは、ようやく最深部ともいえる広間にやってきた。 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)は、トレジャーセンスを駆使して、なにかあるかを探知している。 と、反応があった。 「こっちよ。ファラールの封印を解く方法に間違いないわ」 みんなが美羽の示す方向にやってくると、そこにはひとりの機晶姫が、眠るように座っていた。 その手には、短剣が大事そうに握られている。 「これは、もしかして封印を解くカギ?」 清泉 北都(いずみ・ほくと)は、自らの『博識』から、似たような記述の本がなかったかどうか、記憶をたどっていた。 「気をつけろ! これは、封印の守護者だ。半永久的に動ける機晶姫!」 酒杜 陽一(さかもり・よういち)の言葉は、全員に緊張感をもたらす。 「手に握っているのは、女王器『ブレスキャンセラー』ね。これこそ、封印を解くカギよ」 テティス・レジャ(ててぃす・れじゃ)は確信を持って言った。 「しっかし、こんな場所で鏖殺の野郎ども、何の儀式をしようとしてたんだぁ? もしかして改造人間計画とか・・・・・・ここで戦闘員を仕立てあげて配下にして、果ては世界征服??」 大谷地 康之(おおやち・やすゆき)の際限ない妄想に、緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)が牽制を入れる。 「何か新しい技術の研究を行っていて、ここはその実験場。ファラールさんは偶然その研究に使われていた・・・・・・とかでしょうか? 某さんはどう思います?」 「儀式といっても、ダークヴァルキリーのような存在を呼ぼうとした、ぐらいしか思いつかんな。綾耶はどう思う?」 緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)も匿名 某(とくな・なにがし)に賛同。 「鏖殺寺院で儀式というと、ダークヴァルキリーでしょうね」 これを聞いて、アイン・ディアフレッド(あいん・でぃあふれっど)は考える。 「なぜに、ごく普通の守護天使があそこに封印され、鏖殺寺院がそれを利用して儀式をするのやろうな? 鏖殺寺院にとっては価値がある特殊な力があったからやろか? その特殊な力があるとすれば、それは一体??」 岬 蓮(みさき・れん)は、フムフムとうなずいた。 「特別な力かぁ。普通の守護天使より強い防衛力があったからかな? ほら、ピンチの時に無敵のバリアーを出せる、とか! あれ? 違う? でも、このブレスキャンセラーがあれば、封印を無効化させることができるのね」 テティス・レジャ(ててぃす・れじゃ)はみんなを制して言った。 「さあ、みんな。戦闘の準備はいい?」 メンバーたちがうなずくと、テティスは、機晶姫の持つ短剣に手を触れた。 ・・・・・・と、今まで微動だにしなかった機晶姫の目が開き、生徒たちに敵意あるまなざしを向けて迫ってきた。 「いくぞ!」 先陣を切って機晶姫と矛を交えたのは中原 一徒(なかはら・かずと)だ。 さきほどのストーンゴーレム戦で見事な作戦を展開させた天城 一輝(あまぎ・いっき)も、機関銃を乱射して応戦する。 もちろん、ユリウス プッロ(ゆりうす・ぷっろ)は得物は槍を持って応戦。 ガートルード・ハーレック(がーとるーど・はーれっく)も戦闘に参加するが、SPの消費には注意しながら慎重に戦っている。 佐々木 弥十郎(ささき・やじゅうろう)は、殺気看破を使い、敵の機晶姫が回復要員を攻撃しないよう注意を払っている。 と、機晶姫が素早い動きで大洞 剛太郎(おおほら・ごうたろう)とソフィア・クレメント(そふぃあ・くれめんと)に斬りつけた。 「うわっ」 すかさず、酒杜 陽一(さかもり・よういち)が機晶姫の膝を銃で狙い撃ち。 狙いあやまたず、弾丸は敵の機動力を奪った。 ソラ・ウィンディリア(そら・うぃんでぃりあ)は、敵のターゲットを大洞 剛太郎たちから自分へと向けるべく、正面から挑発した。 機晶姫の注意がそれたところを見計らい、八雲 緑(やくも・るえ)は悪態をつきながら大洞 剛太郎(おおほら・ごうたろう)とソフィア・クレメント(そふぃあ・くれめんと)を治療した。 「まったく、世話がかかる人ですね。威勢だけですね、あなたは」 ソラ・ウィンディリア(そら・うぃんでぃりあ)が、装備している強化ドレスで敵の攻撃を受けている間、酒杜 陽一(さかもり・よういち)とメアリー・ブラッドソーン(めありー・ぶらっどそーん)が機晶姫の背後から襲いかかった。 「今の私は、アドレナリン分泌しまくりんぐ!! 覚悟なさいませ!!!!」 こういうと、メアリーは機晶姫の腕を抱え込み、地面を蹴った。 そのまま回転し、遠心力を利用して、敵の腕を捻じ折る。 「グワオオオオオ・・・・・・」 敵がもがき苦しむ。 機晶姫の復讐に燃えた目がメアリー・ブラッドソーン(めありー・ぶらっどそーん)を捉えたとき・・・・・・ ギャザリングへクスを飲んだ結崎 綾耶(ゆうざき・あや)が、アシッドミストを展開した。 煙幕で視界を奪われた機晶姫は、右往左往する。 この隙に、敵へ近づいた大谷地 康之(おおやち・やすゆき)は、正面から爆炎波を放つ。 同時に、匿名 某(とくな・なにがし)も、康之の間隙を縫うように、ブラインドナイブスと轟雷閃で攻撃した。 ロートラウト・エッカート(ろーとらうと・えっかーと)、霧雨 透乃(きりさめ・とうの)も、とにかく敵をボコる。 緋柱 陽子(ひばしら・ようこ)は、透乃を光条兵器で援護しつつ、近づいてくる機晶姫にアルティマ・トゥーレを放った。 とどめをさしたのは霧島 春美(きりしま・はるみ)たちだ。 「鏖殺寺院の奴らなら手加減なしよ。いくよ私のワトソンくん達! 魔法全開、必殺トリプルアターック!!」 霧島 春美(きりしま・はるみ)、ピクシコラ・ドロセラ(ぴくしこら・どろせら)、超 娘子(うるとら・にゃんこ)の3人が息を合わせて止めのアタックをかけると、封印の守り手は力尽き、どうっと地面に崩れ落ちた。 「やったわ!」 「ついにボスを倒したんだね」 激しい戦闘で、もうもうと埃が立ち込める中、レイス・アデレイド(れいす・あでれいど)は怪我人の救護にあたった。 伏見 明子(ふしみ・めいこ)も、気力の切れた人の口に回復用のタブレットを放り込む。 やがて、みんなが倒れた機晶姫の周りに集まった。 小鳥遊 美羽(たかなし・みわ)が、マリエル・デカトリース(まりえる・でかとりーす)の背中を押す。 「マリエル、一緒に封印を解除しよう。さあ、そのブレスキャンセラーを手にとって」 「うん」 こういうと、マリエルは封印を解く短剣をしっかりと握り締めた。