空京

校長室

創世の絆第二部 第一回

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創世の絆第二部 第一回

リアクション



エピローグ


北ニルヴァーナに渡ったラクシュミらは、
世界樹の森を傷つけ、ニルヴァーナを支える大世界樹と契約しようとしていたブラッディ・ディヴァインのルバートを退けた。

ルバートは契約者たちに追い込まれ、最後は大世界樹へと飲み込まれ、その後、
“インテグラルのような”禍々しいモンスターへと変貌を遂げ、深い絶望のような気配を残し、去っていった。

一方、大世界樹の内部でファーストクイーンは、大世界樹との最後の繋がりであった“身体”を手に入れ、大世界樹と対話を行うことに成功する。
森の世界樹たちを救った契約者たちを、ひとまずは受け入れてくれた大世界樹だが、
遥か昔、“世界を穢した”人々の業への不信は根深く、本質的な協力を得るには、まだ時間が必要とされそうであった。

そして、巨大な天使の姿をしたインテグラル・ビショップと契約者たちとの壮絶な戦い……
イコン、そして、熾天使の力を行使する契約者たちとの戦闘において、ビショップは、まるで見定めるように、その槍も破壊の光も使うことなく相対した。

結果として、契約者たちはビショップの固い装甲を打ち砕くことに成功する。
しかし、その内部より現れたのは、決して天使などと呼べぬほど醜悪な怪物の姿であった。

現れたその怪物は正体を失ったように、イレイザーもスポーンもイコンも、何もかもを見境なく破壊し、食い尽くし、最後には――
上空で戦いを静観していた“数体の”同じ姿をしたインテグラル・ビショップたちによって、消滅させられたのだった。

その後、インテグラル達はイレイザーとスポーンの群れを率い、黒く霞む北の彼方へと撤退していった。


「……第三世代機の配備と、例の“膨大なエネルギーを用いるギフト”、また可能な限りの戦力の用意を急ぐ必要があると考えます」

ニルヴァーナ創世学園。
メルヴィアは、創世学園校長ラクシュミと学園を訪れていたコリマ・ユカギール(こりま・ゆかぎーる)を前に述べた。

「奴らは……インテグラルたちは、本気です。
 本気で“守ろうとしている”。
 だから、北ニルヴァーナでの戦いでは、あの圧倒的な力を持ちながら、慎重さを見せた。
 私たちは、追い詰めているのです。
 あの北の世界に、インテグラルたちを操るもの――パラミタ大陸を滅ぼそうとしている“何か”が居る」

「だとしたら、北に広がっていた巨大な崖……いや、あれは尋常じゃなくデカイ“穴”って感じだが……ともかく、そこだろう。
 そこが、インテグラルたちの本拠地だ。
 北を探索した隊の中には、“帰還中”と見られる奴らの目撃談もある」

長曽禰の言葉にファーストクイーンが頷く。

「決戦は近い、と考えて良いでしょう。
 世界樹の森で『ギフトに変化があった』という話があるそうですね?
 インテグラルを倒すために造られている彼らも、機が迫っていることを感じたのかもしれません」

「え……それは……なんていうか……。
 もしかしたら、ちょっと違うかもしれませんけど」

ポータラカ人によって造られた特別な光条兵器ブライトオブシリーズをギフトに“ぶっ刺した”ら、なんだかエラいことになった。
という、細部までの報告を聞いていたラクシュミは目を泳がせていた。

「ところで、守護天使やヴァルキリーたちは、熾天使の力を失ってしまったというが……」

「いえ、それについては悲観することはありません。
 リファニーさんの波動によって目覚めた熾天使の力。
 それは守護天使とヴァルキリーの奥底に眠っていた力です。
 それが“どういうもの”であるか、身体は既に知ったのです。
 やがて、再び使いこなす者たちも現れてくることでしょう」

(いずれにせよ、我々が手にできる力は可能な限り、用意しておく必要があるのは間違いない。
 このニルヴァーナ大陸に眠る遺跡の調査は急ぐべきだな。例え、それが危険な北の大地にあろうとも。
 
