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新入生歓迎会:prologue
抜けるような青い空のもと、新入生歓迎会の会場である大型多目的ホールも有する総合レジャー施設、海京マリンフローラ。海との調和を目的としたモダンなデザインの建屋は、さながらメガフロートに舞い降りた純白の大きな鳥のようだった。
会場へと向かってきた生徒たちは、その姿に歓声を上げ、開館時間までの間、あるいは歓談し、あるいは潮風に吹かれながら、もの珍しげに周囲を見回していた。
新入生の佐野 実里(さの・みのり)もまた、その一人。会場前に多々集まりだした新入生たちとともに、会場が開くのを待ちつつ、ぼんやりと考えていた。
「……ここって、美味しいラーメン、あるかしら」
同じく新入生のイングリット・ネルソン(いんぐりっと・ねるそん)もまた、歓迎会会場にやってきていた。白亜の殿堂をまぶしげに見上げる。
「わたくしの好敵手となるものが、いるかもしれませんね……」
さわやかな潮風に髪を乱しつつ、小谷 友美(こたに・ともみ)は、前日までに運営側としてのサポートを引き受けた在校生たちを前に、背筋を伸ばして言った。
「歓迎会会場は押さえたわ。とは言え、運営する人たちも必要なわけで。
引き受けてくださった皆さん、ありがとう!
……と、言うわけで〜、あとよろしくね」
そして颯爽と身を翻した。
(素晴らしいお天気になったわね〜。
せっかく赴任してきたんだし、ステキな彼に出会えるといいけどな〜、ウフフフフフ……)
文字通り、メガフロート水面下で密かに進行する不穏な事態をよそに、歓迎会会場は素晴らしい上天気のもと、海京マリンフローラの巨大な扉が開き、待っていた生徒たちは次々と施設内に飲み込まれてゆく。
いざ来たれ、生徒たちよ……。
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