First Previous |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
Next Last
リアクション
■切り開け、大世界樹への道・1
襲い掛かってくる大蟲の群れ。
それらは、人間と昆虫を融合させたような、不気味な外観をしていた。
ごつごつとした硬い皮膚に、
複眼が、不気味に契約者達を見据える。
世界樹たちは混乱をきたし、大蟲であれ、契約者であれ、
外敵と判断している者は、
すべて、攻撃してくる。
枝がしなり、根が盛り上がって、契約者の行く手をふさぐ。
しかし、多くの契約者たちは、世界樹たちは傷つけないように、
大蟲だけを攻撃しようとしていた。
【鋼鉄の獅子】は、大世界樹に向かっての道を切り開くため、
先陣を切って突き進む。
「空はイコンが確保する。
我々は蟲共を薙ぎ払い大世界樹へと地上の道を開ける。鋼鉄の獅子、全軍前へ!」
【シャンバラ教導団大尉】ルカルカ・ルー(るかるか・るー)が、
部下を導く。
パートナーのダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)は、
ドッグズ・オブ・ウォーで兵団を率いている。
ルカルカは【鋼鉄の獅子】の突撃隊長、
ダリルは参謀として、先陣で指揮にあたる。
「ニルヴァーナを救う事は、
皆の愛する家族や仲間の生きる大地を守る事に繋がるのよ!」
部下を激励して、
神降ろしした体に宿る力を解放し、ルカルカは鬼神の如く戦う。
真空斬りにより、世界樹を傷つけないよう、
ルカルカの攻撃は、大蟲たちだけを切り裂いていった。
「接近させなければどうと言う事は無い。臆するな」
自らも、ブライトマシンガンを連射し、
部隊の士気高揚を行いながら、ダリルが弾幕を張らせる。
切り裂かれ、弾丸を浴びた大蟲の身体からは、
緑色の体液が流れ出て、不気味な様をあらわにしていた。
【シャンバラ教導団少尉】橘 カオル(たちばな・かおる)も、
部下や、
パートナーのマリーア・プフィルズィヒ(まりーあ・ぷふぃるずぃひ)とともに、
敵中を先導して道を切り開く。
「これ以上おいたするならそこの木に火ぃつけて
その脚あぶって食べちゃうわよー!」
じゅるり、とよだれをたらして、
マリーアが適者生存で大蟲を威圧する。
「マリーア、いつものことながら、
よくあんなグロいもの食う気になれるよな……」
カオルが、軽口を叩きながら、
獅子咬で敵の攻撃を受け流す。
「うふふふふ、こんなにたくさん大蟲がいるんだから、
いくらでも食べ放題!
がんばるわよー!」
マリーアは、どんなゲテモノでもおいしく食べられる無限胃袋の持ち主なのだ。
野生児モードに火がついてしまったのか、
ダブルインペイルで蟲を攻撃しつつ、
マリーアはちょっと別のベクトルで荒ぶっている。
「よし、あっちもやってるな。
俺たちも負けていられないぜ!」
【シャンバラ教導団中尉】の朝霧 垂(あさぎり・しづり)が、
部下の武装メイド部隊を激励する。
【鋼鉄の獅子】の陣形の右側を担い、
大蟲を引きつけて、ルカルカ達のところに誘導するのが、
垂の役目だった。
「俺達の目的は蟲の注意を世界樹からこちらに引き付ける事だ。
向かって来た蟲を迎撃しようとするな、本隊へ誘導すれば良い!!」
パートナーのライゼ・エンブ(らいぜ・えんぶ)も、
ディフェンスシフトや幻獣の加護など、支援スキルで部隊の能力の底上げを行い、
遠距離攻撃で、遠くの蟲の注意を引きつける。
「我は射す光の閃刃!」
ライゼの攻撃で、蟲の群れが注意を引かれ、こちらにやってくる。
「よし、いいぞ。このままこちらに引きつけて誘導するんだ!」
垂が、部下に指示を飛ばす。
「それと忘れるな。
戦闘が終わった後、
俺たちはこの世界樹森の手入れをする為に戻ってくると言う事を!!」
そうしていると、
四本腕の大蟲が、カオルに迫る。
大蟲の変異体のようだった。
「ック! こんなところで死んでらんねーんだよ!」
四本の腕の攻撃を受け流して、カオルが地に転がる。
「くらえ!」
【シャンバラ教導団少尉】ウォーレン・アルベルタ(うぉーれん・あるべるた)の放った
ダブルインペイルにより、四本腕の大蟲の動きが止まる。
「世界樹の気持ち知っとけ!」
