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リアクション
第2章 住宅地
■□■1■□■
今井 卓也(いまい・たくや)は、住宅地の病院の前で、モンスターに立ち向かっていた。
「こんなの絶対に間違ってる」
敵の侵入を防ぐため、ゾンビの頭をブレスドメイスで破壊し、
スケルトンの腰骨をだるま落としの要領で叩き落す。
「こんな不条理なことが許されるわけがないよ!」
卓也のパートナーの吸血鬼フェリックス・ルーメイ(ふぇりっくす・るーめい)は、
一緒につきあい病院の防衛をしていた。
しかし、卓也とは対照的に、ルーメイは達観した様子でつぶやく。
「あのお嬢さんからすれば間違っているのはこちらなんだろう」
卓也が前に出すぎない様にフォローしながら、
ルーメイが火術とハーフムーンロッドによる打撃で戦闘を行い、病院に敵を近づけさせないようにする。
「きれいな看護師さんが怪我したら大変だからな」
メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)とパートナーの剣の花嫁セシリア・ライト(せしりあ・らいと)は、
子どもなどの災害弱者に配慮しながら避難活動していた。
空京は新しくできた町であるため、労働者人口がほとんどであり、老人や就学年齢の子どもは少ないが、
乳幼児はそこそこいる。
「さあ、こちらですぅ」
「じゃあ、みんな、おねえさんと一緒にお歌を歌おうか?」
セシリアの予想通り、パニックになって自分のことしか考えられなくなった大人達は、
他所の家の子どものことは気にかけられなくなっていた。
突き飛ばされたりしないよう、メイベルとセシリアが優しく手を引いて、元気が出る歌を歌う。
メイベルとセシリアの歌声に、小さな子どもも大人も落ち着きを取り戻し、
一行は一緒に歌いながら、避難所へと急いだのだった。
蓮見 朱里(はすみ・しゅり)も、モンスターやトルメンタと戦う人のためにも、
逃げ遅れた一般市民の救助活動に専念していた。
「大丈夫。家族のところへは必ず送り届けるからね」
怪我をした人や、精神的ダメージで動けなくなっている人に優しく声をかけ、
朱里がヒールやSPリチャージ、ナーシングを行い、回復させる。
「君達の安全は、必ず僕等が守る」
朱里のパートナーであり恋人である男性型機晶姫アイン・ブラウ(あいん・ぶらう)が、
建物の瓦礫を撤去して下敷きになった人々を救出する。
住人達は口々に感謝の言葉を述べる。
アイン達と同じくヒーローの仲間である、黒衣の仮面男、クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)が、
空飛ぶ箒に乗って、空京警察や学生達を鼓舞しながら、ガーゴイルと戦う。
「お茶の間のヒーロー、クロセル・ラインツァート参上!
悪の手先はこの俺が倒してくれましょう!
良い子の皆、危ないからオニーサンの真似をしたらダメですよッ!」
クロセルのパートナーのドラゴニュート、マナ・ウィンスレット(まな・うぃんすれっと)は、
サンタのトナカイのソリに機関銃を設置し、
空飛ぶチビッコガンナーとしてスプレーショットでガーゴイルを追い散らす。
ドラゴンアーツで力を補っているので、小柄なマナではあるが、吹っ飛ばされることはない。
「クロセル、世のため人のため、悪党共を懲らしめてやるのだ!」
空中のクロセルたちを見て、住人達から歓声が上がる。
「いいぞ!」
「ありがとうヒーローさん!」
「はーはっはっはっは!」
「うむ、うれしいのはわかるが、気を引き締めろよ、クロセル!」
「わかってますともマナさん!」
グレン・アディール(ぐれん・あでぃーる)は、最前線から少し離れた建物の屋上に行き、
ガーゴイルを撃ち落とそうとしていた。
「ガーゴイルの群れを確認……これより掃討戦を開始する」
グレンのパートナーの機晶姫ソニア・アディール(そにあ・あでぃーる)も、六連ミサイルポッドを構える。
「空京は護りきってみせます!」
グレンが機関銃を連射し、スプレーショットとクロスファイアでガーゴイルを次々撃ち落とす。
ソニアは、後方からグレンに接近してきたガーゴイルを、ライトブレードで一刀両断する。
「グレンには手出しさせません!」
こうして、住宅地のガーゴイルは派手に掃討されていくのであった。
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