空京

校長室

浪の下の宝剣

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浪の下の宝剣

リアクション



エピローグ 誰かと誰かの最後の会話


『世話をかけたの』
―――そんなことないよ

『ふふふ、罵るのならば今のうちぞ、これが我とお主の最後の会話になるのであるからな』
―――本当に、居なくなるつもりなの? あの子達じゃないけど、あの子と、安徳天皇と会わなくていいの?

『よいのだ。これは、最初から決めていたこと』
―――そんなの可哀そうよ。あなたも、安徳天皇も。私は、あなたを通してどれだけあの子の事を想ってるか、私は知ってる。あなたが言うように、嘘は通じないのよ。

『……怖いのだ』
―――怖い?

『言葉とは、不便なものじゃな。この心をそのままお主に見せれたら、どれほど我は救われるだろうか』
―――言ってる言葉の意味が、わからないわ

『我はあの子に嫌われたのじゃ。恨んで欲しいのじゃ。呪って欲しいのじゃ。人であるならば、自らを死に追いやった相手をそう易々と許すことなどできはすまい。けれども、あの子はそれをいとも容易くそうできてしまう』
―――それは、まだあの子が小さいからじゃないの?

『無為の信頼であるならば、我はここまで苦しむことなどなかったであろう。そうではない何かが、あの子にはある』
―――本当に、あなたの言うとおりあの子が凄い子だとしても、やっぱり会わずに消えるのはずるいと、私はおもうわ。だって、私はもう絶対に会えないのよ、だけど、あなたにはそのチャンスがある。

『……』
―――それを、しないで消えるなんて、やっぱり、ずるいわよ

『そうか、お主もそうであったな。だからこそ、我は一時であれ、こうして人のような心を思い出すことができた。感謝しているぞ』
―――

『我は感謝するが、お主は我を恨むがよい。そして、呪うがよい。それをもって、今度こそ我は沈もう。二度と浮き上がることのできぬ、深遠の奥の奥へと』
―――だからっ、どうしてっ、逃げようとするの! 会えばいいじゃない! 会えばいいのよ! そうすれば、あの子も、あなたも、私も救われるのよ。誰も苦しまないし、悲しまないじゃない。なんでっ、なんで……

『穢れは払わなければならぬものなのだ。理解しろとは言わぬ、許してくれとも言わぬ。ただ、そういうものだと思えばよい』
―――思えないよ、だって、私達は友達でしょ。友達が、そんなわけわかんない理由で、消えようなんて言われて、黙ってなんかられないよ……

『だが、それはできぬだ。我はここにあるだけで、呪いを産んでしまうもの。この呪いは、やがて我の魂を食い尽くすであろう。お主と出会え、あの子を再び見ることによって、ほんの一時だけ人のように振舞っているに過ぎぬ。そして、それもあと僅か』
―――そんなっ、今まで一度もそんなの聞いてないわ

『言っておらぬからの。だから、友であるのならば……頼む、せめて人のまま我を死なせておくれ。お主の友で、あの子を愛していた者のまま、我をこの世から消させておくれ。それが、最後の我の望みよ』
―――嘘よ

『嘘ではないよ』
―――嘘よ……

『泣いてくれるか、こんな我のために。ふふ、最後によき友ができた。ありがとう、そして、さよならじゃ』
―――本当に、消えないといけないの?

『最初から決まっていたことじゃ。それに、もう我に未練は無い』
―――それは嘘よ

『ふふ、そうかもしれぬな。さて、もう逝かねばならぬ。それと最後にもう二つ、面倒を見てくれとは言わぬが、時折あの子を気にかけてやってくれ』
―――わかった。最後の、一つは?

『トモミンというのは、どうかとおもうぞ?』
―――なによ、あなたまで。それも最後の最後に、そんな事言うの、ひどいじゃない。

『友達が間違ったことをしているとおもったら、苦言を呈するのは友達の役目よ。短くはあったが、よき夢を見れた。楽しかったよ、これは嘘ではないぞ』
―――うん、私もあなたと会えて楽しかった。

―――さよなら、嘘つきで意地っ張りな、私の親友。


担当マスターより

▼担当マスター

蒼フロ運営チーム

▼マスターコメント

『蒼空のフロンティア』運営チームです。
『無料グランドシナリオ 浪の下の宝剣』のリアクションをお送りします。

今回のリアクションは以下のマスターが担当しています。
参加者が予想より遥かに多かったため、ガイド時点より2名のマスターを追加参加して頂きました。

【1】海鎮の儀・オープニング・エンディング:野田内廻

【2】新入生歓迎会:鷺沼聖子

【3】空京神社地下の探索:桂木京介、カルーア・長谷川(page02〜05)

【4】空京を襲撃するイコンとの戦い:桂木京介

※リアクションは【2】【3】【4】【1】の順で構成されています。
※特定の番号でかけられていても別の番号のアクションと判定され、そちらで描写されている場合もございます。


判定の結果、シナリオ全体の動きは以下のようになりました。

・新入生歓迎会は多くの学生が参加し、好評の内に終了。

・海京神社の地下に海京神社の本殿が存在し、
そこに安徳天皇が封印されていたことが判明。

・海鎮の儀は閃崎静麻が優勝し、宝剣「草薙の剣」が渡される。

・また海京神社の封印は解かれ、安徳天皇は解放された。

・小谷友美に憑依し、海鎮の儀を行っていた二位尼は消滅。

・鏖殺寺院と思われるイコン部隊はほぼ撃退され、
少数が海京に到達したが、それも撃退された。

・しかし不定形の謎のイコンは撤退してしまう。

ご参加頂いた皆様には記念アイテムとして「二位尼の面」をプレゼントします。
扉絵の二位尼がつけているカニのような仮面のレプリカとなります。

また、今回は新規の方が多く参加していたため、可能な限り採用者数を増やしてリアクションを作成しました。特に新入生歓迎会では多くの方が交流するように気を配っています他のパートでも可能な限りそうさせて頂いております。

そのためよろしければ、リアクション内で新たに知り合った方と、メール機能や感情の設定などを利用して交流をして頂けましたら幸いです。このシナリオが新たなお友達を作る機会になれましたら幸いです。

最後になりますが、本作の続編もございます。
『浪の下の宝剣〜龍宮の章〜(仮)』、野田内廻が担当します。

5月27日(金)にシナリオガイドが発表されますので、ご期待ください。

海鎮の儀で優勝しました閃崎静麻様には招待も出させて頂いております。

それでは、今後ともよろしくお願い致します。

▼マスター個別コメント