空京

校長室

戦乱の絆 第二部 最終回

リアクション公開中!

戦乱の絆 第二部 最終回
戦乱の絆 第二部 最終回 戦乱の絆 第二部 最終回 戦乱の絆 第二部 最終回 戦乱の絆 第二部 最終回 戦乱の絆 第二部 最終回 戦乱の絆 第二部 最終回

リアクション


■東京湾での闘い1

超霊が大量発生する、少し前。東京湾上空では。

アスコルド大帝の結界を解くために、
ゾディアックが龍騎士に守られた繭へ接近するため、
契約者達が先陣を切っていた。

ナナ・ノルデン(なな・のるでん)
ズィーベン・ズューデン(ずぃーべん・ずゅーでん)
RED−ROSE
涼介・フォレスト(りょうすけ・ふぉれすと)
クレア・ワイズマン(くれあ・わいずまん)
ソーサルナイト
2機のアルマインが、戦端を切り開く。
「女王の想いを、皆の想いを、邪魔はさせません!」
ナナが、マジックカノンを放ちながら叫ぶ。
「無茶をする事は時には大事だけど、それは最終手段だからね。まずは生き残る事が先決だよ」
ズィーベンが口を酸っぱくして言う。
ナナは、いざというときは、自ら盾になっても、ゾディアックを守る決意をしていた。
きっと聞かないんだろうな、とパートナーの横顔を見て、
ズィーベンはため息をつく。
涼介は、マジックソードとマジックカノンを合わせた、
ヒット&アウェイ戦術で、龍騎士を攪乱する。
「おにいちゃん、右から来るよ!」
クレアが、涼介に注意を促す。
スピードを重視したソーサルナイトは、龍騎士の攻撃を振り切る。
「さあ、ここは私たちに任せてゾディアックは先を急いでください。
世界を頼みましたよ」
(無茶をしているのはわかっている。
けれど、みんなと笑いながら過ごしたいから私は負けない)
涼介とクレアは、龍騎士たちを引きつけ、ゾディアックを見送る。

「ありがとう、みんな!」
アイシャは、礼を言い、ゾディアックを進める。

ロザリンド・セリナ(ろざりんど・せりな)
テレサ・エーメンス(てれさ・えーめんす)
プファイルが、戦いながら龍騎士に呼びかける。
「こちらプファイルのパイロット、
ロザリンド・セリナです。
パラミタが出現し私達は出会いました。
手を取り合うことも、愛する事も、戦うこともありました。
それらの中で生まれた出会いを、絆を、
危険だからと断ち切りたくありません。
どうか。
どうか私達の運命を変える試みが終わるまで、時間をください!」
(ロザリー、かなり無茶な事してる気もするけど。
それでもその分、皆のためになってると信じて!)
テレサは、撃墜覚悟の行動をするパートナーにつきあうつもりである。

「シャンバラの龍騎士か!」
ワイバーンで戦っていたことがあるため、
東シャンバラ・ロイヤルガードでもある、ロザリンドは、
龍騎士たちの一部に覚えられている。
「だが、我らも、大義のために剣を収めるわけにいかないのだ!」
龍騎士団との激しい交戦が続く。

大久保 泰輔(おおくぼ・たいすけ)
レイチェル・ロートランド(れいちぇる・ろーとらんと)
フォイエルスパーは、派手に動き回って、
龍騎士を挑発する。
「こらオッサンら〜!
嘘みたいやけど俺はイエニチェリらしいぞ〜?
上手いこと落として、手柄にしてみぃ!」
泰輔は、挑発はするだけして、後は味方の攻撃陣に任せるつもりである。
「泰輔さん! イコンの中指立てさせるの、やめてください!」
なるべく下品に口汚く罵って、
誇り高い龍騎士の頭に血を登らせようというのが、泰輔の作戦だったが、
パートナーのレイチェルは限界となり、
操縦桿イニシアチブの奪い合いとなる。
「あ、機体のバランスが……あれー」
落下しかかるも、二人は気合で耐える。
「ほら言わんこっちゃない!」
「ぜえぜえ、これも作戦です!
敵にこちらを侮らせる心を作って、その隙を狙うのです!」
そんな漫才をしつつも、フォイエルスパーは龍騎士たちを足止めした。

