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【十二の星の華】剣の花嫁・抹殺計画!(第1回/全3回)

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【十二の星の華】剣の花嫁・抹殺計画!(第1回/全3回)

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 ザカコ・グーメル(ざかこ・ぐーめる)が扉を開けたのか、それとも扉が勝手に開いたのか。
 扉が開くと同時に発光が見えて………… ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)が部屋の壁まで吹き飛ばされていた。
 ザカコは瞬時にカタールを装備した左手で斬りかかったが、刃が届く前にザカコも腹部への一撃を受けて吹き飛ばされてしまった。
「ダリルっ!!」
「ザカコっ!!」
 ルカルカ・ルー(るかるか・るー)強盗 ヘル(ごうとう・へる)が2人に駆け寄る。同時に姫宮 和希(ひめみや・かずき)がセスタスを装備した拳で殴りかかったが、ザカコ同様に吹き飛ばされてしまった。
「和希っ!!」
 ダリルを抱きかかえたルカルカは、遠めに見たザカコの傷よりもダリルの傷の方が軽症である事はすぐに理解した、しかしダリルの左手の二の腕付近は水晶化していたのだ。
 ルカルカは高周波ブレードを握り締めて立ち上がった。
 部屋に一歩入った所に、白と黒のゴスロリファッションの女が立っていた。いや、俯いた顔はローズピンクの長髪で隠れていた為に見えなかった、故に女と判断できたのは彼女が顔を上げた時であり、彼女が言葉を発した時にようやく判別できたのであった。
 ルカルカが踏み出そうとした時、彼女は右手に装備された「ランチャー」を左の壁に向けて、放った。
 衝突音と破砕音。直径3メートル程の巨大な穴が壁に空けられていた。
 轟音が響いた直後に、峰谷 恵(みねたに・けい)水神 樹(みなかみ・いつき)本郷 涼介(ほんごう・りょうすけ)クレア・ワイズマン(くれあ・わいずまん)ウィルネスト・アーカイヴス(うぃるねすと・あーかいう゛す)晃月 蒼(あきつき・あお)城定 英希(じょうじょう・えいき)クレア・シュルツ(くれあ・しゅるつ)が次々と部屋に駆け込んで来たが、その刹那前に彼女は自分で空けた穴から、隣の大講義室へと移った後だった。
 ウィルネストと英希は、ダリル、ザカコ、和希の治療の為に残ったが、ルカルカを含めた7名は彼女を追って大講義室へ入った。
 ランチャーを装備した彼女は大講義室の一番奥の壁に背を着けて、先程と同じように俯いたままの姿勢のまま立っていた。
 一同は彼女を囲むようにして陣形を組み、構えた。
 ルカルカと樹が「轟雷閃」を、クレア・ワイズマンが「ソニックブレード」を放つために飛び出した瞬間だった。恵が「バニッシュ」を、蒼が「チェインスマイト」、涼介とクレア・シュルツが「雷術」を放とうとした瞬間だった。
 どちらも、ほぼ同時であったが、誰もみな一様に彼女のランチャーから放たれた波動が拡散し、迎撃されてしまった。花火が散るように、みな一様に勢い良く壁に叩きつけられた。
「こいつは凄いな」
 巨大な穴から大講義室に足を踏み入れるは、閃崎 静麻(せんざき・しずま)神代 正義(かみしろ・まさよし)大神 愛(おおかみ・あい)瓜生 コウ(うりゅう・こう)、そして静麻の肩には葉月 ショウ(はづき・しょう)が、正義の肩にはレーヴェ・アストレイ(れーう゛ぇ・あすとれい)がもたれ掛かっていた。
 静麻の声の後、コウは倒れている涼介を覗き込んでから、そっと触れた。
「2人のような、毒性は無いようだ」
「なるほど、皆をやったのは「拡散する波動」といった所かな?」
