リアクション
「うぉおおおお!! 教官生きていたのか!」
現実世界でマシューと再会し鬼羅が涙ながらに感動していた。
「ほんとよかったなぁ……鬼羅ちゃん」
「死んだと聞かされていたが、君も無事だったのか――」
マシューも鬼羅の生存報告は聞かされていなかった。自分の教え子が生きていることに安堵する。
「それはそうと、教官! アセトも一緒なのか!?」
「いや、一緒ではない。アセトは――」
マシューの言葉が止まる。直感が彼に告げる。
「――アセトは、ここに来ることはない」
「オレはアンドロイドにこそ愛が必要だと思った」
キョウマ・ホルスス博士は、飛空艇の中でハデスに語った。
「アンドロイドに愛? それがアセトに感情をプログラムした理由なのか?」
「アイ、それは虚数のiと繋がる。曖昧な事象であり、もっとも美しい等式を書きだすモノだ。それを応用してアセトに感情を学習できるようにした」
「なるほど……、だから彼女が次第に人間味を帯びていったのか――」
「プログラム通りに動くだけのアンドロイドでは、バーデュナミスで人をサポートするだけしかできない。しかし、パイロットの感情を理解し、適切な判断を相互理解から導き出せるのであれば、そいつは、タダのサポートではない。パートナーだ」
エルメリッヒ・セアヌビス博士も言葉を紡ぐ。
「だからこそ、僕らはRAR.にもつながっていない独立のアンドロイドとしてアセトを作った。中将の良きパートナーと成るためにね」
それが、アセトが感情をプログラムされた理由。
【第三世界】、未来都市オリュンズ、その物語は一人のアンドロイドの献身により幕を閉じだ。