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リアクション
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「こっちにきますよー！」
いきなり自分たちの方へとむかってきたハクレンの群れに、秋月桃花さんが叫びました。
「なんの、わたしはどんな挑戦も受けてたつ！！」
「違うでしょー！」
迎え撃つ気満々の芦原郁乃さんに、秋月桃花さんが悲鳴をあげます。
「わたしの本気見せてやる、これならどうだ！」
芦原郁乃さんが不壊不動の構えから、雷霆の拳を繰り出そうとしました。けれども、その勢いで、安定性を欠いていた丸太カヌーが、クルンと回転します。
「ごぼごぼ……けほけほ……郁乃様、目が、目が回ります〜」
二人を乗せたまま、カヌーが勢いよく回転してハクレンの群れを追い払いましたが、回転は止まりません。そのまま、芦原郁乃さんたちは回転しながら流れて行きました。
★ ★ ★
「く、来るなあですぅ！」
神代明日香さんが叫びましたが、来るものは来ます。あっという間にハクレンの群れに突っ込まれました。
「食材、ゲットしましたわ♪」
歴戦の獲得術でみごとに一匹のハクレンを受けとめて神代夕菜さんが叫びました。
「そんなのいらないですぅ！」
筏に身を伏せて、神代明日香さんが叫び返します。
「でも、今からじゃ、食べる物は少ないと……きゃあ！」
せめてもの食材がほしいと神代明日香さんに歩み寄った神代夕菜さんでしたが、そのとき、筏の反対側にハクレンが大挙して落っこちてきました。そのままてこの原理です。二人はぽーんっと川の中に投げ飛ばされてしまいました。
「んきゅう、水！ 沈む！ 死んじゃうですぅ！！」
いちおうペットボトルを身にくっつけているので浮かぶはずですが、パニックになった神代明日香さんが激しく暴れました。ハクレンたちにも負けない水飛沫を上げながら、藁をも掴もうと無茶苦茶に手をのばします。
その手が、神代夕菜さんのビキニのブラを掴んで剥ぎ取りました。
「きゃあ、何をするんですかあ！」
真っ赤になって神代夕菜さんが両手で胸を隠します。
「事故なのですぅ。わざとじゃないですぅ。それよりも、その浮き輪を私にくださ〜い！」
「浮き輪じゃありません！！」
胸を押さえながら、神代夕菜さんが叫びました。
★ ★ ★
「魚って、あんなのがいたのか！」
「来ます！」
やってくるハクレンたちを見て、源鉄心くんとティー・ティーさんが身構えました。
「大丈夫ですよ」
オートガードとインビンシブルを駆使して、ティー・ティーさんがイコナ・ユア・クックブックさんを守ります。
ところが……。
「大丈夫じゃなあい！！」
真っ赤な血飛沫のような物があがりました。頭から返り血のようにそれを受けて、イコナ・ユア・クックブックさんの顔が赤く染まります。
「スイカがぁ！！」
ダイブしてくるハクレンの直撃を受けて、スイカが粉々に砕け散っていました。
★ ★ ★
「ハーティオン、リフトアップ！」
「えっ？」
ラブ・リトルさんに言われて、コア・ハーティオンくんがわけも分からず四つん這いで身体を少し起こしました。ずっと筏に貼りついていたので、状況がよく分かりません。
「さあ、みんな避難よ」
高天原鈿女さんに言われて、夢宮未来さんがみんなと一緒にコア・ハーティオンくんの下に潜り込みます。
「いったい何が……いて、いてててててて」
ダイブしてきたハクレンたちが、次々にコア・ハーティオンくんの背中にぶちあたってきました。とりあえず、下にいる、高天原鈿女さんたちはコア・ハーティオンくんが盾になっているので無事です。
「潰れたら、そのまま川に沈めるからね」
「とほほほほほ……」
ラブ・リトルさんに言われて、じっと耐えるコア・ハーティオンくんでした。
★ ★ ★
「なんだ、もう一つ難所があるときいていたが、何もないではないか。順調、順調。はははははは」
順調なドベのドクター・ハデスくんでした。すでに、ハクレンたちはどこかに散ってしまった後です。
「お魚食べたい……」
お腹の空いた高天原咲耶さんが、小さくつぶやきました。