「この2人は、ラブリーアイちゃんの「キュアポイゾン」で症状が軽減した! お前っ! 毒使いであろうっ!!」
 瞬間的にランチャーが上がったと思った時には放たれていた。狙われたのは2人。コウとランチャーとの間に静麻が投げたアサルトカービンの銃身が入ったからか、コウは無傷であったが、愛の右手首は水晶化していた。
「弾が見えなかった…… 光り、なのか……?」
「お前っ!! よくも愛ちゃんをぉぉぉ!!!」
 正義が怒りと共に飛び出した瞬間、彼女が背中を着けていた壁の一部が外から壊された。壁をブチ破ったのはレベッカ・ウォレス(れべっか・うぉれす)アリシア・スウィーニー(ありしあ・すうぃーにー)が乗るスパイクバイク。そのすぐ後に明智 ミツ子(あけち・みつこ)オーコ・スパンク(おーこ・すぱんく)が乗る白馬が続いた。教諭の研究室も大講義室も3階部分にあるというのに、どちらも豪快に破って登場した。
 勢いのままに宙を舞いながら、界下にランチャーを装備したゴスロリファッション。そのロリに正義が向かっている。
 レベッカ達はすぐに理解した。レベッカはアサルトカービン、ミツ子はハンドガンを彼女に向けた瞬間に撃たれていた。アリシアも「バニッシュ」を放つ前に、そしてオーコの「轟雷閃」も正義の「ソニックブレード」さえも放つ前に迎撃されてしまった。5人も壁に叩きつけられたが、アリシアだけは左肩が水晶化していた。
「正義っ!!」
 静麻の叫びにも正義は反応しなかった。静麻とコウ、そして敵である彼女以外に立っている者は居なかった。しかも静麻もアサルトカービンが手元に無い状態であった。
 彼女は同じように俯いた姿勢のまま、ランチャーを静麻に向けた。
「静麻、オレも「雷術」で」
「よせ。あのランチャーは弾を拡散できる。氷術で身を守って、そのまま逃げろ」
「でも、それじゃあ静麻は!」
「光条兵器を出す、くらいの足掻きはするが…… おそらく彼女の弾の方が速いだろうな」
「そんな……」
「せめて一世一代の足掻きを見せてやるさ」
 静麻が苦し紛れの笑みを浮かべて彼女を睨みつけた。
 彼女が頬を緩め始めた、正にその時、静麻の背後から声が聞こえた。
「一世一代の足掻きなら、邪魔しない方が良いのかなぁ、くっくっくっ」
「ふっ…………全く、遅すぎますよ」
 巨大な穴から歩み入る。ノーム教諭を先頭に、椿 薫(つばき・かおる)エル・ウィンド(える・うぃんど)ナナ・ノルデン(なな・のるでん)ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)高月 芳樹(たかつき・よしき)アメリア・ストークス(あめりあ・すとーくす)和原 樹(なぎはら・いつき)フォルクス・カーネリア(ふぉるくす・かーねりあ)如月 玲奈(きさらぎ・れいな)風祭 隼人(かざまつり・はやと)ホウ統 士元(ほうとう・しげん)レン・オズワルド(れん・おずわるど)の計12名の生徒も歩み入った。
「さぁ、お仕置きの時間だよ」
 ノーム教諭の言葉に、生徒たちは一斉に構えた。対する彼女はランチャーを下ろすと、肩の力を抜いたようにも見えた。
 彼女がゆっくりと顔を上げてゆく。右目を隠す眼帯と共に、笑みを浮かべた顔が見えた。
パッフェル・シャウラ …… 十二星華の一人 ……」
 彼女の白い肌に、アメジストの左瞳が妖しく輝いていた。

担当マスターより

▼担当マスター

古戝 正規

▼マスターコメント

 ハッピークリスマス♪ ゲームマスターの古戝正規です。
 【十二の星の華】剣の花嫁・抹殺計画!の第1回目が完了致しました。
 お楽しみ頂けれたなら本望であります。 

 いよいよ、十二星華の一人、パッフェル・シャウラが登場となりました。
 十二星華のリーダー、ティセラ・リーブラ同様、
 彼女も星剣を持っているかもしれません。油断は禁物です。
 
 続編は近日公開となります。
 次回もお会いできることを祈っております。