First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last
リアクション
『エントリーナンバー9、今日は料理でアピールします、秋月 桃花(あきづき・とうか)!!』
桃花がステージ上に現れると、ステージ横から調理台が登場した。
『クッキングアイドルということだけれど、今日は何を作るのかしら?』
「今日はお茶会を開くつもりです。その軽食やお菓子を作りたいと思っています」
『まあ、とても楽しみですわ。今、どのようなお気持ちですか?』
「桃花のお料理で、皆さまに笑顔を届けたいです!」
満面の笑顔で答える桃花を、観客席から芦原 郁乃(あはら・いくの)や桃花の友達が声援を送りながら見つめていた。
「がんばれ桃花ーっ!」
「私たちの敵をとって!!」
郁乃の友人にも、アイドルを目指して夢破れた娘がいた。その敵討ちという意味も込め、『行け! 我らの最終兵器桃花』と、一致団結したのだ。桃花の知らないところで。
「がんばれ桃花! わたしやみんながついてるゾ!!」
郁乃が大きく声を送ると、桃花は少しだけ観客席の方へ視線を送り、満面の笑みを浮かべた。
「エントリーナンバー9番、クッキンアイドル桃花、レッツクッキンっ!」
お茶の目安は 人数分+1
お茶の葉が踊ってるポットで
一滴残らずに注いだら
いいことあるかしら
あの人が笑う声
クスッと聞えた
桃花は歌いながら手際良く紅茶を淹れ、三段重ねのティースタンドに作った軽食やお菓子を乗せて行く。
頭の中で、「桃花の料理は最高だね」と言ってくれる郁乃や桃花の友だちの最高の笑顔を思い出す。
応援してくれる皆のために、全力で頑張ろう。そう、桃花は強く思う。
『……段々と、いい匂いがしてきたわね』
理沙が思わず唾を飲み込む。
「できあがりです!」
桃花の作った料理と紅茶が審査員たちの前に運ばれる。
「冷めないうちに、どうぞ召し上がって下さい」
審査員たちは軽食やお菓子に手を伸ばす。
「こ、これは美味しい!」
「美味いぞーッ!!」
審査員たちの反応に、桃花は良かった、というような笑顔を見せた。
「……見た目も味も、かなりのものだね」
ジェイダスの反応も上々だ。桃花は笑顔を見せて、大きくお辞儀をした。
観客席からは、唾を飲む音と審査員たちを羨む声が絶え間なく続いている。
♪ ♪ ♪
『ソロ部門も残すところ後一人となりました。エントリーナンバー10、巨乳アイドルとして密かに人気を集めている、
泉 美緒(いずみ・みお)!!』
水着姿の美緒がステージに姿を現す。
「うおおおおおおおお!!!!」
その途端、男性陣の叫び声が上がった。
『おっと、観客席も盛り上がっているようですね!』
「うーん……今回のコンテストでは、珍しく彼女のようにスタイルの良さを前面にアピールするソロアイドルが少なかったですからね」
審査員たちも、手元の採点用紙と美緒を見比べる。
「ただ、スタイルのみでどこまで点を稼げるか」
『なるほど』
美緒は審査員や観客の視線に、少しでも水着の面積を伸ばそうと引っ張ったりして、モジモジと恥ずかしそうにしている。
「うむ……恥じらいの表情もなかなか良い」
審査員からの印象も悪くないようだ。
『それでは、アピールをどうぞ!』
美緒はそのまま終始恥ずかしそうにしながらも、様々なポーズで観客へとアピールをしたのだった。
First Previous |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
Next Last