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リアクション
潜入作戦4
一方そのころ。
冬山 小夜子(ふゆやま・さよこ)と、
魔鎧のエンデ・フォルモント(えんで・ふぉるもんと)が、
トレジャーセンスでなんとなく察しをつけて、
ヤークトヴァラヌスの弾薬庫に辿り着いていた。
小夜子もまた、イコンに匹敵する実力の持ち主である。
警備の従龍騎士は、焔のフラワシで焼き払った。
「皆様も派手にやっているようですわね」
小夜子は、イコン格納庫から響いてくる爆発音を聞きながら言う。
「私も、こちらで大爆発を起こさせていただきましょう」
焔のフラワシで、小夜子は弾薬庫に火を放つ。
次の瞬間、壁を突き破って、弾薬庫は大破する。
■
同じころ、補給物資の倉庫では。
ジークフリート・ベルンハルト(じーくふりーと・べるんはると)と、
ノストラダムス・大預言書(のすとらだむす・だいよげんしょ)が、
やはり、破壊活動を行おうとしていた。
「敵は早急にヴァイシャリーを攻め落としたいと考えているだろう。
空母による敵の奇襲ならば補給路はまだ構築されていない。
そうすると、補給物資は空母に備蓄されているものだけのはずだな。
いかに空母とて補給物資がなければ飛び続けることはできんし、
食料がなければ兵士は戦い続けることができん。
ならば、破壊しよう、そうしよう!」
ちょうど、敵襲に呼応して補給物資の倉庫の警備は手薄になっていたため、
ジークフリート達は比較的容易に潜入することができた。
火術で火をつけると、サイコキネシスで燃える物資を動かして、
ジークフリートは火災を広げる。
「燃っえろ〜燃っえろ〜メギドの火でハッルマッゲドンの発生だ〜
燃っえろ〜燃っえろ〜ジークはえろえろー」
ノストラダムスも、禁じられた言葉で魔力を強化し、
火術でパートナーを手伝う。
「ふはははっ、これが魔王の所業よ!
何もかも燃えつくしてしまえー!
ふははははっ!」
「それにしてもジークはノリノリなのだ。
調子に乗り過ぎて自分に火をつけないか心配になってくるのだ……」
自分も楽しんでいたノストラダムスだが、
それ以上のジークフリートの様子を見て、つぶやく。
■
そのころ、艦橋にて。
姫宮 和希(ひめみや・かずき)は、
泉 椿(いずみ・つばき)と
緋月・西園(ひづき・にしぞの)とともに、幹部を説得しようとやってきていた。
和希のパートナーのガイウス・バーンハート(がいうす・ばーんはーと)は、
帰りの足を守るために、飛空艇に待機している。
「東シャンバラ・ロイヤルガードの姫宮和希だ!
シャンバラから手を引いてくれ。
おまえ達にだって、故郷には家族がいるんだろ?
俺達にも、ヴァイシャリーにはダチや仲間がたくさんいるんだ」
「貴様らと話すことは何もない!」
指揮官は空中戦を繰り広げているため、艦内に残っていた副官の龍騎士はにべもなく言う。
「何言ってやがる!
勝手に宣戦布告してんじゃねえ!
ケガしたくなかったら引っ込んでろ!」
椿は吠え、
「エリュシオンと遊んでるほどヒマじゃないのよ。とっとと帰りなさい、坊やたち」
緋月は、有無を言わせぬ笑みを浮かべるが。
「痴れ者が!」
龍騎士の斬撃が、椿を襲おうとしたところを。
「……っ!」
「和希!?」
和希が身体を割り込ませて防ぐ。
「ケンカはな、生身でやりあうのが筋ってもんだろ。
おまえらも神だったら、こんなでっかい空母でいきなり攻めてくる必要は……」
そこまで言うと、和希は膝をつく。
「和希! 和希!」
椿が必死で叫ぶ。
「そこまでだよ!」
秋月 葵(あきづき・あおい)が、
エレンディラ・ノイマン(えれんでぃら・のいまん)とともに、
艦橋に突っ込んでくる。
「あたしは、東シャンバラ・ロイヤルガードにして、
突撃魔法少女リリカルあおい!」
葵は、警告を行い、ひるんだ従龍騎士をヒプノシスで眠らせる。
「行くよー! シューティングスター☆彡フルバースト!」
葵の破壊活動で、艦橋は破壊されていく。
「させん!」
副官の龍騎士が、葵に斬りかかる。
「葵!」
それを見たエレンディラは、龍騎士に向き直ると、天のいかづちを連射する。
「私は貴方の存在を否定します。完全消去(デリート)」
こうして、艦橋では派手な戦闘となり、結果として、指揮系統に影響を及ぼすこととなる。
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