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リアクション
■□■3■□■
そのころ、
林田 樹(はやしだ・いつき)とパートナーの機晶姫ジーナ・フロイライン(じいな・ふろいらいん)、
騎沙良 詩穂(きさら・しほ)とパートナーのヴァルキリーセルフィーナ・クロスフィールド(せるふぃーな・くろすふぃーるど)は、
ミス・スウェンソンのドーナツ屋、通称「ミスド」に救出に向かった。
「スウェンソンさんがいらっしゃらなかったら、
あの、ワタシの大好きな、『キングフレンチクルーラー』が、
食べられなくなってしまうじゃないですか!
他の皆さんだって、ミスドが無くなったら、
生き甲斐が無くなってしまいます!!」
「私はオリジナルブレンドコーヒーしか飲んだことはないが、良い味だった」
ジーナは必死であり、パートナーの樹も、真剣な表情で走る。
「『お菓子の国のプリンセス』として、学生たちの憩いの場である「ミスド」を防衛します☆」
なつかしの「指輪キャンディー(エメラルド)」装備で、
いつでもご主人様やお嬢様の空腹を満たす準備ができている詩穂も、真剣である。
「詩穂は戦闘中にサディストになるのが心配なのですけれど、今はそうも言っていられませんわね」
セルフィーナは、困ったちゃんなパートナーを心配しつつも、一緒に戦うつもりである。
一行が「ミスド」に到着すると、店長のヨハンナ・スウェンソンが、
ミスドを一般人に解放して繁華街の一時避難所にしていた。
「助けに来てくれたのね、ありがとう!
一緒に避難所の運営をお願いできないかしら」
「スウェンソンさん、無事だったんですね! わかりましたです!」
「もう大丈夫です。必ず助かります☆」
ジーナが、ミス・スウェンソンの無事に安堵し、避難所運営に参加する。
樹と詩穂とセルフィーナは、ミスドにモンスターが侵入しないよう、防衛を行う。
弁天屋 菊(べんてんや・きく)とパートナーのドラゴニュートガガ・ギギ(がが・ぎぎ)は、
ミスドの厨房を借りて炊き出しを行っていた。
「ミツエ軍で【弁当屋】と呼ばれた女の真骨頂を発揮するよ! 腹が減っては戦はできぬってね!」
「暖かいおにぎりと豚汁だよ。ほしい人はならんでね」
菊とガガが、おにぎりや豚汁など、食べやすい、暖まる、作り置きが効くものをガンガン作っていき、
避難所の人々を勇気づける。
「どうもありがとう!」
空京には日本人が多く、おにぎりや豚汁は大変喜ばれた。
ミス・スウェンソンのドーナツとコーヒーとともに、パラ実生、菊のおにぎりと豚汁は、
避難していた住人達と学生達をおおいに励ますのであった。
避難所となったミスドでは、ラーフィン・エリッド(らーふぃん・えりっど)が怪我をした者の応急手当を行う。
「これで大丈夫ですよっ」
包帯や消毒薬を常備し、ナーシングでラーフィンが手当てをする。
怪我をした人は何度もお礼を言った。
「くぇー……」
外では、ラーフィンのパートナーの、
皇帝ペンギンが燕尾服の上着のみとシルクハットを身につけ、ステッキをもっている姿のゆる族、
ドン・カイザー(どん・かいざー)が避難民の誘導と護衛を行っていた。
ドンの誘導により、繁華街の避難民はミスドに集められ、安全が確保されるのだった。
一方そのころ、
溝淵 尚吾(みぞぶち・しょうご)は、貴金属店などの高価な品を扱っている店を中心に見回っていた。
大通りではなく細い道を選び移動する。
火事場泥棒を警戒してのことであった。
「現地の警察はオフィス街に行くというから、
この騒ぎに乗じて手薄な繁華街で火事場泥棒をするやつが現れるに違いない。
そいつを叩いて教導団生としての箔をつけよう」
パートナーの剣の花嫁ゲルトラウト・シュッツ(げるとらうと・しゅっつ)が、無茶しないように見守っている。
ヴェルチェ・クライウォルフ(う゛ぇるちぇ・くらいうぉるふ)はといえば、「救助」の名の元に、「火事場泥棒」を行っていた。
「これだけ賑わってる繁華街なんだから、金目のものがたんまり……
もとい、助けを求めてる人がたくさんいるわよね♪」
ヴェルチェのパートナーの剣の花嫁クリスティ・エンマリッジ(くりすてぃ・えんまりっじ)は、
街の人を救助しようというヴェルチェの言葉に感動し、全力でサポートしていた。
「さすがですわ、ヴェルチェ様!」
しかし、宝石店から出てきたところを、犯行に及ぶまで犯人を泳がせていた尚吾に見つかる。
「そこで何をしている!」
「何って、人命救助だけど、何か文句あるの?」
実際、火事場泥棒をしつつも、ヴェルチェは救助活動をしていたのである。
素直になれない性格なのであった。
「ヴェルチェ様……やはり今回も」
「あまり無茶はしないで。今はそんな場合じゃないわ」
尚吾にみつかりもめてショックを受けるクリスティと、パートナーを心配するゲルトラウトであったが、
その後4人は和解して一緒に救助活動を開始した。
「もう、しかたないわね。でも、これであとでお礼ガッポリよね♪」
「まったく……」
ヴェルチェはルンルン口調で言う。
尚吾は溜息をつきつつも、救助活動に尽力した。
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