空京

リアクション

ドージェ５


　シャンバラ教導団は、数こそ少ないものの入れ替わり立ち代り現れるパラ実部隊に、手こずっていた。
　ついにその戦場にドージェ・カイラスが現れる。

　ドージェは軍勢を前に、雄たけびをあげた。
　ただ、それだけでシャンバラ大荒野の地面が砕け散り、隆起していく。
　ドージェが本気を出そうというだけで、地脈は乱れ、大地は砕け、グランドキャニオンのごとき峡谷ができた。
　戦場は崩壊した。パラ実の蛮族も不良も、神の力の前におののき、その場に泣き崩れた。
　対する教導団の兵卒たちは恐怖に打たれ、その場に倒れこみ、気を失う。

「やはり私が出るしかないか……」
　関帝聖君関羽・雲長（かんう・うんちょう）が腰をあげる。金鋭峰（じん・るいふぉん）が悔しさを押し隠して言う。
「すまぬ」
「彼奴めと戦うという約束を、今こそ果たす時。団長は心配めされるな」
　関羽が笑う。

　四頭のドラゴンとケイティ・プロトワンにも出撃が命じられる。
　武神ドージェとの戦いは、これから始まるのだ。