リアクション
戦い疲れたイコンはどこへ?
「はぁ…ぐぅ、己……奴等めぇ」
フラフラと飛行するグラヒトリ、その周りにはセラフィム機がいた。
「さてさて、どこにいくんだろうね?」
「さあ。まあ、あれだけボロボロなんだ。彼らにとって安全なところじゃないかな?」
アルバに乗り、エレクトロンボルトたちを尾行していたのはクリストファー・モーガン(くりすとふぁー・もーがん)とクリスティー・モーガン(くりすてぃー・もーがん)。
敵のイコン部隊の本拠地を調べるために、最初に戦闘に参加して以降は身を潜めていた。
そしてエレクトロンボルトが撤退したの機に二人も行動を開始したのだ。
僚機と共に息を殺して敵の行き先を見守る。
するとエレクトロンボルトが乗るグラヒトリが停止する。
「……何もないけど」
「そうだね、ないね」
そこには本当に何もなかった。……それまでは。
少し待っていると、何もなかった空間に徐々に何かが姿を現す。
「ありゃ、機動要塞だね」
「……さっきまではあの周辺には影なんてなかった。光学迷彩、それも僕たちの知らないような非常に高度なもの、なのかな」
「厄介、だね……。そうか、坑道内に現れたクルセイダーが着ていたのと同系の技術……未来のものってのかな。 ? ところで、あのイコンって、あんな大きかったっけ?」
「まあ距離が離れてるからそう見えるんだろうね。むしろ僕は、もう少し金色だった気がするけどね」
「それこそ気のせいでしょ。戦いの傷やらでそう見えるだけ」
二人がそう話し込んでいると、敵イコン機たちは次々と浮遊要塞へと戻っていき、全てのイコンが収納された。
すると浮遊要塞はその姿を、再び空間の中に隠した。
「……任務完了。急いで戻ろう」
「そうだな」
クリストファーとクリスティーはこの事実を一刻も早く知らせるべく、機動要塞の場所を頭に叩き込んだ上で撤退した。