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リアクション
『エントリーナンバー12、夫婦で幸せを届けます。K&H!!』
遠野 歌菜(とおの・かな)と月崎 羽純(つきざき・はすみ)が手を取り合ってステージの中央へと歩み出る。
「『K&H』のKの方、魔法少女アイドル マジカル☆カナです! 今日は旦那様の羽純くんと一緒に、魔法の歌を届けたいと思います♪」
「『K&H』のHの方、羽純だ。俺達の歌で、皆の笑顔が見られたらいいと、そう願う」
寄り添う二人の姿に、観客席からは羨むような声が上がる。
『今日のお二人のステージのテーマは、何かしら?』
「私たちは、音楽でこの幸せを表現し、皆をハッピーにしたいです♪ アイドルは皆を笑顔にする存在ですから」
「ということで、テーマは『ハッピー』だ」
『ありがとうございます。どのようなステージになるのか、楽しみですね』
羽純がエレキギター「月下美人」を構え、歌菜がマイクを握る。
二人はお互いに、お互いと一緒のステージに立てることを嬉しいと感じていた。
その楽しさを、幸せを届けたい。そして、皆を笑顔にしたい。そんな想いで。
ステージにスモークが焚かれると同時に、ポップな雰囲気の曲が流れ始める。光の人工精霊がステージを駆け巡る。
幻想的な雰囲気が広がると観客は一斉に歓声をあげ、曲のリズムから元気をもらうように、体を委ねた。
手と手を繋ぐだけで
目と目が合うだけで
魔法の一時
貴方が笑うと広がるトキメキ
笑顔は魔法
幸せを呼んで
世界一ハッピーになろう
魔法少女へとコスチュームチェンジした歌菜の歌と、羽純の奏でるギターの音は、ぴったりと息が合っていた。
観客は二人と「楽しい」という感覚を共有し、自然と笑顔になる。
「ありがとう!」
パフォーマンスを終えた歌菜は会場中に広がっている笑顔を見て、より一層幸せそうな笑顔になった。
歩み寄ってきた羽純と手を取り合って、二人は大きなお辞儀をした。
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