空京

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創世の絆第二部 第一回

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創世の絆第二部 第一回

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■世界樹を救え!・3

そうしていると。
ブラッディ・ディバインの一員として、
アウリンノール・イエスイ(あうりんのーる・いえすい)が、
メルヴィア・聆珈(めるう゛ぃあ・れいか)に変装し、現れる。
アウリンノールの変装は、
マスターニンジャの技術によるもので、本物そっくりの姿になっていた。

「すでに、大世界樹はブラッディ・ディバインと契約を果たした!
よって、この地の世界樹への命令を許可する!
全軍、大蟲も世界樹も区別なく、排除せよ!」

なお、アウリンノールのパートナーのアプトム・ネルドリック(あぷとむ・ねるどりっく)は、
消息不明のため、この場にはいない。

「だまされるな!
メルヴィアは、イレイザー・インテグラル戦に参加しているはずだ!
そいつは、偽物だ!」
国頭 武尊(くにがみ・たける)が叫び、
契約者は平静を取り戻す。

アウリンノールは舌打ちする。
これ以上の演技は無駄なようだ。

「ひどいことになってるわね……
でも、このまま見過ごすわけにはいかないわ」
綾原 さゆみ(あやはら・さゆみ)は、
フルートを即興で奏でて、世界樹の気持ちを落ち着かせようとする。
パートナーのアデリーヌ・シャントルイユ(あでりーぬ・しゃんとるいゆ)も、
大蟲が世界樹を傷つけないように気をつけて攻撃する。
「さゆみはもちろん、世界樹の方々をこれ以上、傷つけさせませんわ」
大蟲が排除されたら、
ヒールや命のうねりで世界樹の治療を行う。

さゆみのフルートやアデリーヌの治療で、
アウリンノールの演技で動揺していた世界樹たちも、
平静さを取り戻していった。

「よけいなことを……」
「それはこちらの台詞だ!」
天城 一輝(あまぎ・いっき)は、
偽メルヴィア、アウリンノールを睨みつけ叫ぶ。
小型飛空艇オイレに乗り、
地上にいるパートナーユリウス プッロ(ゆりうす・ぷっろ)と連携を取りながら、
大蟲の動きを把握して、
一輝は、一体ずつ、大蟲を仕留めていく。

「大蟲たちを退治し、安全が確保されたとわかれば
世界樹たちは元に戻るはずだ。
俺たちの誠意を見せるんだ!」
「ああ、連携を取りながら戦えば、
大蟲に後れを取ることはないだろう」
一輝にプッロはうなずき、
銃型HCで、仲間と連絡を取り合う。
当然、アウリンノールが混乱を生じさせようとしていることも伝わり、
だまされる者が出ないようにしていった。

「一方的に樹を攻撃することしかできない蟲共! こっちへ来い!」
セルマ・アリス(せるま・ありす)が、
大蟲たちを引きよせる。
パートナーのミリィ・アメアラ(みりぃ・あめあら)が連携し、
パワードレーザーで大蟲たちを撃っていく。

「この森は必ず守る……。
これ以上、世界樹を傷つけさせない!」
サクロサンクトにより、セルマは、
世界樹を傷つけないよう、この地を守るため、
全力を尽くしていた。
セルマの光明剣クラウソナスが、
大蟲を屠る。
「ギシャアアアアアアアア!」
断末魔の気味の悪い声を上げ、大蟲が倒れる。

「後ろだ!」
上空の小型飛空艇オイレから、
一輝が注意を促す。
「ルーマ!」
それに気づいたミリィがセルマの背後に迫っていた、
大蟲を、パワードレーザーで倒す。
「ありがとう!」
「気にするな! 声を掛け合って行こう!」
セルマが一輝に礼を言い、一輝も笑顔で答える。

「微力ながら精一杯支援しますので、皆さんは思い切り戦って下さい。
頑張って世界樹さんたちを助けましょう!」
キリエ・エレイソン(きりえ・えれいそん)が、
大蟲と戦う契約者たちの支援を行う。
「ありがとう。背中は任せた!」
セルマは言い、
キリエの回復魔法に頼もしさを感じながら、さらに大蟲を攻撃する。

「近づかせませんよ!」
セラータ・エレイソン(せらーた・えれいそん)は、
救護所の周りにインビジブルトラップを仕掛けて、大蟲の接近を抑制していた。
また、驚きの歌で味方の気力の回復にも努める。

「怪我をしている方はこちらへ。
必ず助けますから!」
キリエが負傷した契約者を救護所に誘導して、回復魔法を使う。
また、セラータも、応急手当や医学の特技で、
治療の補助を行った。


こうして、契約者たちは協力して大蟲を排除して、
世界樹に危害を加えないことを示す。

「次はこううまくいくと思わないことね」
捨て台詞を残して、
アウリンノールは乱戦のどさくさに紛れて逃走した。


「世界樹たち、話を聞いて!」
布袋 佳奈子(ほてい・かなこ)が、渾身のリカバリで、
世界樹たちを回復させる。
パートナーのエレノア・グランクルス(えれのあ・ぐらんくるす)は、
幸せの歌に激励を込め、
世界樹と心を通わそうとする。
(お願い、私たちは敵じゃないの。
世界樹は、私にとって故郷のような存在だし、大事な仲間だと思ってる)
有翼種のヴァルキリーであるエレノアにとって、
世界樹への想いは特別であった。
その気持ちが歌に乗り、
世界樹の森に響き渡る。
歌っているエレノアが攻撃されないように、
佳奈子が、大蟲たちを退ける。
「我は射す光の閃刃!」

「私たちは味方よ!
あなたたちを助けに来たの!」
美常 雪乃(みじょう・ゆきの)も、大きな声で、世界樹に向かって叫ぶ。
「これから先、いい関係を築いていきたい、仲間になりたいと思ってるの!
だから、お願い、話を聞いて!」
エレノアの歌や、雪乃の声に、世界樹は攻撃を止めていった。

「ユキちゃんはオレが守る。
大蟲なんかに傷つけさせない……やるしかないですよね!」
神翠 清明(しんすい・きよあき)は、
パートナーの雪乃が、大蟲に傷つけられないように、戦い、守る。
(ホントはこんな危険な場所には来させたくなかったですけど……。
でも、ユキちゃんのあの、真剣な願い、
オレにできる方法で守りたい!)
清明は、強い決意を胸に、パートナーをかばい続けた。

やがて、
佳奈子やエレノア、
雪乃たちの呼びかけに応じて、世界樹たちは静まった。
そして、次には、契約者ではなく、
一緒に、協力して、大蟲を攻撃するようになる。
世界樹自身を狙ってくる大蟲だけではなく、
契約者を襲う大蟲も、世界樹が攻撃してくれた。

「ありがとな」
風森 巽(かぜもり・たつみ)こと、
仮面ツァンダーソークー1は世界樹たちに礼を言った。

「ありがとう、世界樹!」
「ありがとう!」
エレノアや雪乃たちも、口々に礼を言う。

もはや、世界樹の森、この地域に混乱はなかった。
契約者と世界樹たちは、力を合わせ、共通の敵、大蟲を倒していったのだった。