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リアクション
激闘 六角屋敷 3
ついに六番目の部屋だ。一同の間に緊張が走る。
十兵衛は慎重にふすまを開けた。
そこには六角道元が、忍び達を従えて立っていた。
「よう、ここまで参った」
道元が言う。
「刹那はどこだ?」
十兵衛が尋ねる。
「刹那殿なら、この奥におられる。お会いしたくば、我々を倒せ」
「前回もやられたのに懲りないおっちゃん達だな」
トーマ・サイオン(とーま・さいおん)はつぶやいた。
「っと、油断してると危ないって真人にいちゃんも言ってるから気を引き締めていくぜ。」
と、突然、道元は壁に近づき、その壁を押した。すると、壁がくるりとひっくり返って道元の姿が消えてしまう。
「あ! あいつ、逃げたぜ!」
「卑怯者! 出て来い!」
そして、道元の後を追おうとする。すると、
「この先へは行かせん」
二匹の鬼がトーマの前に立ちはだかった。
「うわ、なまはげだ!」
トーマの言葉どおり、なまはげそっくりの鬼が両手に斧を持って襲いかかってくる。
「危ない! トーマ!」
御凪 真人(みなぎ・まこと)は叫ぶと召喚獣、ウェンディゴを召還。大きな雪男が現れ、氷の息を吐きながら右側の鬼に襲いかかって行った。鬼は、ウェンディゴの攻撃をかわし斧で斬りつけようとする。その鬼に向かってウェンディゴが氷の息を吐く。
トーマは左側の鬼に向かってマシンピストルを撃った。
怒り狂った鬼がトーマめがけて斧を振りかざす。トーマはそれを巧みに躱すと、マシンガンピストルを打ち続けた。
こうして、トーマとウェンディゴが鬼の気を引いている間に、真人はサンダーブラストを唱る。雷が降り注ぎ、二体の鬼の体を撃つ。
「グアア!」
鬼達は悲鳴を上げて斧を取り落とした
「いいぞ兄ちゃん!」
トーマは叫びながらマシンピストルを撃ち続けた。鬼が真人の方に向かわぬよう、巧みに誘導して行く。
その間に真人はブリザードを唱えた。氷の嵐が鬼達を凍らせて行く。
凍り付いた鬼達に向かって、真人は尋ねた。
「無駄とは思いますが、一応尋ねます。俺は無益な殺生は好みません。私たちに降伏しませんか?」
すると、
「誰が……」
と叫び、鬼達は立ち上がった。
「それでは、仕方がありませんね……」
真人は残念そうにつぶやくと、サンダーバードと、フェニックスを召還した。
右側の鬼にサンダーバードが襲いかかる。
稲妻とともに、光がほとばしり、鬼の体を焼き尽くす。
そして、左側の鬼にはフェニックスが炎をまといながら襲いかかる。
「う……うぎゃああああ」
鬼は黒こげになってその場に倒れた。
混戦状態の室内を眺めて、ラルク・アントゥルース(らるく・あんとぅるーす)は腕をぽきぽきさせた。
「さて、道元の奴は何処にいるんだ?」
ラルクの言葉に十兵衛が答える。
「道元は、あの壁の裏に隠れた。ここにいる忍び全てを倒さねば、あそこにはたどり着けまい」
十兵衛の言葉か終わらぬうちに、天井から忍びが降りて来て、二人に襲いかかってくる。
「ちっ! 天井に隠れてるのか。やっかいな連中だな」
ラルクはつぶやくと、軽身功で壁を走りはじめた。そして、天井までたどり着くと、ドラゴンアーツで天井板を次々にぶち抜いった。
天井に潜んでいた忍び達の姿が露になる。
「よぉ、こんにちはっとぶっ潰しにきたぜ?」
ラルクは軽く挨拶すると、そのまま天井板をぶち抜き続けた。
忍び達は足場を失い、次々に下に落ちていく。
下では落ちてくる忍び達を十兵衛が叩ききっていた。ラルクは床に飛び降りると、十兵衛に声をかけた。
「よぉ、十兵衛中々大変な相手だな。蹴散らすか?」
「頼む」
十兵衛の言葉に頷き、ラルクは忍び達に神速で接近し、鳳凰の拳で思い切りぶん殴る。忍びの体が吹っ飛び、床の上で白目を剥く。
「おいおい? 忍者ってのはそんなもんか?こんな弱っちい武道家一人満足に倒せないでどうするんだ?」
ラルクは余裕たっぷりに言う。
逆上した忍びが、くないで襲いかかって来た。ラルクの肩にくないが刺さり、そこから毒が回って行く。
ラルクは、武医同術の気功で荒療法。みるみる毒は抜け……
「へっ、残念だったな。俺は毒は食らわないぜ?」
そう言うと、忍びの胸ぐらをつかみ、その顔を思い切りぶん殴った。