リアクション
朝
突然、意識が戻り、アニスは大きく目を見開いた。
「?………っ!?」
目の前に和輝の顔がある。そして、自分は、今……
……えっ? えっ? えっ!?
アニスは、心の中で叫んだ。
……なんで、目の前に和輝の顔があるの……?
あ、アニス……今、和輝とキスしてるの!?
あわわわわっ!?
「うにゃあああああっ!?」
唇が離れると、アニスは再び気を失ってしまった。
※ ※ ※
「……セレンを返して……私のセレンを返して……誰にも愛する人を奪う権利なんてないのよ……」
セレンは自分に取りすがって泣いているパートナーをを見下ろして困惑していた
部屋のあちこちに銃弾の後がある。服はあちこちに散らかっている。
一体何があったんだろう?
セレンは困惑しながら首をかしげた。
障子から朝の光が差し込んでくる。
※ ※ ※
「廉お姉ちゃん、廉お姉ちゃん。正気に戻ったなのー?」
キャロが見下ろして叫んでいる。
その向こうには心配そうに自分を見下ろす陳宮の顔が見える。
「うん? 俺は一体どこにいるのだ?」
廉は額に手を当て考え込んだ。
「よかったよ。陳宮おじちゃん。廉お姉ちゃん、やっと正気にもどったよ」
「? なんだか、分からないが、疲れた……」
とだけ言うと、廉は精神的疲れ(?)で気を失った。
その顔を見て、陳宮は、廉が恋愛感情的な意味で大切な人である事を悟った。
しかし、義兄妹である為、その感情を【兄妹愛】であると自分に無理やり納得させる。
※ ※ ※
「『あの人』はどこに行ったんだろうね?」
ふいに消えてしまった心の痛みを思い、芦原郁乃はつぶやいた。
「さあ」
マビノギオンは首を傾げた。
「でも、とりあえずあたしの大事な時間が奪われなくてよかったです……」
そう言うとマビノギオンは朝日に向かって思い切り深呼吸した。