 第三世代機の量産については、最優先で進めている。
 創世学園に運んだプロトタイプ数機については、じきに試用を始められるだろう)




創世学園、イコン整備場。

「これが、第三世代機のプロトタイプかぁ」

ルシアに誘われ、ニルヴァーナの地祇 ニル子と、ニルヴァーナの遺跡で発見された“人間”アラムは、搬入されるイコンを見学に来ていた。

「あぅ、他の子たちより、ちょっと大きいですかぁ?」
「確かにプラヴァーやジェファルコンより大きめだね」

そんなルシアとニル子の横で、アラムは何かが頭に響いた気がして胸元を押さえた。

「イコン――。
 この身に定められた使命は偶像と共に……。
 狂ってしまった哀れな復讐者を、止めなければならない」

その呟きはルシアたちには届かず、整備場の喧騒に紛れていったのだった。




数日後――
ニルヴァーナ大陸とパラミタ大陸は激しい地震に襲われた。
まるで、ナラカの底で何かが身悶えしたかのような、そんな、胸を冷たくざわつかせる奇妙な揺れ方だった。

後に、その地震があった日に、ポータラカ地方がコンロン地方の一部と共に崩壊、消滅していたことが判明する。




更に数日後の。
シャンバラ、ツァンダ地方――蒼空学園。

「わしが第三代蒼空学園校長、馬場 正子(ばんば・しょうこ)である」

大運動場に集まった蒼空学園全生徒へ向けて、馬場正子の、深く、良く通る声が響き渡っていく。

「このたびは、前校長兼理事長である山葉涼司がニルヴァーナ創世学園に渡るため、その職責を受け継ぐ運びとなった。
 校長が変わったからといって、在校生諸君に何か影響があるという訳ではない。
 これまで同様、自らの欲するままに鍛錬を重ね、更なる艱難辛苦に打ち勝つ強靭な肉体と精神の獲得に努めることを真に願うばかりである。
 わしもまだまだ未熟者故、諸君に迷惑をかけることも多々あろう。
 その折はわしも諸君の鞭撻を乞いたい次第である。
 長くなったが、最後に在校生諸君の更なる活躍と幸甚を願って、本挨拶の結びとしたい。
 清聴に心からの謝意を申し上げる。
 以上」



その頃、シャンバラの南東に浮かぶ孤島ゴアドー。

「無理言って悪かったな、馬場さん」

傍らには花音・アームルート(かのん・あーむるーと)を連れた山葉 涼司(やまは・りょうじ)は、少ない荷物を手にニルヴァーナへ続く回廊ヴィムクティのゲートを見ていた。

「たまにゃ戻るつもりだが、決戦に向けてニルヴァーナで修行しておきたいんだ。
 蒼空学園を宜しく頼むぜ」




エリュシオン帝国。
ユグドラシルの地下――

(ふむ……? アスコルドが逝ったか)

吉井 ゲルバッキー(よしい・げるばっきー)は浅い眠りから覚め、首を巡らせた。

(エリュシオンも騒がしくなりそうだ。
 だが、私にはもう関係の無いこと。どの世界で何が起ころうと、全て)

ゆっくりと起き上がり、目の前の巨大イコンに仕上げを施すため、ナノマシンを俄かに活性化させる。

(さて、そろそろ行こう。
 アレが“最も強き者”の気配を察し、戻ってくる。
 絶対的な力を感じ、些か興奮しているようだ……。
 貪欲というべきか、さすが、私の願いを叶えるに相応しい)

と、スマートフォンが鳴り、ゲルバッキーは肉球で画面を操作した。
通話は吉井 真理子(よしい・まりこ)さんからだった。

『ね……ねえ。もう、聞いた?
 この前の地震の時、ポータラカ地方が消滅したって』

(へえ、大変だねえ)

『大変だねえ、って、ボケちゃったの?
 ポータラカってアンタの故郷じゃないの!?』

(え。
 あ、ああ! そう、ポータラカが! ポータラカね!
 くそぅ、ポータラカが消滅だと!?
 なんということだ! ポータラカが! 許せん!)

