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地球に帰らせていただきますっ! ~4~

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地球に帰らせていただきますっ! ~4~

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 ■ M76星雲の謎 ■
 
 
 
 里帰りする人も多い年の瀬。
 クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)金元 ななな(かねもと・ななな)の姿を捜していた。
 夏の長期休暇では、なななの実家のあるM76星雲に同行した人がいたと耳にした。
 どうも話を聞く限りでは普通の日本の町並みのように思えたが……それでもいい。
「先の同行者達が見つけられなかったロマンの欠片を見つけてみせようではありませんか!」
 クロセルから見て、なななが天然なのは確か。
 さりとて、それを理由にM76星雲人の存在を否定するのは早計というものだ。
 パラミタにだって、ポータラカやらニルヴァーナなんて不思議スポットがあるのだから、M76星雲があり得ないなんて事はあり得ない、というのがクロセルの持論だ。
 それに……とクロセルはなななの言動を思い起こす。
 変な子として片づけてしまうには、なななの行動は理性的なようにも感じられる。
 何よりも、宇宙刑事の存在を信じる方がロマンがある。
「金元ななな……ふふふ、あなたの住むM76星雲の謎、とくと見せていただきましょう!」
 宇宙海獣も是非見てみたいものだと、クロセルは心躍らせた。
 
 のだけれど。
「ごめん、今年の年末年始は忙しくて、ゆっくりM76星雲に帰ってられないんだよ」
「へ?」
 なななにあっさりと断られて、クロセルは拍子抜けした。
「こっちでもやることがあるし、地球でお年始回りする予定もあるから、M76星雲を案内してあげる暇はないんだよ。宇宙刑事はいつだって、正義のために大忙しなんだよっ!」
 じゃあね、となななは笑って走っていってしまった。
「え? え? ……ええーっ?」
 残されたクロセルに、冬の風がひゅるると吹いた……。