音無 終(おとなし・しゅう)
銀 静(しろがね・しずか)は、
超霊マインドラプラスの力でシャンバラに貢献する。
静の予測した龍騎士の動きを、
終が精神感応で話しつつ
味方イコンに通信で教えているのだ。
終は、空中ドックで
自分達を監視してもらいながら、ラジカセから『死の舞踏』を流し、働く。
「ジグ、ジグ、ジグ」
静は、暴走しないように、常に氷砂糖を食べ続ける。
「自分の『道具』をちゃんと長く使えるように気遣えないのは三流だからな。
……なんだ静? その嬉しそうな顔は?」
静は、終にかまってもらえるのがうれしいのだ。
「全く……ほら、ちゃんと糖分を摂取しろ」
終は、ぶっきらぼうにガムシロップのチューブを渡す。



そのころ、イーグリットに乗ったヘクトルとともに。

神崎 優(かんざき・ゆう)
神崎 零(かんざき・れい)は、
蒼緋に搭乗し、「共に連携して戦おう」と通信を送っていた。
「ああ、助かる!
シャヒーナのためにも、オレは、ここで、負けるわけにいかないんだ!」
優は、ヘクトルの返答を聞いて、
迷いが断ち切られているのを感じる。
「一度別れた二つの世界が再び繋がった事には必ず意味があるはず。
だがそれは再び悲劇を繰り返す為では無い!!
誰もが互いを認め合い、絆を繋げ合う為、
未来を切り開く為に必ずゾディアックを守る!!」
「優と出会った運命という名の奇跡を意味のない物にしたくない!!
優と共に築き上げてきた想いと絆の力で必ずゾディアックを守る!!」
優と零が、呼吸を合わせて、戦いを繰り広げる。

東シャンバラ・ロイヤルガードたち、
緋桜 ケイ(ひおう・けい)
悠久ノ カナタ(とわの・かなた)
アルマイン・マギウス
ソア・ウェンボリス(そあ・うぇんぼりす)
雪国 ベア(ゆきぐに・べあ)
アルマイン・マギウスも、
ヘクトルとの連携に加わった。

ケイは、ヘクトルが誇り高い騎士であることを考え、思いやる。
「こうして俺たちに協力してくれているのも……
それが帝国の未来に繋がると信じてるからなんだろ?」
ヘクトルにとり、龍騎士団との戦いが辛いものになることを考えてのことだった。
「ああ、絆によって未来を切り開くことができることを教えてくれたのはおまえたちだ。
そのことに、オレはとても感謝している。
あいつらも、きっと、わかってくれるだろう」
龍騎士団を見据えてヘクトルが言った。
ケイは、なるべく、龍騎士たちを傷つけずに作戦を成功させたいと考える。
「……わらわたちも、『2つの世界の繋がり』に希望を捨ててはおらぬ。
パラミタと地球は、共に歩んでゆけると信じておる。
わらわやケイ、ヘクトルやシャヒーナ、そして、多くの契約者たちが、それを証明しておるのだからな。
5000年前、進むことが出来なかった未来へも、きっとわらわたちなら共に歩んでゆける。
……逃れられぬ運命など、わらわたちが打ち砕いてみせようぞ!」
「最初は地球人を憎んでいたヘクトルとも、
こうして友人になれたんだ……。
他のエリュシオン人達とだって、
お互いの理解が深まれば、きっと友人となれる日が来るはずだぜ!」
カナタとベアも、口々に言い。
「ヘクトルさんは、戦場だったにもかかわらず、私を助けてくれました。
地球とパラミタ。シャンバラとエリュシオン。
生まれた場所は違っても、みんなが手を取り合える、そんな未来を築きたいんです!」
ソアも、未来を見据えて言う。
昨年末に、敬愛する地球の父親に知らされたことだが、
ソアの母親は守護天使である。
(私は、地球とパラミタの絆で生まれました。だから……!)

ソアや、優の支援により、
ケイは、嵐の儀式を発動させた。
突風により、生身で龍に乗っている龍騎士たちに隙ができる。
「嵐の壁よ、ゾディアックを繭まで届ける時間をくれ!」
少しでも、致命傷を与えないようにという、ケイの配慮でもあった。
ソアは、海に落ちた龍騎士を救助しようと、海上へ接近する。

こうして、シャンバラ側は、連携により、
素早くゾディアックを繭へ到達させることができた。