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リアクション
○第五試合 號弩璃暴流破−HMS・レゾリューション
「今日こそはゆうしょうしてやるぜ!」
えらく張り切っているのは、四番型魔装 帝(よんばんがたまそう・みかど)だ。
「この“號弩璃暴流破(ゴッドリボルバー)・帝スペシャル”はいままでのオレのイコプラと一味違うところをみせてやる!」
號弩璃暴流破はパラ実威崑四天王に名を連ねる実在のイコンがモデルだ。離偉漸屠が改造母体だが、原型を留めない魔改造ぶりはパートナーの御弾 知恵子(みたま・ちえこ)たちが大人げなく手を出した結果である。
ちなみに「帝スペシャル」たる所以として、帝とおそろいの黒いマントを羽織っている。
対戦相手はグロリアーナ・ライザ・ブーリン・テューダー(ぐろりあーならいざ・ぶーりんてゅーだー)。愛機は“HMS・レゾリューション”。
元々のイコンは、英国王室海軍がヴァラヌスの残骸のレストアにあたり再設計を手掛けた機体である。グロリアーナはこの機体を大変気に入っており、買って来たヴァラヌスのイコプラを一人でフルスクラッチによる改造から塗装まで、時には夜を徹してまで手掛けたほどだ。
ローザマリア・クライツァール(ろーざまりあ・くらいつぁーる)はやれやれと思った。大会前に、イコプラに万一のことがあっては困るので、彼女が厳重に保管していた。肩が凝るほどの気の使いようだった。
『試合開始!』
アリサが叫んだ。
號弩璃暴流破が離偉漸屠キャノンを撃った。
「ヒット!」
大鋸が声を張り上げる。しかし、続く20ミリレーザーバルカンをHMS・レゾリューションは避けた。二体は様子を見ながら間合いを取り、次にHMS・レゾリューションが必殺技を出した。
「ダークネス・パーティクル・キャノン!」
負けじと號弩璃暴流破がメタルファングで攻撃したが、HMS・レゾリューションは再び避けてしまった。
それぞれの攻撃のダメージは著しく、二体は睨みあったまま動けなくなる。
「帝っ! 何見合ってるんだいっ、お見合いじゃないんだよ!! オラッ! パラ実魂を見せな!」
「ライザ!! そんなでっかい顔のやつなんて、英国海軍の名にかけてぶっ飛ばしちゃえ!」
「何をぅ!?」
「何よ!?」
プレイヤーより興奮した智恵子とローザマリアが、観客席で怒鳴りあっているうちにタイムアウトとなり、二体はそのまま二回戦進出となった。
ちなみに二人は「こうなったら決着をつけるよっ!」「望むところよ!」と腕まくりをしたところで、大鋸に摘み出された。
號弩璃暴流破・帝スペシャル−HMS・レゾリューション 引き分け
○第六試合 ウサちゃん−猛撃滅虫!Eジェットさん
昨日のことだ。
翌日に迫った大会のため、改造に改造を重ねたイコプラを準備しようとしたエヴァルト・マルトリッツ(えう゛ぁると・まるとりっつ)は、あるべき場所にそれがないことに気がついた。
「そんな馬鹿な!」
どこか別の場所に置き忘れたのだろうか。もしかしてトイレ? キッチン? 風呂はないだろう。引き出しを全て開け、本棚も本を全部引っ張り出したがどこにもない。
あるのはただ一体、害虫駆除用イコプラ“猛撃滅虫!Eジェットさん”のみ。
「くっ、奴の仕業だな!」
やむなく徹夜で、調整と換装をやり遂げた。
「おい、そいつで戦うのか?」
「何か問題が!? あらゆる虫を駆除せんがため、改造して殺虫に特化した性能を持たせた機体だ。それはレーダーやFCSにも及び、街単位で殲滅できることを目標としているんだ!」
大鋸に尋ねられ、エヴァルトは半ばやけになって答えた。
観客席では、エヴァルトの言うところの「奴」がふんぞり返っている。
「ふっふっふー。イコプラ大会なら、私のEジェットさんが活躍するときなのです! 可愛いボディに抜群パワー、害虫退治にマスコット、改造次第で戦闘補助と、なんでもござれのニクいヤツ! 一家に一体、猛撃滅虫! Eジェットさん!」
「それは素晴らしいですね」
ファニ・カレンベルク(ふぁに・かれんべるく)の自慢ともいえる解説に、八薙 かりん(やなぎ・かりん)は感心したように相槌を打った。
「でしょ! 可愛さと戦闘力を両立させたEジェットさんを、簡単に倒せると思わないでよねっ!」
「でも残念ながら、勝つのはめいだと思います」
フィールドでは、猛撃滅虫! Eジェットさんと葦原 めい(あしわら・めい)の“ウサちゃん”が対峙していた。大鋸の掛け声と共に二体は動き出し、
『ウサちゃんの消波ブロック、マジックカノン、氷獣双角刀のトリプルコンボだァ!!!』
――ストレート負けした。
○ウサちゃん−猛撃滅虫!Eジェットさん×
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