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リアクション
雲海沿岸部の戦い
そのころ、雲海沿岸部では、
百合園生のキラーラビットを中心とした【ラビット隊】が、布陣していた。
「ヴァイシャリーの皆を、絶対に守るんだから!」
葦原 めい(あしわら・めい)と
八薙 かりん(やなぎ・かりん)の搭乗するウサちゃんが、
ニンジンミサイルによる攻撃を行う。
「めい、あのワイバーンが孤立しています」
「うん!」
かりんは、冷静に状況を判断して指示を出す。
しかし。
めいもかりんも、
バニーガール衣装と百合園公式水着を合体させたようなパイロットスーツ姿であったため、
かりんは内心、自分の格好を恥ずかしいと思っていた。
神楽坂 有栖(かぐらざか・ありす)と
ミルフィ・ガレット(みるふぃ・がれっと)の
ホワイトラビットと、
如月 日奈々(きさらぎ・ひなな)と
冬蔦 千百合(ふゆつた・ちゆり)の
アーカディアも、
ニンジンミサイルで弾幕を張る。
「此処を突破されたらヴァイシャリーは……何としても食い止めなきゃ……!」
「ミサイルバスケット・フルオープン……! お嬢様っ、しっかり!」
有栖を、ミルフィが支援する。
「ヴァイシャリーを……とられてしまったら、
他の学校の友達とも会えなくなってしまいますぅ……。
それは嫌ですから……」
「日奈々はあたしが守るから。
安心して攻撃に集中して!」
日奈々に、パートナーの千百合は言う。
「こういう時のために私はイコンに乗ったんだ。
ロイヤルガードとして大切な皆を、そしてヴァイシャリーを守って見せるぜ!」
ミューレリア・ラングウェイ(みゅーれりあ・らんぐうぇい)と
リリウム・ホワイト(りりうむ・ほわいと)の
ストレイキャットも、
マジックカノンや、通常の2倍のニンジンミサイルで攻撃を行う。
「はい、私もロイヤルガードですから、
この身に替えても皆さんをお守りします……!」
有栖も、ミューレリアにうなずく。
「一撃で仕留めるぜ!」
マジックカノンを放つだけでなく、ミューレリアはミサイルもばらまく。
その実力は、メンバーの中でも群を抜いている。
「さすがミューちゃん! あたしたちも負けられないよ!」
めいも、その姿を見て鼓舞される。
御弾 知恵子(みたま・ちえこ)と
フォルテュナ・エクス(ふぉるてゅな・えくす)の
號弩璃暴流破も、鉄屑でウサ耳を作って、
【ラビット隊】の助っ人として参加していた。
「百合園とはずっと一緒に戦ってきた仲間だしね。
それに、あんなデカブツで、ヴァイシャリーを制圧しようなんて、気にくわないね!」
古風なスケ番少女である知恵子は、
スナイパーライフルで龍騎士団に狙いをつける。
雲海沿岸部に接近するにつれ、【ラビット隊】の攻勢が強まっていく。
さらには、上空のシャンバラ側部隊も、空母を陸に上げまいと、さらに激しく戦った。
「何をしている! これ以上の作戦の遅れは、我らの誇りに関わるぞ!」
龍騎士の部隊長が苛立ち怒鳴る。
「しかし、地上からの攻撃が予想以上で……くっ!?」
部下の従龍騎士が撃墜されたのを見て、龍騎士は【ラビット隊】をにらみつける。
「歴史あるエリュシオンの龍騎士団が、これ以上、地球の者どもに後れを取るわけには行かぬのだ!」
だが、続けてその龍騎士も、集中砲火を受ける。
そこへ、さらに、
吉永 竜司(よしなが・りゅうじ)と
ヴォルフガング・モーツァルト(う゛ぉるふがんぐ・もーつぁると)の
オレの女1号が、
不時着しようとする龍騎士の前に飛び出す。
「もうすぐバレンタインだっていうのに、
百合園のオレの女たちが怪我したらどうしてくれるんだよ!
