校長室
開催、空京万博!
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開催、空京万博! 10年前。 ティル・ナ・ノーグ、クン・チャン地方。 「〜くん」「〜ちゃん」の付いたゆる族の住まう平和な土地は 恐怖に覆われていた。 「兎子ちゃん! 早く逃げるんだ」 迫りくる恐竜騎士。 皆と一緒に逃げていたはずの“かつおぶし君”は足を止め、恐竜騎士を見据えた。 「ダメよ、恐竜騎士になんか勝てない! ……それに、私の狙ってあいつら来てるのに!」 「キミは仲間だ! 絶対に守るよ! それに僕は“世界で最も硬い食品”カツオ節のゆる族! 恐竜だって食べられないさ!」 「……分かったわ」 かつおぶし君の言葉はウソだ。 カツオ節は硬いけど、かつおぶし君の体は着ぐるみなのだから。 でも、かつおぶし君の覚悟は本物だった。 私は逃げ出した。着ぐるみの中で涙を流しながら。 しばらくすると、遠くからかつおぶし君の悲鳴が聞こえた。 ■□■ クン・チャンを脱する頃には仲間は半減していた。 不安がる私に、村一番の知恵者“せんべいお婆ちゃん”は言った。 「このままシャンバラに行き、そこから地球の日本へ行きな。 日本なら働き口はたくさんあるし、帝国も追っては来れないからね。 著作権にはうるさいが、いい土地だよ」 お婆ちゃんは、私の「×」だった口を直してれる。 そして新しい名前で生きるよう念を押した後に、 「いつか、故郷に戻れるといいねぇ」 と抱きしめてくれた。 それがお婆ちゃんとの最後のやりとり。 直後に恐竜の群れが私達に襲いかかったのだ。 ■□■ あれから10年。 私は準備を整えた。 いつも人の犠牲によって生きてきた私だから。 だからこそ。 私は月を見上げた後、パビリオンに足を踏み入れた。 ■目次■ 2ページ 伝統パビリオン1 3ページ 伝統パビリオン2 4ページ 伝統パビリオン3 5ページ 伝統パビリオン4 6ページ パラミタパビリオン1 7ページ パラミタパビリオン2 8ページ 未来パビリオン1 9ページ 未来パビリオン2 10ページ 未来パビリオン3 11ページ 未来パビリオン4 12ページ 現在パビリオン1 13ページ 現在パビリオン2 14ページ 現在パビリオン3 15ページ 現在パビリオン4 16ページ 扶桑の生命土の防衛 17ページ ニルヴァーナの石の防衛 18ページ 仙桃七顆の防衛 19ページ ルシファーの角の防衛 20ページ シボラの生きた服の防衛 21ページ 追跡! 22ページ 夜の空京万博 23ページ ゆる族怪人との戦闘1 24ページ ゆる族怪人との戦闘2 25ページ エリュシオン史の防衛 26ページ ティアマトの剥製との戦闘1 27ページ ティアマトの剥製との戦闘2 28ページ 最上階を目指せ 29ページ たいむちゃんの秘密 30ページ たいむちゃんタワー 31ページ エピローグ・マスターコメント・結果まとめ