『…………なんで、すごくわざとらしいの?』

(ふむ、そろそろ明かしても良いだろう。

 ポータラカという都市は初めから実在しない。
 宇宙港や実験用のプラントは存在したがな。

 現在はそれも、埼玉・ベトナム・ヒラニプラ・ドワーフの工廠などに分散してある。
 今回のような事態に備えてリスクヘッジも万全、という訳だ。

 そしてポータラカの中枢、生体サーバー“ニビル”は、この16MBのメモリーカードの中に構築している。
 ニルヴァーナの叡智は、これに全て収められているのだ。
 “ヤツ”は牽制のつもりだったかもしれんが、ポータラカ地方が失われたとしても何の痛みも無い)

そして、ゲルバッキーはメモリーカードからポータラカを再生しようとした。
しかし…………

(……あれ?)

始まったのはオンラインゲームのオープニングだった。

『どうしたの?』

(つかぬことを尋ねるが、この「触るな危険!」と書かれたメモリーカードには触れていないよな?)

『何か汚い字がゴチャゴチャ書かれてたメモリーカードなら、オンラインゲームをするために使わせてもらったけど。16MBキッチリ必要だったから』

(ば………ばっか野郎!? ここここの、馬鹿!! バカーーー!!! ここには大切なことが全部セーブされてたの!! ニルヴァーナ数万年の叡智が詰め込まれてたの!! なにしてんの!? ほんと何してんの!? このブス! ブス! ブーーーーース!!)

『うっさいわね、知らないわよ! ちゃんと片付けてない方が悪いんでしょ!』

ぶちっと切られる通話。

(く、くそぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!)




シャンバラ荒野の一角――木造二階建ての一軒家、夜露死苦荘。

その玄関先を箒で掃いていたマレーナは、ふと、手を止めた。
そして、ゆっくり振り返ると彼女は柔らかに微笑み、告げた。

「おかえりなさいませ、ドージェ様」


担当マスターより

▼担当マスター

蒼フロ運営チーム

▼マスターコメント

『蒼空のフロンティア』運営チームです。
公開が大変遅くなってしまい、誠に申し訳御座いません。
『グランドシナリオ 創世の絆第二部 第一回』のリアクションをお送りします。

今回のリアクションは以下のマスターが担当しています。

【1】イレイザー・インテグラル戦:鷺沼 聖子
【2】世界樹の森:森水 鷲葉
【3】大世界樹:野田内 廻
【4】北ニルヴァーナ探索:古戝 正規
【5】その他:村上 収束
 プロローグ・エピローグ:『蒼空のフロンティア』運営チーム
※特定の番号でかけられていても別の番号のアクションと判定され、そちらで描写される場合もございます。


 判定の結果、シナリオ全体の主な動きは以下のようになりました。

・【1】インテグラル・ビショップは消滅し、メルヴィアやマリエルらが無事に帰還できた。
・【1】インテグラル・ビショップの同型が複数存在することが確認された。
・【2】森の世界樹の一部が契約者たちに友好的になった。
・【2】パラ実分校、創世学園に植樹された。
・【2】鳥人型ギフトがブライドオブヴァラーウォンドによって貫かれ、光のタマゴになった。
・【3】ファーストクイーンが身体を手に入れ、大世界樹との対話が可能になった。
・【3】ルバートが大世界樹に取り込まれた後、“インテグラルのような”禍々しいモンスターとなって現れた。
・【4】北方面に巨大な崖が存在していることが確認された。
    それは尋常じゃなく広い大穴のようで、その奥にインテグラルたちの本拠地があるものと考えられる。
・【4】南方面にて広大な海に沈む、ピラミッドのような遺跡が発見された。


また、長曽禰とメルヴィアについては、
次回より、それぞれ中佐と少佐となります。

なお、今回、リアクションに採用されていない一部のアクションについても、
後日、キャラクタークエストや「なになぜニルヴァーナ」などに反映される可能性があります。


今回ご参加頂いた皆様には記念アイテムをプレゼントいたします。
記念アイテムの配布は明日10月23日(火)となります。


『創世の絆 第二部 第二回』は10月27日(土)の発表予定となっております。
次回も皆様とお会い出来る事を楽しみにしております。