空京

校長室

終焉の絆 第二回

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終焉の絆 第二回
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【1】エルキナ 2

『……あくまで世界を産むことを望むの?
 ちっぽけな存在の群れである貴方達程度が、
 世界を創造するなんて出来るはずがないでしょう』
「ごちゃごちゃうるせぇんだよ、エルキナぁ!」
 叫んだのは業魔ではなく、狩生 乱世(かりゅう・らんぜ)だった。
 その眉間には皺がより、怒りに震えていた。
「目的と手段を取り違えた愚行が、こうも酷いものとはね」
 乱世の隣にいたグレアム・ギャラガー(ぐれあむ・ぎゃらがー)もエルキナやクイーンの愚行を嘆く。
『愚かはそちらでしょう。言っても分からぬ愚者もそちら』
「そのままお返しするぜ、そのセリフっ!」
 怒りに任せて猛進する乱世。女騎士たちは敬一たちが押さえている。
 阻まれることなくエルキナに突進、ダガーに手をかける。
「テメェは“斬る”!」
 乱世の真空斬りを放つ。無論エルキナを斬るために。
 しかしてその剣先はエルキナに触れることすらなかった。
「へっ、てめぇも剣を使うのかよ!」
『嗜む程度よ。それでもあなたよりは強いけれど、ね』
 エルキナの眼光に明確な殺意が表れる。
 光に包まれた剣の切っ先は、澱みなく乱世の喉元を貫かんとした。
「少し、離れてくれないかな?」
 乱世の喉元が抉られるより早く、グレアムが真空波を放つ。
 エルキナもそれを易々と受けるわけにいかず、剣を引き防御の体制に移った。嗜む程度、とは馬鹿げた話だ
「おいおいつめてぇな。混ぜてくれよぉ!」
 魅せられた業魔が口を全開まで開けて、戦闘に参加してくる。
 大気を磨り潰すほどの右手の一撃はエルキナに吸い込まれる。
『……っ無作法極まりない一撃ね』
 エルキナは弾き飛ばされる。
「おい業魔、邪魔するんじゃねぇ!」
「ハーッハッハ! わりぃわりぃ、滾っちまってよぉ」
 戦闘の最中だというのに大笑いする業魔に、乱世は呆れた。
「相も変わらずか、業魔」
「……久しぶり」
 一ミリも変わらぬ業魔を見た鑑 鏨(かがみ・たがね)スウェル・アルト(すうぇる・あると)が業魔に声をかけた。
 両者共に業魔に目をつけらている猛者である。
「いましたね? こんにちはー!」
「……」
 ぱたぱたと業魔と二人の所へ駆けるアンドロマリウス・グラスハープ(あんどろまりうす・ぐらすはーぷ)
 硯 爽麻(すずり・そうま)は鏨の後ろにピッタリと張り付いている。
「ハッ、お前等も来てたのか! いいねぇよっしゃ今すぐやろうぜ!」
 業魔はいとも容易く本来の目的を忘れた。
 そんな旧友?との再開を喜んでいるところに、思わぬ人物が来訪した。
 事を起した張本人、アルティメットクイーンである。
「……」
 クイーンは何も言わずにその場を圧殺する。と思われた。
 エルキナが微笑し、口を開く。
『本物か偽者か、一見わからないわね。
 ……それじゃ本物の証として、時を操ってもらってもよろしくて?』
 エルキナが要求したのは、時を操る能力の証明。
 クイーンは、
 動かなかった。