オレが直々にまもってやらないとなァ!」
「バレンタインのために身を挺して戦う竜司、なんと美しい。
美しいヴァイシャリーの地のために僕もキミに協力しよう」
ヴァイシャリーでよくヴァイオリンを弾いているモーツァルトも、
士気は高い。
オレの女1号は性能に劣るセンチネルだが、すでに【ラビット隊】の攻撃を受けていた龍騎士は、
竜司の攻撃に倒れる。
その様子を見て、空母のヤークトヴァラヌスに搭乗しているヘクトルはつぶやく。
「くそ、陸はまだか……。
地上に降りさえできれば……」
さらにそこに、
変熊 仮面(へんくま・かめん)と
にゃんくま 仮面(にゃんくま・かめん)の
高機動型シパーヒーと、
コンクリート モモ(こんくりーと・もも)と
ハロー ギルティ(はろー・ぎるてぃ)の
コームラントカスタムが、
沿岸部の付近の空から龍騎士団を挑発する。
「あっはっはっはっはっはー!」
変熊の笑い声が響く。
「あ〜、あ〜、ヴァイシャリーを奪おうなどと……このロリコン共め!」
拡声器を取り出して、変熊は叫ぶ。
そして、マントを翻して、ほとんど装甲のない全裸イコンを見せつける。
しかし。
「し、師匠ーっ! 敵の数多すぎるにゃーっ!!」
にゃんくま仮面は悲鳴を上げる。
龍騎士団は確かに動揺したが、相手は皆、歴戦の勇士である。
「ウサロボ………あたしも【ラビット隊】に入りたかった……やっぱり顔?」
モモは、顔は怖いが心は乙女である。
「なんでこんな変態と……」
そう言いつつも、コームラントカスタムで攻撃をする。
「エネルギーならあるのよ……。くらえ大艦巨砲主義っ!」
「モモ、無駄な空撃ちはギルティネ〜」
白猫のハロー ギルティが注意する。
「バーカ! バーカ!
くやしかったら撃墜してみろ!」
お尻ペンペンして、高機動型シパーヒーは、沿岸部に龍騎士団を誘導する。
「もう少しでニンジンミサイルの射程圏内にゃ!」
攻撃を回避しながら、沿岸部近くまで移動する高機動型シパーヒーだが。
「あ……。師匠、ここで残念なお知らせがあります」
高機動型シパーヒーは静止する。
「技の使い過ぎでエネルギーつきました」
「あれー……」
「誰か援護よろしくにゃーっ!」
高機動型シパーヒーは、地面に落下していった。
「あ、薔薇学のイコン落ちてった……」
ハロー ギルティがつぶやく。
「エネルギーならあるのよ」
モモは、再び、何事もなかったかのように大型ビームキャノンを発射した。
「さぁ、地上部隊の射程まで頑張るわよ」
■
他方、
東シャンバラ・ロイヤルガードの
ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)と
テレサ・エーメンス(てれさ・えーめんす)の騎乗する、
ワイバーンレイズは、味方識別用の白い布を巻いて、
龍騎士と相対する。
「帝国の皆さん、このままだと地上部隊の攻撃が来ますから、退いてください!!」
レイズの爪や、槍の一撃をすれ違いざま、ドラゴンやワイバーンの翼に与えつつ、
ロザリンドは叫ぶ。
お互いに、死者を少なくしたいというのがロザリンドの願いであった。
(桜井校長もそう願うだろうから……)
「桜井校長も頑張ってるだろうから、ロザリーも頑張れ―」
後部座席のテレサが声援を送る。
ロザリンドの実力の前に、龍騎士団は翻弄される。
「あれは……シャンバラの龍騎士か!」
同じく東シャンバラ・ロイヤルガードの
カレン・クレスティア(かれん・くれすてぃあ)と
ジュレール・リーヴェンディ(じゅれーる・りーべんでぃ)は、
イコンには乗らず、光る箒に乗り、空中で、隙ができたのを見計らい、
メモリープロジェクターを投影する。
「シャンバラ紅白歌合戦」での、アイシャの歌う姿が、投影される。
「これで、攪乱して、地上の部隊の支援になればいいけど……」
生身で龍騎士団を相手取っていたカレンはつぶやく。
(敵が女王への畏怖の念や、戦争の愚かさを一瞬でも心に抱いてくれれば)
ジュレールも、そう願っていたが。
龍騎士団は、一瞬あっけにとられてはいたものの、
戦意喪失には至らなかった。
たとえ少女の姿でも、敵国の女王を見ても、龍騎士達の動揺は誘えなかったのだった。
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