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【ニルヴァーナへの道】泣き叫ぶ子犬たち

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【ニルヴァーナへの道】泣き叫ぶ子犬たち

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第二章 恐怖の豪腕! デヘペロ弟s 4

<月への港・B2F>

「……想像以上に厄介な化け物のようじゃな」
 先に戦闘に入った面々からの報告を受けて、織部 イル(おりべ・いる)は渋い顔をした。
「あの手の脳筋は頭悪くても力は有り余ってますからね。相手の土俵で戦ったら苦戦しても志方ないですよね」
 さらっととんでもないことを言うのは志方 綾乃(しかた・あやの)
「ではどうする、諦めるか?」
「ご冗談を。作戦の前提が間違っていたなら、前提に合わせて作戦を練り直せばいいだけのこと」
「確かにそうだな。で、具体的には?」
 佑也が尋ねると、綾乃は淡々とこう答えた。
「真っ向勝負するのをやめること。こちらの仕事はあくまで時間稼ぎ、うまく戦意を挫いて撃退できれば上々で、真っ向から殺しにいってたら命がいくつあっても足りません」
「なるほど、あとは外の皆があの親玉を叩いてくれることを期待するのみ、か」
 ゲルバッキーの言葉に、佑也が反対する。
「しかし、それに頼りすぎるのも問題だろう。やはりこちらでも撃退できる策は用意しておくべきだ」
「具体的には?」
「押されている場所に適応増援を送りつつ、残りの戦力をいったん最終ラインに集結させ、最深部に近い敵から撃退しつつ、ラインを押し上げていく」
「なるほど、それしかなさそうですね」
 ことここに至って、ようやく内部戦闘組の方針が決まりつつ……あるように見えたのだが、最大の問題は。
「あとは、どれだけ多くのメンバーがこの方針を理解してくれるか、か」
「……ですね」
 わりと戦闘狂的な人も多い今回の布陣、どこまでその方針が遵守されるかについてはいろいろと疑問の余地が残るのだった。