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リアクション
浪の下の宝剣
どうして、泣いてくれなかったのだろう。
離れ行くあの子の顔には、恐怖も恨みもなくただ毅然としていた。
本当にあの子は、波の下にも都があると信じていたのだろうか。
信じていたはずがない。
あの子は、とても賢くて優しい子だったから、そんなものが無いとちゃんとわかっていて、それでも泣きもせずに私に従ったのだ。
ああ、なんていうことだろう。
恨んで欲しかった、憎んで欲しかった、私を罵って欲しかった。
強くなんてあって欲しくはなかった、賢くなんてあって欲しくなかった。
ただの人の子であって欲しかった。
そして―――私は呪った。
運命を、不幸を、そして自分自身を―――恨んで、憎んで、罵った。
輪廻の輪から外れ、人の理を外れ、ただ己を呪うためだけに、ありつづけた。
まるでそれが義務であるかのように、終わりなど望むこともなく、ただそうし続けた。
そうあった事に、後悔は無い。
自分を呪い、朽ち果てることのない妄執が、今を与えてくれたのだ。
私の罪を清算することのできる今を、罪の無いあの子を救う一時の時間を。
もう私は、あの子を抱きしめることはない。
今度こそ、あの暗く冷たい海の中に沈もう。
穢れは全て私の中に、それら全てを抱えて一人で沈もう。
だから―――ただ一人の友よ。
すまない。
そして、ありがとう。
■目次■
1ページ プロローグ
2ページ 新入生歓迎会:prologue
3ページ 歓迎会場立食パーティ:page01
4ページ 歓迎会場立食パーティ:page02
5ページ 歓迎会場立食パーティ:page03
6ページ 歓迎会場立食パーティ:page04
7ページ 歓迎会場立食パーティ:page05
8ページ 歓迎会場立食パーティ:page06
9ページ 歓迎会場立食パーティ:page07
10ページ 歓迎会場立食パーティ:page08
11ページ 歓迎会場立食パーティ:page09
12ページ カラオケ会場:page01
13ページ カラオケ会場:page02
14ページ カラオケ会場:page03
15ページ ボウリング会場の喧騒:page01
16ページ ボウリング会場の喧騒:page02
17ページ ゲームセンターにて
18ページ 新入生歓迎会:epilogue
19ページ 海京神社の地下を探索する:page01
20ページ 海京神社の地下を探索する:page02
21ページ 海京神社の地下を探索する:page03
22ページ 海京神社の地下を探索する:page04
23ページ 海京神社の地下を探索する:page05
24ページ 海京神社の地下を探索する:page06
25ページ 海京神社の地下を探索する:page07
26ページ 海京神社の地下を探索する:page08
27ページ 海京神社の地下を探索する:page09
28ページ 海京神社の地下を探索する:page10
29ページ 海京神社の地下を探索する:page11
30ページ 海京神社の地下を探索する:page12
31ページ 海京神社の地下を探索する:page13
32ページ 海京神社の地下を探索する:page14
33ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:prologue
34ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page01
35ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page02
36ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page03
37ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page04
38ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page05
39ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page06
40ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page07
41ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page08
42ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page09
43ページ 海京に迫るイコン部隊を迎撃する:page10
44ページ 海鎮の儀:prologue
45ページ 海鎮の儀:page01
46ページ 海鎮の儀:page02
47ページ 海鎮の儀:page03
48ページ 海鎮の儀:page04
49ページ 海鎮の儀:page05
50ページ 海鎮の儀:page06
51ページ 海鎮の儀:page07
52ページ エピローグ
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