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リアクション
カラオケ会場その:page01
立食パーティ会場の一角で、歌うのが好き、あるいはカラオケのほうが親睦を深めやすいかもと、大ホールから隣のカラオケコーナーに異動するものもいた。ここは1ブースに10人程度入れるようになっている部屋がいくつもある。
神崎 翔太(かんざき・しょうた)はあたりの生徒たちに声をかけてみた。
「俺は神崎 翔太。よかったら俺らとカラオケに行かないか?」
藤川 隼(ふじかわ・はやぶさ)とそのパートナーシェルフ・ロマネスク(しぇるふ・ろまねすく)がすぐに応じた。
「俺の名前は藤川隼。気軽に隼って呼んでくれ」
「初めまして、シェルフ・ロマネスクと申します。
種族は強化人間です。
あまりわいわい騒ぐ方ではないのですが、せっかくの機会ですし、ご一緒させてください」
夢幻 刹那(むげん・せつな)と水月 闇那(みずき・あんな)も誘いに応じた。
「俺は夢幻 刹那、よろしくな。こっちは水月 闇那だ」
神埼のパートナーの春日井 薫(かすがい・かおる)も、別の生徒に誘いをかけてみた。
「僕らとカラオケに行きませんか? あ、春日井 薫といいます」
小鳥遊 咲(たかなし・さき)と藤和 或兎(とうわ・あると)、リゼネリ・べルザァート(りぜねり・べるざぁーと)とエリエス・アーマデリア(えりえす・あーまでりあ)が、すぐに誘いに応じた。
「小鳥遊 咲です! よろしくね。お誘いありがとう。こっちがパートナーの藤和 或兎よ」
「どうも、僕はリゼネリ・べルザァートと言います。こっちがエリエス・アーマデリア。
入ったばかりで右も左も分からないままに参加しました。よろしくお願いします」
10人はブースに入った。
「何か頼もうか? ちょっとしたもの?」
夢幻が言うと、隼が言った。
「あー俺、豆とか、キノコ類が全然食えないんだよな。そういうのが出たら誰か食ってくれ」
小鳥遊が応える。
「あー、誰か食べる人いるでしょ。だいじょぶだいじょぶ」
夢幻も言った。
「そうそう、それっぽいものは頼まなければいいし」
春日井は神崎の隣にぴたりとくっついて座っている。隼がギターを出していった。
「野球も歌うのもギターを弾くのも好きなんだ〜」
「あ、せっかくだし、何か一曲。俺と春日井で歌うぜ」
シェルフが釘を刺す。
「隼、調子に乗りすぎないでくださいね。
隼が皆様にご迷惑をかけていたら、教えてくださいね。キッチリお仕置きしておきますから」
隼の演奏にあわせ、神崎と春日井が見事なデュエットを披露する。
「すごい〜」
「上手いな〜!!」
歓声が上がる。二人が同時に言った。
「いやぁ、いつも春日井がうまく歌ってくれてるからなんだよな」
「いやぁ、神崎さんが上手に歌ってくれるからですよ」
「仲がいいんだねえ」
小鳥遊がいって冷やかすような目で二人を見る。リゼネリがうんうん、とうなずいて言う。
「こうして偶然出会ったのも奇縁。これからも仲良くしてもらえたら嬉しいな」
「そうだね、よろしくね」
「そうだな〜、よろしくな。じゃ次は〜……」
影月 銀(かげつき・しろがね)のパートナー、ミシェル・ジェレシード(みしぇる・じぇれしーど)は張り切っていた。ミシェルが言う。
「大人数だと交流しにくいし、カラオケで新入生の交流会がいいと思うんだ!
