空京

校長室

建国の絆 第4回(無料版)

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建国の絆 第4回(無料版)

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 第2章 住宅地

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 今井 卓也(いまい・たくや)は、住宅地の病院の前で、モンスターに立ち向かっていた。
 「こんなの絶対に間違ってる」
 敵の侵入を防ぐため、ゾンビの頭をブレスドメイスで破壊し、
 スケルトンの腰骨をだるま落としの要領で叩き落す。
 「こんな不条理なことが許されるわけがないよ!」
 卓也のパートナーの吸血鬼フェリックス・ルーメイ(ふぇりっくす・るーめい)は、
 一緒につきあい病院の防衛をしていた。
 しかし、卓也とは対照的に、ルーメイは達観した様子でつぶやく。
 「あのお嬢さんからすれば間違っているのはこちらなんだろう」
 卓也が前に出すぎない様にフォローしながら、
 ルーメイが火術とハーフムーンロッドによる打撃で戦闘を行い、病院に敵を近づけさせないようにする。
 「きれいな看護師さんが怪我したら大変だからな」
 
 メイベル・ポーター(めいべる・ぽーたー)とパートナーの剣の花嫁セシリア・ライト(せしりあ・らいと)は、
 子どもなどの災害弱者に配慮しながら避難活動していた。
 空京は新しくできた町であるため、労働者人口がほとんどであり、老人や就学年齢の子どもは少ないが、
 乳幼児はそこそこいる。
 「さあ、こちらですぅ」
 「じゃあ、みんな、おねえさんと一緒にお歌を歌おうか?」
 セシリアの予想通り、パニックになって自分のことしか考えられなくなった大人達は、
 他所の家の子どものことは気にかけられなくなっていた。
 突き飛ばされたりしないよう、メイベルとセシリアが優しく手を引いて、元気が出る歌を歌う。
 メイベルとセシリアの歌声に、小さな子どもも大人も落ち着きを取り戻し、
 一行は一緒に歌いながら、避難所へと急いだのだった。

 蓮見 朱里(はすみ・しゅり)も、モンスターやトルメンタと戦う人のためにも、
 逃げ遅れた一般市民の救助活動に専念していた。
 「大丈夫。家族のところへは必ず送り届けるからね」
 怪我をした人や、精神的ダメージで動けなくなっている人に優しく声をかけ、
 朱里がヒールやSPリチャージ、ナーシングを行い、回復させる。
 「君達の安全は、必ず僕等が守る」
 朱里のパートナーであり恋人である男性型機晶姫アイン・ブラウ(あいん・ぶらう)が、
 建物の瓦礫を撤去して下敷きになった人々を救出する。
 住人達は口々に感謝の言葉を述べる。
 
 アイン達と同じくヒーローの仲間である、黒衣の仮面男、クロセル・ラインツァート(くろせる・らいんつぁーと)が、
 空飛ぶ箒に乗って、空京警察や学生達を鼓舞しながら、ガーゴイルと戦う。
 「お茶の間のヒーロー、クロセル・ラインツァート参上!
  悪の手先はこの俺が倒してくれましょう!
  良い子の皆、危ないからオニーサンの真似をしたらダメですよッ!」
 クロセルのパートナーのドラゴニュート、マナ・ウィンスレット(まな・うぃんすれっと)は、
 サンタのトナカイのソリに機関銃を設置し、
 空飛ぶチビッコガンナーとしてスプレーショットでガーゴイルを追い散らす。
 ドラゴンアーツで力を補っているので、小柄なマナではあるが、吹っ飛ばされることはない。
 「クロセル、世のため人のため、悪党共を懲らしめてやるのだ!」
 空中のクロセルたちを見て、住人達から歓声が上がる。
 「いいぞ!」
 「ありがとうヒーローさん!」
 「はーはっはっはっは!」
 「うむ、うれしいのはわかるが、気を引き締めろよ、クロセル!」
 「わかってますともマナさん!」

 グレン・アディール(ぐれん・あでぃーる)は、最前線から少し離れた建物の屋上に行き、
 ガーゴイルを撃ち落とそうとしていた。
 「ガーゴイルの群れを確認……これより掃討戦を開始する」
 グレンのパートナーの機晶姫ソニア・アディール(そにあ・あでぃーる)も、六連ミサイルポッドを構える。
 「空京は護りきってみせます!」
 グレンが機関銃を連射し、スプレーショットとクロスファイアでガーゴイルを次々撃ち落とす。
 ソニアは、後方からグレンに接近してきたガーゴイルを、ライトブレードで一刀両断する。
 「グレンには手出しさせません!」

 こうして、住宅地のガーゴイルは派手に掃討されていくのであった。