空京

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創世の絆第二部 第二回

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創世の絆第二部 第二回

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■試合終わって

かくして、最終結果は

ドージェチーム7−山葉チーム8

となり、
山葉チームの勝利となる。


酒人立 真衣兎(さこだて・まいと)
楪 什士郎(ゆずりは・じゅうしろう)は、
試合終了後の宴会の準備を始めた。

「さぁどうぞ。
適当に注文してくれたら、基本的なカクテルぐらいは作るわよ」
バーテンダーである真衣兎が、注文を受け付ける。

「フフ、しかし什士郎が隣で料理作ってくれるとはねー」
「……何がおかしい」
笑みを漏らす真衣兎に、什士郎が言った。
「昔は私の店に来た客だったのに……何だか感慨深いモンがあるわ」
「まぁ、お前の隣で手伝ったりしてたからな。簡単なものなら作れる」
手際よく料理を作りながら、二人は会話する。

「もちろん、これからもずっと手伝うつもりだ」
「あのね、それ一歩間違うと告白とかプロポーズになるわよ?」
「なっ、そんなつもりで言ったわけじゃないぞ!」
慌てて言う什士郎に。
「はいはい、わかってるってー」
真衣兎は笑いながら答えたのだった。

バーのおつまみや、カクテルと、
未成年用のノンアルコールカクテルとジュースがふるまわれる。

創世運輸のトラックで食材を運んできた、
シリウス・バイナリスタ(しりうす・ばいなりすた)も、
パートナーのリーブラ・オルタナティヴ(りーぶら・おるたなてぃぶ)とともに、
料理やお酒、飲み物を振舞っていた。
「……料理やお酌は引き受けますから、シリウスも楽しんできてくださいな」
ドージェの方を伺っていたシリウスの気持ちを察して、
リーブラが言った。
「そうか。ありがとな」
シリウスは、ドージェの方に行く。

傷が残ったままの顔で、ドージェが振り向いた。
「あのさ、オレ、初等部の教師をしているんだ。
だから、ウゲンのことも知っている」
シリウスが話を続ける。
「ウゲンは結構元気に仲良くやってるぜ。
そこの鳥人ギフトの兄弟のケツにブライドシリーズブチこんだり」
「……」
ドージェは沈黙していた。
ドージェがどう受け取っているのか、シリウスにはわからなかった。

「香菜は……あまり元気じゃねぇけど……けど、きっと何とかなるさ!」
あえて明るく言ったシリウスに。
「そうか」
ドージェは、それだけ言った。

「まあ、いいや。
打ち上げに、ドージェ達の歓迎会、そして殴り込みへの壮行会だ!
酒でも一緒に飲もうぜ、ドージェ!」
シリウスの盃を、ドージェは受け取った。
そう言って、シリウスが帰りの運転のことに気づくのは、
しばらく後のことである。


一方、山葉は。
【蒼空学園新生徒会会長】東條 カガチ(とうじょう・かがち)に、言った。
「これで、大見得切ってニルヴァーナまで来たかいがあったと思ってる。
俺が、一番槍だ。
蒼空学園の皆にも、また協力してもらいたい」
「そうか、じゃあ、しょうがないねえ」
カガチはそう言い、頷いた。


そして、
グレン・アディール(ぐれん・あでぃーる)は、
試合終了後、ドージェについていくことにした。


なお、ドージェ相手によく健闘した、と、
猫井 又吉(ねこい・またきち)は【C級四天王】に昇格。

藤原 優梨子(ふじわら・ゆりこ)は、【ドージェを手負いにした者】と呼ばれることになる。