ここなら騒いでもOKだからね」
「うんうん、ミシェルは張り切っているね。手伝うよ」
二人はあたりで戸惑っている生徒たちに声をかけ、自己紹介ゲームを持ちかけた。
「輪になって座って、まず私の右隣の人からパートナーさんの分も自己紹介してね」
藤沢 なつめ(ふじさわ・なつめ)と七瀬 静流(ななせ・しずる)がピンクのポニーテールを弾ませて立ち上がり、全員に会釈した。
「あたしは蒼空の藤沢 なつめだよ。こっちはパートナーの七瀬 静流。よろしくね。
カラオケは成績は関係なしに、みんなで楽しもう!」
「そしたら次の人は、藤沢さんの隣の〜って頭につけて自己紹介してね」
ミシェルが言ってにっこりする。刹那・アシュノッド(せつな・あしゅのっど)とアレット・レオミュール(あれっと・れおみゅーる)が立ち上がった。
「藤沢さんの隣の、刹那・アシュノッドよ。学校は蒼空学園。マホロバ人と地球人のハーフです。
こっちはアレット・レオミュールよ。皆さんよろしくね」
「で、次の人は藤沢さんと刹那さんの、って形で、最初の人の名前から頭に全部つけていくこと〜」
銀が言った。盛園 林檎(もりその・りんご)が赤城 名月(あかぎ・めいげつ)をつついて言った。
「最後の人大変だね」
「おう。そうじゃな」
「……藤沢さんの隣の、刹那さんの隣の、盛園 林檎です。こっちは舎弟の赤城 名月。
よろしくねっ!」
「我は故あって流浪の身だったところ、姐さんに従うことを誓ったんじゃ。
よろしゅうな。あ、学校はイルミンスールじゃけえ」
「……すげー」
「その筋なんだ〜?」
「おお〜、かっこいい」
場がちょっとざわついたのは、致し方ないことだっただろう。ウィルネスト・アーカイヴス(うぃるねすと・あーかいう゛す)と、シルヴィット・ソレスター(しるう゛ぃっと・それすたー)が次に立ち上がった。
「藤沢さんの隣の、刹那さんの隣の、盛園さんの隣の、ウィルネスト・アーカイヴスだ。
こっちはシルヴィット・ソレスター。イルミンスール魔法学校だ。
……ちびとか、こまいとか、言うなよ」
「一巡したね。では改めて。俺は葦原明倫館の影月 銀。こっちはミシェル・ジェレシードだ」
「ミシェルです、皆さんよろしくね。これでみんな名前もわかったし、楽しく歌いましょ」
にぎやかなおしゃべりと歌が始まったのだった。
クロイス・シド(くろいす・しど)とケイ・フリグ(けい・ふりぐ)も、立食コーナーからカラオケブースのほうへ移動してきていた。
「ちょっと腹ごなしに一曲いいかもな。誰か誘ってみようか」
シドの言葉に、ケイが人懐っこくそばにいた黒乃 音子(くろの・ねこ)と長曽禰 サト(ながそね・さと)に声をかけた。
「ね、よかったら一緒にいかない? 私ケイって言うの。こっちはシドよ」
「いいねいいね。行こう。ボクは黒乃 音子」
黒猫を思わせるアーマーに身を包んだ音子と対照的な、大正袴に身を包んだサトが言う。
「オラは長曽根サト、シャンバラ教導団だよ。よろしくね」
ジュノ・シェンノート(じゅの・しぇんのーと)を連れた、どこか温厚な大型犬を思わせるイメージのウォーレン・アルベルタ(うぉーれん・あるべるた)が声をかける。
「俺もシャンバラ教導団だぜ、ウォーレンて言うんだ。こっちはジュノ。よろしくな」
「おお、「よろしくね〜」
「よろしく〜」
音子をみてケイが目を輝かせている。
「ねー、可愛いな〜……ぎゅーってしていい?」
「いいけど……? わ、加減してぇ!」
「あ、ご、ごめんなさいっ!」
「あ、スマン。
ほらほらケイは力ものすごいんだから、考えなきゃダメだっていつも言ってるだろう」
シドが謝りつつケイを諭す。しゅんとするケイにウォーレンがニコニコと笑う。
「まあまあ……何かの縁でパラミタで出会ったんだ。これからも仲良くしようぜ」
音子がうなずく。
「そうだねー」
立ち直ったケイがはしゃぎ声を上げた。
「じゃ一緒にカラオケ行こう!」
「おう」
「何歌おうか〜……」
近場の空きブースに、6人は向かったのであった。
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