空京

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創世の絆第二部 第二回

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創世の絆第二部 第二回

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■激闘! ドージェチームVS山葉チーム・4

山葉 加夜(やまは・かや)
ノア・サフィルス(のあ・さふぃるす)は、
ボロボロの寺美や椿の怪我を治療する。
「大丈夫ですか?
すぐ治療しますからね」
ひどい怪我には命のうねりを、軽い怪我にはナーシングを使用して、
加夜は次から次に発生する怪我人を治療していく。
「早く良くなりますように」
ノアも、そう願いながら、ヒールや歴戦の回復術を使いつつ、
心を込めて包帯を巻く。

「思った通り、怪我人続出だな……。
ありえない剛速球とか、投げた球でソニックブームが起きてるじゃないか」
ヴァイス・アイトラー(う゛ぁいす・あいとらー)も、
治療のために、
パワードバックパックに医療道具や薬を詰め、
セリカ・エストレア(せりか・えすとれあ)
連れているアニマルズに飲み物を持ってもらい、治療や水分補給に当たっていた。

「それにしても、ヤキュウというのはずいぶん激しいんだな。
まあ、契約者でなければ普通のスポーツなのかもしれないが」
セリカがつぶやく。
「まあ、もちろん、硬いボールが当たったりしたら危険だけど、
この怪我人は異常だろ!」
ヴァイスが手を動かしながら言う。
連れてきたアニマルズは、
ペンギンアヴァターラ・ヘルムの
平さんが、小柄な体で駆けまわり患者の発見や水分配布を行い、
ホエールアヴァターラ・クラフトの
山田さんが、クーラーバック、患者の運搬を行い、
超人猿の超さんがヴァイスの助手や山田さんに患者を乗せる作業を行っていた。


一方、バッターボックスには山葉が立っていた。

「涼司くん、頑張ってくださいね!」
そういう加夜は、夫に何かあった際はすぐ飛び出せるよう、
歴戦の飛翔術や歴戦の魔術をすぐ使用できるようにしている。
「涼司お兄ちゃん、頑張ってー!」
ノアも、山葉に声援を送る。

「ありがとうな!」
山葉は手を振り、
ハリネズミ型ギフトを手にするドージェに、相対する。

そこに、
ドクター・ハデス(どくたー・はです)が、
パートナーの
聖剣勇者 カリバーン(せいけんゆうしゃ・かりばーん)を伴って現れる。
「フハハハ!
我が名は世界征服を企む悪の秘密結社オリュンポスの大幹部、
天才科学者ドクター・ハデス!
そのようなバットでは実力が発揮できまい!
耐久性が足りんだろう!
そこで、この俺が、耐久性の高いバットを用意してやったぞ!」
「俺の名は、聖剣勇者カリバーン!
勇気ある者よ! この俺を使え!」

「って、ほんとにバット代わりにしていいのか?」
「もちろんだ!
俺は簡単に折れたりはしない!
安心するがいい!」
カリバーンがそう断言するので、
山葉はカリバーンを使うことにした。

「ククク、ドージェと山葉か。
その本気を見せてもらうためにも、道具は一級品を使わねばな!」
ハデスが腕組みして、
試合の様子を見守る。

ドージェが、思いっきり、ハリネズミ型ギフトを投げる!
それを、山葉が、カリバーンで受ける!

「剣の扱いなら任せろ!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!?」
「ど、どうしたカリバーン!?」
ひしゃげそうになりつつも、
カリバーンはハリネズミ型ギフトにぶち当たり、
山葉はホームランを打った。


ドージェチーム4−山葉チーム5


会場に歓声が巻き起こる。

「やりましたね、涼司くん!」
加夜が、ホームに戻ってきた山葉に駆け寄る。
「ああ、加夜が応援してくれてたおかげだ」
山葉が照れくさそうに笑った。