リアクション
39.二人の熱い初夏
じっとりと体がだるいのは、初夏の汗ばむ空気によるものばかりではなかった。
夏の雰囲気に浸れるホテルの一室、目が覚めた霧島 玖朔(きりしま・くざく)は、隣に寝ている ミネッティ・パーウェイス(みねってぃ・ぱーうぇいす)を見て、昨夜のことを思い出す。
二人とも、全裸だ。
リモコンに手を伸ばして、冷房のスイッチを入れた後、玖朔はミネッティの体を隠すシーツを剥いだ。
ミネッティは起きない。
夜の彼女も良かったが、朝日にさらけ出された彼女の裸体も、扇情的だ。玖朔はムラムラと欲情した。
眠ったままのミネッティに抱きついて、その柔らかい体を堪能する。
「ん……朝ぁ? あ、ん」
流石に気づいて、ミネッティは目を覚ました。
そのまま、玖朔の背中に両手を回し、口付けに応じる。
「おはよ、続きヤる?」
唇が離れると、ミネッティは笑いかけた。
まだまだ楽しみたい。昨夜の盛り上がりを思い出して、じわりと体が疼く。
あんなに燃えたのは、もしかして初めてではないだろうか。
「玖朔すごいからあたし燃えちゃったし、まだ一緒にいたいなー」
「それは、いいな。どうせ今日も暇なんだろ?」
ふふと笑いながら、昨夜の余韻に浸るように、玖朔はミネッティの体を撫で回す。
「んんっ、でもその前にシャワー……あ、何か食べる?」
ミネッティは、部屋に備えてあるコーヒーメーカーを見たが、次の瞬間、びくりと体が跳ねた。
「っは、」
「そんな時間、やらねえよ」
その反応を見て、くつくつと玖朔が笑う。
「も、意地悪。……でも、いいよ。
あたしもこのまま、一日中ヤりたいもん」
ミネッティは、挑発するように玖朔の腰に両足を絡め、玖朔はミネッティに濃厚なキスを仕掛けた。
この場限りの関係で終わらせるには勿体無い、と、玖朔の胸の内に独占欲が沸く。
特定の相手に固執することなく、自由で奔放でお金が大好きなミネッティを、自分が虜にしたい。
「あ、はん、も、欲しっ」
ミネッティが体を捩って玖朔を誘う。
にやりと欲にまみれた笑みを見せ、玖朔はミネッティを果敢に攻めた。
――初夏の一日は、まだまだ、長い。