空京

校長室

【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆

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【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆
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祈りの歌声 2

カナンにて。

【響生】メンバーの
朱里・ブラウ(しゅり・ぶらう)
アイン・ブラウ(あいん・ぶらう)の夫婦、
そして、
城 紅月(じょう・こうげつ)
レオン・ラーセレナ(れおん・らーせれな)は、
エンヘドゥ・ニヌア(えんへどぅ・にぬあ)とともに、
儀式上に設けられたステージで、
詩穂からのバトンを受け取った。

「どうもありがとう。
こちらでは、皆さんと一緒にカナンの聖歌を歌いたいと思います」
朱里が一礼すると、
クリエイト・ザ・ワールドで、
ステージに、咲き誇る花や木々に満ちた美しい自然の風景が広がっていく。

「今まで一緒に歌ってくれてありがとう、朱里ちゃん。
二十歳の誕生日も一緒に祝ったよね。
さあ、今日も一緒に歌おう」
紅月は、歌に、祝福を込める。
それは、朱里のお腹に宿る、新たな生命への祈りでもあった。

「イナンナの加護がありますように……」
レオンは、光輝く光条兵器を手に、剣の舞を舞う。

「俺はこの身果てるまで、この世界を歌で守ろう」
紅月に微笑まれ、レオンはパートナーを抱きしめる。
「何度生まれ変わっても紅月の傍がいいのです。あなたの守るものならすべて守りましょう」
「ねぇ、レオン……俺たちも子宝を願おうか?」
「……こっ、子宝?!
も、もちろんですっ!
かけがえない家族を守り切ってみせますよ!
……で、夜のご褒美は確実確定ですよね……痛ッ!」
「言い方が直接的!
せっかくのムードが台無し!」
「そ、そんな……おあずけはやめてくださいよぅ」
「でも、俺は、レオンのそんなところも好きだよ」
「紅月!」
レオンは、紅月を抱きしめ、抱え上げた。
「ちょ、剣の舞は?」
「このまま舞わせていただきます! 愛をこめて!」


アインは、最愛の妻である朱里にそっとよりそう。
「ありがとう、朱里。
僕は、この世界で、愛を知り、父となることができた。
きっと、この世界の、愛のバトンをつないで行こう」
「ええ、そうね。
大丈夫、みんな、いっしょなら、こわくないよ」
朱里は、そっと、お腹にいる我が子にも呼びかける。

「皆様、どうぞご安心なさってくださいませ。
わたくしは、わたくしたちは、常に皆様とともにありますわ」
エンヘドゥの呼びかけに、
カナンの民が歓声を上げる。

そして、聖歌は、カナンの大地へと響いていく。

アインは、サクロサンクトで、この儀式場を守る覚悟を決めている。

そして、聖歌は、
人々の祈りを乗せて、希望を世界に伝えていく。

モンスターなどの禍々しい存在は、
とてもではないが、この儀式場には近づくことができなかった。

「新しい世界、ともに歩みましょう」
「ああ」
朱里とアインは手をつなぐ。

エンヘドゥは、2組のカップルをみつめ、微笑む。
そして、カナンの民とともに、祈りの歌を歌うのだった。