校長室
終焉の絆
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到来、金色のイコン 1 「どいつこもこいつも何一つ成果をあげられん愚図ばかり……! ならばこの私が直々に鉄槌を喰らわしてやる!」 エレクトロンボルトが金色のイコン、グラヒトリに搭乗し、ようやくその姿を現した。周りには多数のグランツ教側のセラフィム級高性能イコンが控えている。 そのどれもが現代のシャンバラの技術を超えたもので――つまり、それらはグランツ教が未来から現代へと持ち込んだ、あるいは、その技術を用いていると考えて良いだろう。 「ようやく出てきてくれたか。行くよ、クレア」 「わかったよ、お兄ちゃん!」 エレクトロンボルトの接近にいち早く気付き一切迷わずにグラヒトリへと向っていくのは、 涼介・フォレスト(りょうすけ・ふぉれすと)とクレア・ワイズマン(くれあ・わいずまん)の愛機{ICN0004496#ソーサルナイト?}。 「一人か、舐められたものか。だがそれでいい、その方が倒しやすいというものだからな」 セラフィム機に待機命令を出し、ソーサルナイト?を待ち構える。 雷気を纏い、稲妻ほどばしっているようなブレード。 「このエレクトロンブレードを前にして戦うか?」 ネーミングセンスはすごぶる悪いが、それ以上に凶悪そうな武装である。 「それでも押し通す!」 構わず突っ込み、カナンの聖剣を斜め上から振りかぶる涼介。 ガキンッ! 鈍い轟音が木霊する。と、エレクトロンブレードに纏われていた雷気が更に激しさを増す。 「こ、これは……!」 鍔迫り合いはまずい、そう直感した涼介が離れようとするが一瞬遅い。 出力を増した雷気が聖剣を伝いソーサルナイト?へと感電。装甲は剥がれ落ち、各部機関は雷気に侵され、戦力は半減以下に低迷する。 「それでも、まだっ!」 「お兄ちゃん、無理はだめだよ!」 ヴィサルガ・イヴァを発動させイコンの力を解放し、無理やりグラヒトリへと攻撃を再開する涼介だがやはり攻撃はうまくいかない。 それどこからエレクトロンボルトは後退し、後の相手をセラフィム機に任せる。 「覚醒、厄介だ。相手できんわけではないが、無理にする必要もあるまいよ」 悠々と後退するエレクトロンボルトの前にセラフィム機たちが集まっていく。 「マイア! 標的変更! 味方イコン機を助けるぞ」 「了解です!」 斎賀 昌毅(さいが・まさき)の指示にマイア・コロチナ(まいあ・ころちな)がノータイムで反応し、照準を変更する。 「ロックターゲット変更! 行けます!」 『前線の味方イコン機! 今すぐ急上昇してそのまま下がれ!』 これまたノータイムで涼介たちへと通信を行い、間髪入れずに荷電粒子砲を発射するフラフナグズ。 既に覚醒をしているフラフナグズの荷電粒子砲は凄まじい質量と熱量を帯びてセラフィム機へと向かっていく。 涼介は迷わず急上昇すると、その直下で荷電粒子砲が複数のセラフィム機へとぶつかる。途端に爆発する。 そのまま涼介は後退。もはや戦える状態ではない、と判断したからだ。 「ちっ、もちっと巻き込みたかったが……奴等もただの木偶じゃねぇってことか」 「セラフィム機、来るよ!」 攻撃を受けたセラフィム機がフラフナグズを潰すために接近してくる。 だが、そう簡単に近づくことはできない。昌毅のイコン操縦も卓越しているし、 なによりそれを援護する香 ローザ(じえん・ろーざ)やベータリア・フォルクング(べーたりあ・ふぉるくんぐ)の支援も的確だからだ。 ロード・アナイアレイターは遠距離から敵をゆっくりと定めて、ライフルの照準を慎重に合わせ、その照準があった瞬間迷わずトリガーを引き弾丸を発射する。 射出された弾丸はセラフィム機のメインカメラを破壊する。 そこへフラフナグズが高火力ライフルを発射し、セラフィム機の胴体部に風穴を開け撃墜。 『いい援護射撃だったぜ』 『お構いなく。このまま私たちは周りのイコンを倒します』 『おう、俺たちもそのつもりだ!』 こうして昌毅とローザの攻撃はセラフィム機のみに集中し、エレクトロンボルトとの連携や護衛ができないように牽制と撃墜を行っていく。