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少年探偵の失敗

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少年探偵の失敗

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55. 三日目 レンドルシャム島 午後七時二十三分

 リカイン・フェルマータは戦闘中だった。
 リカインと背中合わせで立っている、パートナーの中原鞆絵は、ヒロイックアサルトを発動させ、若き美女となり、薙刀を構えている。
「お嬢と居りますと、岡っ引きの真似事も、荒事になっちまうんですねえ。手前も助太刀させて頂きましょうか」
「狐樹廊。あんたが狙われてるんだから、麻美くんらしくして、おとりになってなさい」
 麻美に扮したリカインのもう一人のパートナー、空京稲荷狐樹廊は、リカインたちと島に着いた直後から、何者かに狙われ、襲撃を受けた。
 視界が悪く、動きの制限される森の中で、リカインたちは、狐樹廊を守りながら、戦いを続けている。
「相手が何人いるのか、わかんないのは、厄介ね」
「あたしは、森に火をつけられるのが、心配です」
「鞆絵さん。それ、私がやっちゃおうか」
「いまのは、聞かなかったことにしてください」
「なんで。名案でしょ。おっと、きたわね」
 気配を感じたリカインの前に、死神はおり立った。
 筒のような帽子、マントの、それの、色のない目を見たリカインは、思わず問いかける。
「麻美くん、なにしてんの」
・・・・・・時間がくる命拾いしたな)」
 死神は、それだけ言うと、森へ消えた。リカインたちの周囲にあった殺気も、死神とともに消えた。
「鞆絵さん。狐樹廊。麻美くんを追うわよ」
 リカインたちも、森の奥へ。