空京

校長室

【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆

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【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆
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リアクション


大切な人、大切な場所 3

タシガンの儀式場。

ハルディア・弥津波(はるでぃあ・やつなみ)は、
祈りを捧げるため集まった人々を励まして回る。
「祈りの力はきっと届くよ。
だから、安心して」

デイビッド・カンター(でいびっど・かんたー)は、
そんなパートナーを守るべく、騎士然として、周囲を警戒する。

そんな中、デイビッドの目に、
レモ・タシガン(れも・たしがん)の姿が入る。
ハルディアは、
レモに近づいて、声をかける。

「レモ君は大丈夫?
もし不安なら、それを誰かに伝えることで、少しでも緩和されるよ」
「どうもありがとう。
正直、不安がないと言えば嘘になるけれど……。
こうして、皆と一緒にいられると、
それだけで、ざわついた気持ちが消えていくよ」
レモは微笑を浮かべた。

「そうか。
レモ君が落ち着いているなら、安心できるね」
ハルディアは、
カールハインツ・ベッケンバウワー(かーるはいんつ・べっけんばうわー)の方も見て笑みを浮かべる。

「君もしっかりしなよ。
レモを守ることができるように」
カールハインツは、ハルディアにうなずいた。
「ああ、もちろんだ。言われるまでもないぜ」
カールハインツの言葉は力強く、信頼できるものだった。
「うん、期待してるよ」
ハルディアは、カールハインツの背中を優しくたたいた。



「オレ、ずっと、レモに言えてなかったことがある。
でも、この際だから、言わせてくれ」
「どうしたの?」
一方、デイビッドの言葉に、レモが首をかしげる。

「オレお前の事、好きだったみたいだ」
レモの目が大きく見開かれる。

デイビッドは、レモのカールハインツへの気持ちを知りつつ、
それでも、伝えたいと思ったのだった。
これは、デイビッドの気持ちの整理のためであった。

「だから……幸せになれよ」
強がって笑うデイビッドに、レモはうなずく。
「うん……」
レモは、はにかみと、とまどいの混じった表情で、デイビッドに告げた。

「僕を想ってくれて、ありがとう。
デイビッドにも、幸せになってほしい」
レモに言われ、デイビッドはうなずいた、
「ああ、オレは幸せだと思う。
こうして、レモやハル達といられることが」
「それは僕も同じだよ。
だから、僕はもう、充分に幸せだと思うな」
「そうか。何よりだ」
デイビッドとレモは笑いあった。

デイビッドは、こうして、気持ちを整理することで、
未来へ進む決意を新たにする。
(レモに気持ちを伝えられて……。
こうして納得できたからには、絶対に世界には存続してもらわないとな)

デイビッドは祈りによって、自らの想いを昇華させる。
たとえ、レモの隣にいるのが自分ではなくても。
それはかまわないのだと……。
失恋の苦みは、祈りを捧げるうち、
少しずつ……ほんの少しずつだったが、ゆっくりとやわらいでいったように思えた。