校長室
終焉の絆
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鳥人型ギフトの野望 ミルザムの選挙事務所にて。 ソーシャルゲーム「横山ミツエパズル大戦」の広告にするため、 ミルザムの選挙を利用しようとしている、鳥人型ギフトだったが。 「ボクもゲーム作った事あるけど、トリさんはなんでそんなにゲームにこだわるの? 今時、ソーシャルゲームとかそんなに儲からないんじゃないかなぁ?」 ミルト・グリューブルム(みると・ぐりゅーぶるむ)は、 鳥人型ギフトに、何か裏の目的がないか探るため、話を聞いていた。 パートナーのペルラ・クローネ(ぺるら・くろーね)は、 お茶を淹れたり、電話対応など、大人がやった方がいいことを引き受けている。 「すでに、開発に大量の予算を使ってしまっている……。 このまま、「横山ミツエパズル大戦」が売れないと、 我が社は終焉を迎えるのである!」 (何も考えてないっぽいね……) 鳥人型ギフトの発言に、ミルトは、単なるいつもの奇行だと判断した。 そうしていると、電話がかかってきて、ペルラが応対する。 「はい、もしもし、ミルザム・ツァンダ選挙事務所です。 ……え? 鳥人型ギフトさんに大量の借金が……? ……こちらの選挙事務所とは関係ありませんので」 借金の督促の電話を切り、 ペルラがジト目で鳥人型ギフトを見る。 皆の冷たい視線が集まる中、 鳥人型ギフトは、わざとらしく口笛を吹いている。 そんな中。 山野 にゃん子(やまの・にゃんこ)は、 鳥人型ギフトを説得しようとしていた。 「今すぐ逃げないとダメよ! 旭くんはあなたが選挙妨害をしていると考えているから、 自主的に撤収しなければ刺し違えてでも殺しにかかるかもよ」 パートナーの青葉 旭(あおば・あきら)が、 鳥人型ギフトをスパイだと考えて、抹殺しようとしているのを、 にゃん子は伝えていたのである。 「何を言っているのだ? 我輩は選挙を利用させていただくまでのこと! 妨害などしても1ゴルダも儲からないのであーる」 「あ、本気にしてない? その気持ちはわかるけど、 彼ね自分の正義と法律を天秤に掛けたりしないのよ。 選挙期間中に手を出すのはまずいくらいは考えるだろうけど、 今晩にでもあなたと一緒に行方をくらますわね。 そしてどこかに潜んで、選挙が終わったのを確認したらお終いね」 「そのような言葉にひるむ我輩と思うか? ここで「横山ミツエパズル大戦」を売ることに失敗すれば、 大量の借金が! それこそ、我輩の身が危険なのであーる!」 「まさか、それもあって、 選挙事務所に乗り込んできているんじゃ……」 ミルトの言うとおりなのであった。 こうして、頑として動かない鳥人型ギフトだが。 高柳 陣(たかやなぎ・じん)が現れる。 「選挙を広告に使うなんざ、選挙法違反になったらどうするつもりなんだ? というわけで、退場願う」 鬼眼で睨みつけて鳥人型ギフトを怯ませた隙に、 陣は、鳥人型ギフトを簀巻きにしてしまう。 「放せ、放すのであーる!」 「黙れ。言っておくが、事務所内の不法占拠として教導団に突き出してもいいんだぜ」 「ぐっ……! 我輩の活動は合法的な……」 「勝手に巣作りしてただろうが。 安心しろ、お前が作った巣の中に放り込んでおいてやるから。 逃げ出そうとしたら……朱の飛沫で燃やしながら東京湾に捨ててやるからな」 黒い笑みを浮かべて言う陣に、 鳥人型ギフトは大人しくなる。 「ユピリア、面倒見てやれよ」 陣のパートナーのユピリア・クォーレ(ゆぴりあ・くぉーれ)は、 鳥人型ギフトに言う。 「ゲーム……実際にプレイしたけど、面白くないのよね。 それに選挙演説を使って広告なんて炎上狙い?」 「な、何を言うか! 有名なゲームをパク……参考にして作ったのに、面白くないはずなかろう! それに、これだけ大勢の注目の集まっている選挙を利用しない手はないのであーる!」 「パクリって認めてるし……」 ユピリアはあきれつつも、鳥人型ギフトを甘い言葉で誘い、 選挙から遠ざけようとする。 「選挙を匂わせる旬なレアカード入手の高難易度な限定イベントを開催して、 廃課金者の誘い込みとネットでステマをすればいと思うの。 私も協力するから」 「では、選挙を利用してさらに課金を加速させれば……!」 「いや、そうじゃなくてね」 鳥人型ギフトは全くめげていない。 「鳥人型ギフト! 貴様、光条世界の尖兵だろう! ミルザム様の選挙活動を妨害し、ネガティブキャンペーンをするために、 ソーシャルゲームの広告など! 決して許さん! 抹殺してくれる!」 「ちょ、やめ、放せ、 うわああああああああああああああああああああ!?」 そこに、青葉 旭(あおば・あきら)が現れ、 簀巻きにされている鳥人型ギフトをさらって行ってしまう。 「だから言ったのににゃあ」 にゃん子が、ため息をついた。 その後、選挙が終わるまで、 鳥人型ギフトの行方はわからなかった。 また、選挙終了後も、行方不明のままである。