毒虫の群れが、四本腕の大蟲の顔に殺到する。
「キシャアアアアアア!」
奇怪な声をあげて、四本腕の大蟲が絶叫する。
「助かったぜ!」
「気にするな!」
カオルにヒールを飛ばすと、
ウォーレンが部下に叫ぶ。
「ひたすら仲間を護れ! 掩護しろ! 俺がお前らごと掩護する!」
「気持ち悪いんだよ、蟲どもが!」
キレたジュノ・シェンノート(じゅの・しぇんのーと)が、
ファイヤーストームと凍てつく炎で、蟲の群れを焼き払う。
もちろん、世界樹が炎に巻き込まれないように配慮することを忘れない。
火におびえたのか、世界樹が、
枝をウォーレンや部下たちへと伸ばしてくる。
「敵じゃない、って……目ぇ覚ませ!」
世界樹たちに清浄化を使い、
さらに、世界樹と味方全体にリカバリやヒールを飛ばす。
「踏ん張って下さい、絶対に!」
ナナ・マキャフリー(なな・まきゃふりー)は、世界樹に、ナーシングをかける。
「世界樹様方、どうぞ落ち着いてください。
ナナたちは味方です。
どうか、どうか、話を聞いてください!」
世界樹を治療しているナナが、大蟲に襲われないよう、
パートナーの音羽 逢(おとわ・あい)が、
則天去私や歴戦の武術で撃破していく。
「拙者は、ミス・ブシドー……またの名を、マスク・ザ・ブシドー!」
仮面をつけた逢が名乗りを上げる。
大蟲たちは、一様に格闘の技に長けていた。
「相手にとって不足はござらん!
てりゃあああああああああああああ!!」
【宮廷楽団員】でもある
城 紅月(じょう・こうげつ)は、歌で世界樹をなぐさめようと試みる。
「ただ癒したくて、愛したくて俺はこの世界にいる。世界を美しいものにしたいだけ。
ずっと愛するから、悲しまないで」
子どもを人質にとられている大世界樹のことも心底心配している紅月は、
せめて、この近くにいる世界樹たちに幸せの歌を届ける。
レオン・ラーセレナ(れおん・らーせれな)も、
清浄化や命のうねりで、世界樹たちを癒していく。
援護として、ルカルカたち前衛部隊には、パワーブレスを送る。
「悲しまないで世界樹……俺たちは味方だから」
涙を流しながら歌い続ける紅月に、
レオンがそっと近づき、ささやきかける。
「夜のご褒美は私が甘くしてあげますから悲しまないで」
紅月は拳骨でレオンを殴った。
「痛い! 痛いです、紅月! グーで殴るなんて!」
「やかましいわ!」
そんな一幕もあったものの、
ナナや紅月たちの努力によって、
周囲の世界樹たちは少しではあるが落ち着いてきているようであった。
他方、舞台の殿を務める
【シャンバラ教導団大尉】ルース・マキャフリー(るーす・まきゃふりー)は、
部下の士気を行いつつ、
パートナーのソフィア・クロケット(そふぃあ・くろけっと)とともに、
空飛ぶ箒で戦場の様子を見渡していた。
「そこ!」
レーヴェンアウゲン・イェーガーで、
着実に射撃を行い、部隊の援護を行う。
「こんな森では煙草も吸えないか……まぁ、俺はあくまでフォローですね」
愛煙家のルースは、そうぼやいた。
ソフィアは、ルースの護衛を行いながら、ともに移動する。
(私、1人だけ経験不足だから……足引っ張らなきゃいいけど)
そう心配してはいたが、
ふと、前方の大蟲の群れに気づいて叫ぶ。
「危ない!」
世界樹の治療をするナナの周りに、大蟲が迫ろうとしていたのだ。
「させません!」
ルースが、レーヴェンアウゲン・イェーガーで、
大蟲を撃ち抜いていく。
空飛ぶ箒を操縦しながらの連射は容易ではないが、
愛する妻への想いが、ルースを駆り立てた。
「ありがとうございます!」
窮地を救われたナナが夫に礼を言う。
「後方支援は任せてください!
ナナはナナの役目に専念してください!」
「はい!」
ナナはルースに笑顔でうなずいた。
「これが獅子の牙の力よ!」
羅刹解刀で、右手の龍神刀により、
ルカルカが視野全体の大蟲を一気に葬り去る。
その後は、もう片方の手の刀を両手に持ち、大蟲を屠る。
【鋼鉄の獅子】は、
その名の通り、獅子奮迅の活躍で、切り込んでいく。
First Previous |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
15 |
16 |
17 |
Next Last