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リアクション
光の少女との邂逅 2
「てめぇか、色々知ってやがるのは」
竜造は他の者には目もくれずカケラへとずかずか歩いていく。
手に持つ神葬・バルバトスを持ち上げ、カケラに構えながら向ってくる。
「ちょっとあなた怖いですよ!」
ヴァーナーがそう注意するが竜造はお構いなしで進んでくる。
おまけにその傍らにはアルティメットクイーンの姿。とてもではないが信じされる光景ではない。
と。
「……ああごめんごめん忘れてたよ。こんな形だけど、中身はおじさんだから。気にしないで」
アルティメットクイーンが気さくに話しかけてくる。これは松岡 徹雄(まつおか・てつお)の変装によるものだった。
「一応クイーンになりきって道中出会った教徒たちには入り口待機でって言っといたよ。いずれはバレるだろうけど、時間稼ぎ程度にはなるでしょ」
「んなことはどうでもいい。来たら来たで即殺すりゃいいんだよ。んで、小娘。お前は何者で、創造主ってのは誰なんだよ? 知ってること吐きやがれ」
竜造の気迫、というか殺意に圧倒されカケラは上手く喋ることができない。
「まあまあ落ち着こうぜって。ここは一旦イマと会ってこの子について詳しくだなぁ」
桜田門 凱(さくらだもん・がい)が横から入ってきて光の少女の手を取ろうとする。
ちなみにパートナーのヤード・スコットランド(やーど・すこっとらんど)は凱から距離を取っていた。
「待て。あんた探索参加者リストに名前がないな」
「……申請し忘れてただけだぜ」
「嘘をつけ。大方イマにカケラさんを引き渡すのが目的だろう、残念ながらそうはいかない」
まとめられた探索参加者リストに凱の名前がないことを酒杜 陽一(さかもり・よういち)が指摘し、凱の行動に釘を刺す。
「まったく、油断も隙もないわね」
陽一の後ろから酒杜 美由子(さかもり・みゆこ)がひょっこり顔を出す。
これで凱の目論みは全ての契約者にバレてしまい、とてもではないがカケラを掻っ攫うことはできなくなる。
「……まあいいか。へいへい、何にもしませんよーっと」
「助かる。何かしでかすのだったら、三上山の大百足の怒りを買っていたかも知れないからな」
「なんだそれ怖いぜ」
陽一が美由子から受け取っていた鞭剣状の三上山の大百足をちらつかせると、凱は大げさにおどけたような動作をとった。
「そう言えば、怪我はない? 道中トラップもあったみたいだけど、平気?」
美由子がカケラにそう尋ねる。見たところ目立った外傷はないが、もしかしたらがあるかもしれない。
『ええ……』
カケラは問題ないと旨を返す。
あくまで、元気がないのは追われ続けた精神的疲労や、走り続けた体力の消耗からくるものであるらしい。
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