リアクション
17.ゆっくりと確かめ合い
3月14日。
教導団員のセレンフィリティ・シャーレット(せれんふぃりてぃ・しゃーれっと)とセレアナ・ミアキス(せれあな・みあきす)は、公務で空京に滞在していた。
今日はたまたま1日休みだったので、ホワイトデーということもあり、一緒に空京の街で過ごすことにした。
セレンフィリティとセレアナは恋人同士だ。
愛し合っていたはずなのに――長くすれ違っていたけれど。
今ではこうして、昔の様に自然に、とまではいなかくても、周りからは自然に見えるほどに、二人は恋人として楽しく過ごすことが出来るようになっていた。
「うん、セレアナに貰ったネックレス、この服に合いそう……買っちゃおうかなぁ」
「セレンに似合いそうだけど、ちょっと高いわね」
「うーん、そうだよね。パーティ用のドレスだし、そう頻繁に着るものじゃないから……諦めるか」
余所行きの服を着てショッピングを楽しみ、互いに服や装飾品を贈り合い、ゲームセンターでクレーンゲームをしたり。
普通の恋人として、楽しいホワイトデーを過ごしていく。
1日、歩き回った後。
2人は裏道にでひっそり営業されているカフェに入った。
穏やかな音楽が流れており、落ち着けそうな、休憩にはちょうど良いカフェだった。
窓際の席に座ると、住宅街の公園が見えた。
子供達が、楽しそうに砂場や遊具で遊んでいる。
女の子も男の子も一緒に。
追いかけっこをしたり、ままごとをしたり。
楽しそうな笑顔をいっぱい浮かべて。
眩しいくらいに、輝いていた。
セレンフィリティとセレアナは無邪気な子供達を、眩しげに、少し羨ましげに眺めて。
それから顔を合わせて、微笑み合った。
届いたアイスティーにガムシロップを入れて、ストローでかき混ぜて。
互いに少し、飲んでから。
セレンフィリティの方から、話し始めて。
互いの想いを、確認していく――。