空京

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終焉の絆

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終焉の絆
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選挙活動の準備

【ミルザム後援会】のメンバーとして、
弁天屋 菊(べんてんや・きく)
ガガ・ギギ(がが・ぎぎ)は、裏方仕事を行う。

早朝から、選挙演説の場所を確保するなどして、
他の候補者に抑えられないようにするなどの仕事である。

また、選挙カーの移動ルートに、
違法駐車や交通渋滞が発生しないように注意して、
スムーズに移動できるように、迂回ルートなども確保していた。

パラ実生として、仁義を通すべく、
地元のヤクザにも接触し、
暴力団関係者の妨害を受けないようにも配慮する。
「表だって動くにはマスコミとかいろいろまずいだろ。
それに……」
ガガは、暴力団が関与していることが公になれば、
対立候補にも、マイナスになるということを示唆した。
何かあった時のために、相手の尻尾をつかめるように、
情報を集めるのも狙いであった。

やはり、
【ミルザム後援会】のメンバーである、
狩生 乱世(かりゅう・らんぜ)は、
侠客として、裏社会の人間と接触する。
元々、歌舞伎町出身の不良少女である乱世にとって、
東京は地元である。

「ミルザムにも対立候補にも手出しはさせねえ。
あくまでカタギの選挙はクリーンにだ。
そうだろ?」
対立候補をわざと襲撃して、その罪をミルザム側になすりつける、など、
その程度のことは、グランツ教や光条世界側の者であれば、やるかもしれない。
そう考え、極道の者たちに牽制をしていく。

一方、乱世のパートナーのグレアム・ギャラガー(ぐれあむ・ぎゃらがー)は、
資料検索や情報通信の特技を駆使して、
主にネット上で地球上における
グランツ教団及びその外殻組織の動きを追跡調査していた。
教団の資金援助や裏取引の疑いがある対立候補がいれば
マスコミにリークするつもりである。

また、ミルザムに対するネガティブキャンペーンの兆候があれば、
事実関係に基づいた反証を挙げ、着実に潰していく。

「嬢ちゃんの言うことももっともだ。
ここは、俺たちは手は出さねえ。
それに、カタギのやつらがケンカのしかたもわからずに暴れて、
怪我しないようにしねえとな」
乱世の言葉に、極道関係者がうなずいた。
現在活動しているのは、
ほとんどが、石原肥満(いしはら こえみつ)の息がかかった者であり、
契約者には協力的であった。
肥満は生前、契約者の侠客の中で、見どころのある者を集めて、
日本中のヤクザ事務所に派遣して、
自分に逆らう者は軒並み潰しているのである。

「ありがとな、おっちゃん」
強面の、おそらくは死線を幾度も潜り抜けたであろう、極道に、
乱世が笑みを浮かべる。

しかし、その中でも、血気にはやる者も、やはりいる。
「ああん!?
契約者だか知らねえが、
てめえらなんざよそ者が、口出ししてきてんじゃねえよ!」
「肥満の旦那の顔に泥塗るような真似すんじゃねえよゴルァ!」
しかし、乱世の気迫に怯み、
極道たちは、説得を受けいれ、
対立候補に暴力を振るわないことを約束したのであった。

こうして、ミルザムの選挙活動の場は整えられていった。