空京

校長室

【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆

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【蒼空のフロンティア最終回】創空の絆
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巨大人型 5

「大詰めだな」
「はい。……新星部隊、及び他部隊の前線があったからこそです」
 LSSAHクレーメック・ジーベック(くれーめっく・じーべっく)島津 ヴァルナ(しまづ・う゛ぁるな)
「鋼鉄の獅子の牙も、欠けてないよね?」
「無論、この程度で折れる牙はない」
 ラグナロクルカルカ・ルー(るかるか・るー)ダリル・ガイザック(だりる・がいざっく)
 ここまで大局を見てきた四人は、終焉を感じていた。
「クレーメック少佐。護衛、感謝いたします」
「指揮をする身で少し手持ち無沙汰だったのです。
 獅子の牙は、何物にも勝る攻撃手段。失うわけにはいきませんよ、ルカルカ少佐」
 二人の少佐は互いに敬語。だが、急に二人で笑い出した。
「やめようか。普段通りにいこう」
「そうだね! いつも通りで十分っ」
 いつもの調子に戻った二人は、自分たちの部隊へと声をかける。
「新星部隊の諸君。我々はいつもそうしてきた様に、落ち着いて戦った」
「鋼鉄の獅子部隊の皆! 私たちはいつもの様に大胆に戦った」

「「だからこそ、勝機は舞い降りた」」

 その宣言を聞いた怪物たちは、ラグナロクを落とすために多数押し寄せる。
 しかしその攻撃は何一つ届くことはない。
 ラグナロク甲板に展開されたイコン部隊、そしてクレーメックにより、一撃すらいれられない。
 だが、諦めもせず更なる数でもって襲い掛かる。
 それでもなお、クレーメックのLSSAHがそれを食い止め、弾き返す。
「“わたしたちは未来を、この先にあるものを信じます。
 あなたにも未来を信じてほしい……信じる事を諦めないでほしい、と願います!”」
「ヴァルナに同じくだ。ルカ少佐、ダリルさん、それをあの大きく育ちすぎた子供に教えてやって欲しい!」
「無論だ。しつけのなってない子供には仕置きが必要だからな」
「うっわー酷い言い様。でも正論! やんちゃが過ぎたら誰かが叱らないとね!
 でも私たちの『お尻ぺんぺん』は大分痛いよ?」
 ダリルがヴィサルガ・プラナヴァハを発動させたラグナロク、
 その艦首にある巨砲にエネルギーが充填されていく。
「原子結合力破壊で周辺に波及破壊効果を持つよう設計したのも全てはこの日のため。
“あまねく生命は生存を希求する権利を持つのだ”」
 ダリルの言葉、それに続いてルカルカが叫ぶ。
「誰一人欠けることなく、次の世界へ行く!
 その扉を開ける一撃をお見舞いしてあげる!
 この、ラグナロク砲で! 狂気ごと打ち砕く!」
「……チャージは完了した。思いっきり、全員分叫んでやれ!」
「“未来も愛も勝ち取るものよ! 私たちは滅びたりしない!”
 いっけええええぇぇぇぇぇぇぇええ!!」

 ラグナロク砲が放たれる。
 全てを清算する、
 比類することも馬鹿げているエネルギーが、
 空を走り、巨大人型へと向かう。
 そして、着弾する。


 ――――――――!
 ―――――――――――――――!!
 ――――――――――――――――――――――!!!
 ―――――――――――――――――――――――――――――ッッ!!!!


 集約されたエネルギーの拡散と、それまで以上の音波が周辺に荒れ狂う。
「……ひ、るむな……いまこ、そ……そう……こうげ、き」
 全イコンにノイズ交じりの羅 英照からの指示が入る。
 契約者たちはエネルギーと音波の奔流に逆らい、がむしゃらに狙いを付け、一斉に攻撃する。



 ―――――――――――――――――――――――――――――ッッ!!!!
 ――――――――――――――――――――――!!!
 ―――――――――――――――!!
 ――――――――!
 ――……


 そんな音と共に、巨大人型の姿が中央から霧散していく。
 音波は、止んでいた。