空京

校長室

【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆

リアクション公開中!

【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆
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リアクション


巨大人型 2

「ミュート! フリューネ! 全開で突っ込むわよ!」
 第一声、高らかにそう叫ぶのはリネン・ロスヴァイセ(りねん・ろすヴぁいせ)
 その言葉にミュート・エルゥ(みゅーと・えるぅ)がうふふと笑った。
「空の守護者であるこのガーディアンヴァルキリーが先鋒とは、素敵ですねぇ」
「フリューネも、ルミナスヴァルキリーも前で戦うんだから、仕方ないわ」
 リネンの言う通り、フリューネ・ロスヴァイセ(ふりゅーね・ろすう゛ぁいせ)はルミナスヴァルキリーを引き連れて、最前線も最前線で戦っていた。
 その純白の翼を大きく広げて、小型の敵を撃ち滅ぼしていく。
 一方のルミナスヴァルキリーも攻撃をして、敵を蹴散らしていた。
「さて、この最高の疼きを満たしてくれる窮地……
 常人には少々きついでしょうから、終わらせてあげませんとねぇ」
「なら、思い切りやっちゃって」
「フリューネさんはいいのですかぁ〜?」
「問題ないわ」
「それでは遠慮なくぅ〜。艦載機部隊、派手に降らしちゃってくださぁい!」
 ミュートがそう指示を出すと、艦載機部隊が一斉に発進、
 巨大人型の上空から急降下爆撃を仕掛け、敵を殲滅していく。
 その最中にいるフリューネ。だが彼女はその攻撃を全て避ける。
 まるでこの攻撃を予知していたように。
「……と、随分派手にやるわね。私もいたのだけど?」
「全部避けると思っていたから、特に言わなかったわ」
 リネンが言い切ると、フリューネもそれ以上は何も言わなかった。
 言わずして通じ合っている、というところだろう。
「さてさて、ぶっぱしてやりましたしぃ。
 少し後ろに下がりましょうか。イコン部隊の皆さん、よろしくお願いしますねぇ。
 ああ、ご主人様ぁ。せっかく巨人さんの近くにいるのですから、何か一言〜」
 そう言われたリネンは少し考え、きっぱりと言った。
「大切なのは過去ではなく……“今”と、“その先”……。
 それに“出会いで人は変わっていけるわ。『愛』の力ってすごいのよ”」
「はぁいご馳走様ですぅ」
 ミュートが満足そうにして後退を開始。
「リネン、言うようになったわね?」
「愛の力はすごいって言ったでしょう? もう恥ずかしいから言わないけど、ね」
 確かに、リネンの頬は薄く高揚していた。
「“じゃ、続きは新しい世界でやりましょう”」
「……ええ」

『それではイコン部隊の皆様ぁ〜よろしくお願いしますぅ』
 ミュートの声を最後に、ガーディアンヴァルキリーに乗っていたイコンたちが次々と出撃する。
「私はガーディアンヴァルキリーの護衛をしつつ、皆様を援護します」
 太陽を思わせる色を持つロード・アナイアレイター。そのパイロットである香 ローザ(じえん・ろーざ)は他の仲間にそう告げる。
「わかったわ」
「了解だよ!」
 赤と黒の装甲を持つロッツ・ランデスバラット天貴 彩羽(あまむち・あやは)と、
 青と白の装甲を持つアンシャール遠野 歌菜(とおの・かな)月崎 羽純(つきざき・はすみ)がローザの言葉に応じた。
「それじゃ、巨大人型に一発かましてあげましょうか」
 一番に発進したのは彩羽だった。サブパイロットはスベシア・エリシクス(すべしあ・えりしくす)、できる限りの支援を行っている。
 それに続くようにして歌菜が空を行く。
「サポートは任せろ。彩羽と協力して、全力で戦うんだ!」
「うんっ! 新たな世界のために、羽純くんと生きる明日のために!」
 二機は他の敵には目もくれず、巨大人型へと向かっていく。
 それも当然、横から来る敵はローザとベータリア・フォルクング(べーたりあ・ふぉるくんぐ)が撃ち落していたからだ。
「仲間には指一本触れさせません!」
「ローザと私は2人で1つ! 多くの祈りを守ることだってできるはずです!
 行きましょう! 私とあなたの、願いのために!」
 意志は固く、ツインレーザーライフルは敵を逃さない。
 その後方支援を全文に受け、彩羽と歌菜はあっという間に巨大人型へと接敵。
「ここで、止まって!」
 暁と宵の双槍、非常に強力な魔力を帯びた槍が巨大人型の頭部へと突き刺さる。
「回れ右して消えなさい!」
 彩羽は一旦距離をおき、黒きチャクラムを連続して投擲しダメージを与えようとする。
 しかし、相手が大きすぎるゆえか、はたまた何のアクションもないゆえか、
 ダメージが行っているのかすら判断がつかなかった。


 ――――――――――――――――――――ッ!


 と、突如として表現もしがたい、強力な音波がイーダフェルト周辺に響き渡る。
 その強力すぎる音波は全イコン、怪物、敵味方の区別なく震わせ、狂わせていく。
「きゃあああああ!」
「こ、れはっ……!」
 それを間近で受けた彩羽と歌菜は操縦することもままならない。
 二機が落ちていく。
「彩羽さん! 歌菜さん!」
 ローザが最大速度で二人の救出に向かうが、たとえ追いついても一機しか助けられない。
 それでもローザは止まることはしなかった。
「誰でもいい、お二方を助けてっ!」
「……フフフ、その願い、聞き届けてやろう!」

ゴゴゴッ